アースレジェへの帰還(三)
おぼろん

「汝はドラグネイアス。我に仕えるものである。
 そして、汝自身が生きた意味も、やがて分かるだろう」
エランドルの言葉に、オーマルは首を垂れたみせた。
「殊勝だな、オーマルよ」──と、アイソニアの騎士。

「我がなすべきことは、なせたのでございましょうか?」
「ああ。ここに、虹の魔法石がある。世界を滅ぼし、
 世界を再生させる、本物の魔法石だ」
アイソニアの騎士とヨランとは、固唾を呑む。

「そ、それが虹色の魔法石だと?」アイソニアの騎士は驚いた。
虹の魔法石は、エランドルの体それ自体から、現れたように見えたのである。
「お前には、それは分かるまい。わたしは、一個の人間だった……」と、エランドル

「一個の人間? それは一人の人間と言うことか?」
「そうだ。我は一人の人間だった。その全てを変えたのは、
 言語崩壊だった」虹の魔法石を抱えながら、エランドルは息も絶え絶えに言った。


自由詩 アースレジェへの帰還(三) Copyright おぼろん 2022-10-29 16:06:46
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クールラントの詩