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---気のせいか
寒桜の幻
枯れ木に薄雲
夜より青い暁は
壊れた月へ注がれよ
舞い散らぬ桜はみな幻
恋の朧は夢幻
点くは幻灯、消えるは焔
火 ....
君の指先の温度を
以前触れて測ったのに忘れてしまった
まだ火のついた吸い殻 逆再生される夢
千円札は五百円玉二枚にはならないし
五百円玉二枚は千円札にはなれない
....
忘れ物を探しに
ターミナルからターミナル
プラットホームの柱に落書き
二人のやりとり
一行詩の会話
白線の内側で
電車が通過するまでお待ち下さい
ブレーキをかけても
....
眩しさを思い返す
ルミナリエ
太陽が出ている時の
骨組みだけの状態
緻密で綺麗だった
静かに光を浴びていた
気が付いたら目を閉じて
手を合わせて祈っていた
....