詩誌「ミて」を刊行しているミて・プレスは、
日英バイリンガルのウェブサイトを、
毎月20日ごろ更新しています。
エッセイ連載は、
イナン・オネル(トルコ語詩翻訳)、前田君江(ペルシャ語詩翻訳) ...
ちゃぷ ちゃぷ ちゃっぷん
水まくら
昭和ロマンの{ルビ色形=いろかたち}
今に伝える
水まくら
ベンガラ色の胴体に
銀色ネクタイ首に締め
お腹の水を堰き止めて
口をへの ...
燃え尽きる?
この私が?
まさか
旅人達は 言うだろう
疲れた と
父親達は 言うだろう
困った と
学生達は 言うだろう
面倒くさい と
私は言わな ...
コーヒーを 甘めに淹れる君の優しさ 何も言わずに そっと寄り添う
京の都、土御門大路を、八つか九つかくらいの男の子が辺りを見回しながら歩いておりました。
そのうち男の子は、市の雑踏へと入り込みました。
烏帽子に水干姿の男やら、市女笠に垂布の若い女、上総か常 ...
トイレの中を
赤い鳥が
泳いでいる
すっかり
無駄になったものは
なんて
きれい
捨て去ってしまう
ぜんぶ
胸ぐらを
つかんだ
手の硬さ
殴ろうと
思って
会った相手を
...
君を
拒むことも
許し切ることも
ない
狭いような広いような
こんな
足の間に
託された私たちの
みらい
密やかに
繰り返される
わずかな
暴力で
からだより
こころが ...
コンビニで おでんひとつだけ 頼んだら
大根のかけら 入っててほしい
僕の大切なアダルトビデオコレクション 大船駅前ビルの地下で買った秘密のコレクション とっても大事にしてたのに ある日嫁さんに見つかった どうしよう どうしよう 押し入れの奥深く温めておい ...
もぐっていたのに起こされて
携帯電話の音でした
向こう側からきこえてる
終わりの知らせの音でした
冬きたりなば
春です 春 が来ました
花です 花 が咲きました
夢の中で溺れてい ...
綿密に設定、計算されています
発する言葉すべて感情などこもっていません
ですが、
涙だって流します
笑顔だってつくります
ただひとつ、
孤独によわいんです
孤独によわ ...
芽吹いた草がやんわりと
新生をみせるように
わたしもまたやんわりと
あたらしい時を見出そう
わたしがわたしに微笑むことを
忘れることなく歩くとき
祝福はいつも共にある
樹々のさざめき
...
足下に広がる銀河を越えて星屑の彼方へ一直線の稲光
みたいになってしまいたいって思いながら
色んな人達が都庁やエンパイヤステートビルにのぼる
そして分厚いガラスの向うに目を向ける
イマジナリ ...
我が球体は天に擦れ
地延の終わりで灼熱の炎を上げる
地空数メートルをゆく雲は
今見過ごした賞花を手を握る
星の数は海の眩み
白い首はなだらかに老いた
今ここ草原に眠るは
柔 ...
歩く
沈黙したまま
砂に足を取られて
懸命に歩く
背後に人影
振り向くと
たぶん
僕の好きな人が
背を向けて
立ち去ろうとしている
行かないでくれ
でも、
僕はあの人と ...
家もない
傘もない
鞄もない
指もない
耳もない
肌もない
声もない
皿もない
袋もない
血もない
温度もない
湿度もない
恐怖もない
歓喜もない
不安もな ...
限りない世界だと思っていた
生まれた家も
家の外も
知らない道を迷っていた
草ぼうぼうで
怖いから家に帰った
ものごころがついて知った
そこは近所の球場の
外野の土 ...
楽しいといって
いつも笑顔でいる人は
人生が楽しいそうで
でも本当はつまらないことに蓋をしてるだけじゃないかな
そうさ人生はつまらない
つまらなくてつまらなくて何かを ...
あと5年とすこしだ。あと5年とすこしで私は、少女ではなくな
る。少なくとも、年齢的には。いつまでたっても大人にはなれない
んだろうなあ、とぼんやり思うけれど。
全責任が、この手の中にこっそり ...
錆びた非常ドアがぎしりと閉まる
外はすっかり冷えきって
昼間の汗ばむ陽気とうって変わり
仕事を終え帰路につく頃は雨だった
思わず手を突っ込んだポケットには
わずかばかりの砂利銭と
明日 ...
道は急速に右へとカーブし
街灯が
粉雪に色を試しているそのあたりで
ぼくは黒い髪の女の子に
恋をした
彼女は腕を垂らして
かばんを提げていた
髪をかきあげて
左目 右目と順々に
...
ピエロの仮面を被っていた理由を
楽しくなかったからと言ってみたのなら
つまらない嘘をついたことになる
どうせかっこつけるんだとしたら
不器用な人間だから、と漫画の受け売りをしていたい
そ ...
若いうちから
苦労し過ぎたから
君の手はボロボロで
眉間には深い皺
どんなに眩しい笑顔も
裏には汚れた汗があり
君の心はボロボロで
背骨には酷い歪み
周りの笑顔に吸い取 ...
無味乾燥な毎日のなかで
生きがいを見出すのは無理
もうあきらめるべきだと思う
君らの努力はもう見飽きたから
僕を巻き込もうとするのはやめて
エレキギターをひこうぜGOGO!
バンブーアトラ ...
すてきだねって言われたいから
服を着替えて歯をみがいた人が
今はバームクーヘン工場にいて
死にそうな顔で粉を練っている
今年で二十九歳になるんだって
守護霊にずっと話しかけてたよ
妹のこんにゃくをたべたい
ぶしつけな事を言ってすまない
君には悪い事をしたと思っている
でも僕は妹のこんにゃくを食べたい
君のこんにゃくでなし妹のを食べたい
どうか僕の気持ちを理解して欲しい ...
ディストーションな衝動
フィードバックな憤怒
ハーモニクスな咆哮
魂の掠り傷が
増幅して
増幅して
増幅して
真っ赤な熱を迸らせる
魂の独り言が
歪曲されて
歪曲されて ...
泣いているかと思えば暖かく
微笑んでいるかと思えば寒い
まるで誰かさんのような季節
明日はどんな声を聞かせるの
笑顔さえ見られたら
それで満足だからとか
殊勝な戯言を口にして
もう少 ...
ジャンプするタイミングくらい分かってる いち、がいつか わからないだけ
どうして自分は
を突き詰めて疲れて
実りもなく眠りに落ちて
どうして自分ばかりが
ため息の花を咲かせて
この部屋はもう息苦しい
どうして自分だけ
世界の不公平を是正す ...
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