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ヘリコプターのような方ですねと
僕が言ったので
相手は少しへりくだって
それからむすっとして
紅茶を飲んだ
暗い路なりに
銀色の聖餅が落ちているのを見て
これはパンでもないし餅でもな ....
長い間、咲かなかった
植木鉢のクンシランが数年ぶりに
草の両腕をひろげ
橙色の花々を、開き始めた。
レースのカーテン越しに注がれる
日のひかりの内に、今はもういない
在りし日 ....
さあ でかけようぜ 狩りに
黒鉛のナイフを左手に
舌先の罠を仕掛けに
いつもの通い路は未だ暗いが
彼方で獲物の
かなしい誘惑の声が響く
さあ でかけようぜ 狩りに
えさは厳冬の風に晒 ....
すてきだねって言われたいから
服を着替えて歯をみがいた人が
今はバームクーヘン工場にいて
死にそうな顔で粉を練っている
今年で二十九歳になるんだって
守護霊にずっと話しかけてたよ
金がなくても踊りませんか
足がなくとも踊りませんか
顔がないなら踊りませんか
何もないなら踊りませんか
探し物はなんですか
見つけにくいものですか
アマゾンにもありませんか
ビートポ ....
三月になると思い出す
透明な夢をみてた人
・・・頭イタイ
あたしにあんまり優しくしないで
噛みつくからって逃げないで
リップサービスなんて要らないし
生意気だったらきつく叱って
俺を見ろって言ったあとに
笑わないで、誤魔化 ....
水を飲むように
音楽を採る
人は 僕はもっと音を聞くようにならなければいけない
ピアノの
ギターの
あらゆる楽器の
そのものの音と感触
とてもおおきく広く多角的に偏在するよう ....
墨いろの街道
放たれた欲望は
雨上がりの夜にさえ
涙ながして飛んでゆく
飛んでゆく
好きだけじゃ
足りないみたいだ
このせつなさを
春の切実と名づけ ....
身体を綺麗に取り繕うのは、骨が折れる。
昔より太ったのは、コンビニで働いていたからだと思う。並んでいる不健康で高カロリーの食品が目に入ると、
キャラメルの匂い
芝生の感触
白い机と椅子
小さなあの子が
オモチャの車で
犬っころを追いかける
目をつむってみて
想像できるでしょ?
そんな夢を明日も見たい
手を差し伸べて
....
厨房へ入ろうとしたら狭い通路で全裸の人魚が廃液を捨てようとして居た/私は私1人分なら通れると思って通ったので有るが何時もの癖で中途半端にしか着て居なかったエプロンを前でヒラヒラさせて居たのでそれが全裸 ....
立ち食いそば屋で
夕飯を食った
客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった
素数について
話している客がいた
立て ....
わかってる
わかってる
うん、
大丈夫
わかってる
うん
そう、
わかっているよ
わかっている
わかっているから
わかってる
わかってる
わかってる
....
春の陽気は
あなたのひざの上
ほんのりと
{引用=
幼い頃から爬虫類や両生類や昆虫が大好きで
森の中でそんなものたちと出会ったら
木苺にでもなって食べられたいと思ってた
青々と茂った中にちらほらと咲く白い花
水底の砂利まで見える ....
{引用=
君の指先が触れて、それだけで僕を揺らしてしまう。
君は知らないだろうけど、心の中ではずっと惑ってた。
世界にも君にも飲み込まれたくなくて、ずっともがいてた。
「ねえ、
もう ....
臭い息を吐きながらバスに詰め込まれて
長い坂道を登りまた降りてゆく
雨に濡れた路面と涙を含んだまつげが
ブレーキのたびに摩擦で軋む
日々は流れる水のようでいて
なにも清浄にすることがない ....
からん、と通る 落ちる
瓶の口の正円 艶やかな曲線の裸体を抜けて
からん、と{ルビ生=な}る
手足の生えた魂のような両手をひろげて
隙間なく横たわる 底
から見える瓶の口の正円
の正体は ....
カビの生えたパンと
皿に盛られた生魚
オレンジジュースの代わりに
エンジンオイル
ピーナッツバターはグリースで
テーブルクロスは純白のレース付き
....
このように銀河は白く
星が密集して見えるわけですが
隣り合う星どうしでも
何光年という隔たりがあって
異なる時間と空間から出発した光が
一斉に辿り着いた
奇跡的な現象なのです
例えば ....
曲がったネクタイを直して
身だしなみをきちんとして
それから 二人で
青空を見に行った
白いけむりが立ったので
裏の丘へと登っていった
あなたの腕のような
楓の木々のあちこちに
朝 ....
身代わりの縫い包みをもらって
笑って明日を受け入れる
かつては輝いていた金の穂
もう食べ尽くして、しまって
虚空へおよぐ手は共に朽ちる相手を探している
そして彼は吸収された
吐き気のする赤色の肉をしたたらせて
眠っている針葉樹林
脳を想像したことのない微生物の饗宴が
夜行われている赤い
肉は彼に吸収された
同調する振動が落ち葉
茶色 ....
あなたがあたしの
ほっぺたかくちびるを
だまってさわるのは合図
あなたがあたしの
ふくらみやへこみを
さすさすするのは合図
あなたがあたしの
顔のとても近くで
ねたふりをするの ....
テーブルのうえに
置いた世界から
悲しみはあふれて
ひっそりと暮れていった
それはどこか
幼い娘の
手のひらの匂いがした
いつのまに ....
テイブルの下に
ひきっぱなしの布団
みかん転がり落ちてるよ
段ボールから猫
なんもないのはわかってるんだ
ポンコツ話も聞き飽きただろ
こっちもうんざりしてるから
冷蔵庫にはたまご ....
海の仕事に憧れる、
俺は初恋を望みます。
女子高生の、
紺のハイソックスの
それで隠しきれなかった
スカートの下
を
不思議な気持ちで
目線を上げて ....
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「これであんたは終わりだよ。言い残す事は?」
「殺さないで下さい!あと好きです付き合ってください!」
「図々しい!」
「カニも食べたい」
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