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夏、おめでとう
快感のために全てを捨てられる?
煙草の煙の行方を追うように、
夕食後私は死出の旅に出る。
言葉が融けていく領域、
全ては無い方がいいのです、
全ては、最初から無いのだか ....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
少女の頭の中に象が住んでいる。作文をしている時、句読点をどこに打ったらいいか、背後からそっと教えてくれる白い象だった。ある日、少女は工作の授業で作った押し花を、象にプレゼントすることにした。少女の差し ....
てんじょうから染め物を垂らし ろうそくと鏡が揺れる小屋の もうとっくに知っている怪談に 肩をよせて聞き入った作法が
いとおしい
夜店のカラーひよこに触れた鮮やかな記憶 金魚を入れた袋の向こ ....
あれがああだとしても風車はああだ
ああしているあれ。
あんなあれはああしだす。
そうか…
私は風車にはああしない。
『香水』『涙』『休み』『美』『ドア』
『ひどく』『誓 ....
朝のような
首すじだから
遠くから見つめている
階段をのぼっているだけなのに
人生だ なんて言っていいのか
自由と自由の間に
履物をそろえる
わたしを取り去った世界とは
ど ....
今日のお昼何食べる?
星!霞!猫!小判!
マリーゴールド!
あの時のきみがずっと
ぼくの傍でねむっている
少しだけ、雨の匂いをさせて
笑いながら喋りつづけた
言葉はむなしい闇にのまれた
若く優しいだけでいられた
....
あなたはこう呟く
「私は詩を書いてはいけないのかもしれない。
だって私は詩の試験を受けたことがないから…」
あなたはいつからか詩人に憧れた
「すごいですね!詩検定一級を持ってるんですか ....
煙がすべて空に消えたら
ぼくの骨を拾いに来てくれ
肉はすべて
烏どもにくれてやった
ぼろぼろの骨のなかから
丈夫なものをひとつだけ拾ってくれ
それからそれを
あの女の部屋に投 ....
あなたのカロリーはセクシー あなたを摂取するカロリーはセクシー あなたが残すカロリーはセクシー あなたを捨てるカロリーはセクシー
あなたの顔をつたう哀しみはヘルシー
からだを逃げ惑うカ ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
カレンダーを
これから旅立つ友だちにもらって
廊下にかけた
それは
ラウンジの一人がけのソファに座ると
真正面にあって
ふとスマホから目を離したりすると
かつては真っ白な壁だったところに ....
祭りかと思ったら血祭りだった 町境に夜をおしのけてくる扉につまずいてはじめて足が生える
君の影は鉛筆だった
色はコバルトだった
窓ギリギリのところで
キリギリスみたいに
君の長い足を見ていた
教室の外
足音が聞こえるたびに
叱られた子供になって
君が振り返るたびに ....
「すみません、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、ですか?」
「はい、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、です」
「あり ....
滔の海を見ました。かれのたましいはそこに転がっているように思えたコンクリートの路地裏があったのだけど、そうじゃなくて、本当は海みたいに手でかたちづくれないものの合間に挟まっているんだと思えました。残さ ....
気温25度ぐらいの
する事のない晴天の日は
それ自体がひとつの音楽だ
階段を登って空を見上げると
悲しい思い出が粘度の低い唾液となって
唇の端から漏れる
引き延ばされるありきたりなフレーズ ....
おれは水溶性だから
泣いている人とか、
こういう灰色の
天気が嫌いだ、
カゲロウみたいに
目の前がふらふら歪んで、
傘の無い人もろとも
いきなり消えてしまうのは
怖いな、
....
まるい夜空の温度を
瞼の裏で受け取りながら
狭い歩道をなるべく真っ直ぐになら
ないように歩いた
水の流れた跡も
通り抜ける車の種類も
聞こえてくる音楽も
昨日と同じ
2日前とも
2年 ....
{引用=天使ちゃんです。
わたしの部屋の窓にすわっています。
毎朝十五分、ラッパの練習をしてから、かえっていきます。
絵をかくのがすきです。
神さまに見られるのがこ ....
桃を食べていた
指で口をぬぐった
戸が開いて何かがわたしにふれる
液状の 概念じみた何かがわたしにふれる
死んだ後もそこに在るとされるものだ
それは 戸を開け ....
胸の中に
何もないとき
思ったよりずっと
あなたを思い出していた
もう愛していると
言いたくなくて
泣いた顔の上に
砂をまいて隠したのに
人はみな
空っぽで
....
昼過ぎまで 魂をみていた
ローソンに車を停めて
海辺の商店街で
わたしに友達はもういなかった
腐った犬などがわたしの腕だった
わたしの歯が彼らの瞳だった
....
ある夜
死んでしまつた
畳の上に食べかけの芋がころがつてゐる
その横におれがころがつてゐる
目をとぢることも
ひらくこともできない
お迎へもこない
月の光 ....
{引用=どこにもいないひとのことをずっと
まっているからそのひとのすきなみ
つあみにしてむぎわら帽子かぶって
丘のうえでソラみあげながら年をと
っていこうとおもうのわたし}
並び替えた語らが
愛想笑いをしている
竹林
空腹の蛇だった
噛まれた耳だった
おりていく夕闇だった
感じられる前の淋しさだった
吐気がして
ねむっていると
あおい空がみえた
わたしたちは睦み合いつつ
観念の ふやけた泥団子に成り果てていたが
憎しみながら ねむっていると
吐気 ....
愛が美しい
言葉で語られ
手帳に書く時間も
ないくらい
肉体が支配する
頃にはもう
正しいレシピを
忘れたような
クリームシチューの
中にいるから
熱くて皮膚が
敏感 ....
空き地の段ボールハウスが
雨で溶けてる
Krispy Kremeの窓から
それを見てきみが言う
「17になったらあんな家に住むわ」
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