すべてのおすすめ
平然の感情を取り戻す道程は
岩盤の鋭角の上を歩く途方も無い日常
果てに向かう鳥の群れは本能のままに羽ばたき
生物学的な運命に従う他
有力な解決策はないことを自覚する
目の前にある獲物を無 ....
思考は正確性と客観性を失い
分裂的な生真面目さを完全に喪失する
私は今、循環している
私は今、循環している
目の前にある景色に
耳に響く騒音と噂話に
掌の感覚とドラマのように過ぎる場面 ....
春の日差しに照る光
影と陽の二重音奏は
日常というリズムを奏でている
自然の一つ一つに
咲き始めた根を張る花弁に
青空のキャンパスを渡る一片の白雲に
私達の一つの想いに
無数の生活に ....
とぼとぼと歩く駅からの道
辺りはすっかりと暗くなり
私の大きな背中は闇夜に消えて行く
道端の草木はもう姿を現さない
自然は朝の生き物だ
若しくは昼間に呼吸する天然物だ
道路には車が行き ....
河は悠々と流れている
生活の小さな変化を浄化するように
景色は微動だにせず
時という空間を喪失している
平然とした日常
それは天から与えられた恵み
蒼い空はのんびりと欠伸をしている
....
私達の目は形の無いものをどれだけ見つめることが出来るだろう。昨日の陽の光の形を、10年前の雨の滴る上空を、過ぎ去った記憶の思い出を。薄ぼんやりとした過去の欠片は、今日の一日をボロボロと噛み砕いている。 ....
石の言葉は無音だ
叫びが無く
訴えも無い
ただ、冷たい地面に向き合い
ジッと座っている
荒地の中でもアスファルトの隅でも
空の意志は純粋だ
無念が無く
欲望も無い
ただ、澄み渡る ....
風は光と影に囁き
透明な空気を細やかに主張した
何故なら
ある歌の中では 黒が白となり
ある叫びの中では 赤が青になるからだ
透明感のある言葉は一体どこに隠れたのか
人の主張は圧縮され ....
空が蒼ざめている
真っ青に蒼ざめている
太陽は全身の裸体を輝かせ
庭には緑の木が生い茂る
道路には車が行き交う
人の感情は車に乗り込んだ瞬間に機械となる
目的地へと向かう中
涙や笑顔 ....
現実という時雨が降る朝に
大地が感じるのはどのような温度か
木の枝葉は水滴の重みに耐え
明日の太陽を望んでいる
今、曇った雲の切れ端から
太陽の光が漏れている
影と光が織りなす景色に
....
時が支配者であるという命題に
生は何時も屈服する
1日は24種の蒼い乾びた血液から成り立ち
時を忘れた瞬間に赤い血流は体内を巡る
生の瞬間は忘却に潜んでいる
小さな人間の小さな脳内に
....
明け方 季節を忘れた
冷え行く寒さの中で
冬は姿を消し
沈黙は空気を透明に染めた
朝 差し込む光を浴びて
言葉を忘れた
荒涼とした会話が砕かれ
鳥の鳴き声は静寂に木霊した
昼 ....
覚悟を持て 覚悟を持て
覚悟とはギリギリの命の欠片の端くれを
決してはなさない心の態度
心には態度が必要なのだ
今日を見るのは目であるが
明日を見るのは心の中だ
動いているものを見るの ....
夏の灼熱の熱さを
秋の黄昏の温度を
凍てつく冬の露の滴を
桜は見ている ただジッと動かずに
桜はその時、何を感じているのだろうか
辛さか
孤独か
悲しみか
何も語らずに 桜は黙して ....
わたしはわたしの世界を見る
薄ぼんやりとした世界の表情を
いくつもの闇の交わり
いくつもの光の温もりを
わたしはわたしの世界を見る
とぼけた朝の鋭敏な世界の景色を
悲しみの重なりや ....
人々は足を動かす
サッサッサッ バタバタバタ
トントントン タッタッタッ
生活というリズムを繰り返すため
肉の欠片を全身に集めて
凍てつく日も 火照る日も
朝起きて、食事を食べ
仕事 ....
苦しみは夜のネオンに芽生え
朝の日常に消える
そうして透明な世界は回ることができる
迷いは夜の闇に映えて
朝の陽光に存在を消す
そうして各々の生活が回り始めることができる
一人の人 ....
世界は季節に支配されている
春に、夏に、秋に、冬に
冬の後に夏があったら
桜は花弁を失う
夏の後に春があったら
氷の美しさは化粧を装う
10月の後に3月があったら
山々の葉は蒼く ....
風が文句を言う。だから僕は頷く。若しくは日常語だけを話し、沈黙を忘れる。太陽は感情を曲げないで一直線に走る。だから僕は座る。若しくは歩みを止めて、目的地を捨てる。雨は時刻を知らせる。一秒毎に100粒の ....
それは突然に来る 音がする
ヒタヒタと迫りくる
晴天が急に曇り、突然降る
人は剥き出しだ 傘もささずに
12月の初めの風 南に向かって
匂う道 曲がる季節
今日の天気 晴れのち ....
覚えている 山の色、海の匂い
夕焼けの中、一緒に遊ぶ隣の家のお兄ちゃん
記憶は遥か遠く、遥か遠くに居て 瞬間に迫りくる
過去は止まり、描写は言葉を忘却している
感情の色を失くし、刻む脳裏の ....
太陽が現れて、眩しい光が差し込む
水面に揺れる地平線
蒼く染まった頭上から
歴史を振り返ることなく
生活を語ることなく
背中には影
光と同化すること ....
揺るぎない態度が歩むアスファルトの硬さで
両腕を失ったのは誰か
絶えず歩み続けることで
身体の抱擁を犯されたのは誰か
足跡は連なり
その道は物語を一つ語りだす
独りの表現を誇張し
劇 ....
“相手とコミュニケーションが取れない
この作戦は決行するしかない
我々には戻る場所が無くなった
補給する術も材料もない
我々は戦うという選択肢を取らなければならなくなった
この暮らしを守るた ....
例えば、それは記念日の夕食の
テーブルにある蝋燭が照らす淡い瞬間
ワインで少し赤くなった顔が綻ぶ瞬間
例えば、それは久しぶりに家族で行く海外旅行の
澄み渡る天の青を仰ぎみる瞬間
遠くに見える ....
秋という服が来訪した
木陰の脇からは紅葉が芽を出し
人々は山へとその景色を見に行く
楓が道に落ちている
秋とはそういう季節だ
物事が落ちるのが似合う季節
店頭の様相も変わった
街 ....
それは病理の感情
刹那的は喜びがエネルギーを放出する
我ら生き抜くために今日も病んでいる
未来に恋する現実は重労働を国民に課す
100年後、今の時代は何と名付けられるだろう
この病理と生 ....
大きな塔があった。
ある男は大きな塔の頂上に登れば何でも見えると思った。
そして、ある朝、その塔に登り始め
一歩、一歩、階段を踏みしめて頂上を目指した。
辛い時もあった。孤独を感じる時もあ ....
少年は挨拶した。
周りにいる人達は彼を無視した。
前回会った時、少年は彼等を無視したから返事が返って来なかった。
正確に言うと、少年が前回挨拶をしなかった理由は、
無視したのではなく、物思いに ....