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一昨日の夜
世界中で槍が降ったので
わたしはネズミイロの箱の中にうずくまり
ひとり寂しく鳴いていました

昨日の朝は
庭に星のかけらが降ったので
わたしは爪に塗ったマゼンタをそのまま ....
えりという名前の女の子が、初めて海水浴に連れて行ってもらって
海の大きさにいたく感動して、ひとしきり大はしゃぎしたけど
夕方になると、帰らなければならないことが悲しくて
そのへんに落ちていた棒き ....
「雲は水蒸気からできている」

学校の授業ではそう教わったように思いますが

小さな 小さな 水の粒や

小さな 小さな 氷の粒で

本当は出来ているのだそうです



私 ....
爪で頭を掘るたびに
うすく小さな羽が生まれる
「いつまでもたどりつけない」と嘆く羽
たどりつけたらどうなるのか
未だに訊けないままでいる
  あちこちで物音がして
  生まれたり死んだりしている
  洗ったばかりの白いシャツ
  でも、なんだか袖を通す気になれず



  日曜日はいやなことから目をそらす
  べ ....
クリームソーダのクリームが
ゆっくりと溶けていくような喪失感で
わたしは寝られません


風の強い日 姉さんは洗濯物になる
海からの風は 姉さんを裏返したり表にしたりする
はたはたと身体の鳴る音にいちいち反応しては
子供みたいにはしゃいでいる
時折 砂混じりの風が当たると ....
  バーガー・ショップの狭いテラス
  台風のあとで椅子が倒れている
  ケチャップでよごれた君の唇
  文脈を外れた一行のごとく
  包み紙はテーブルをこぼれて落ちる
  恐怖
 ....
葉月の昼下がりのどうしようもなくもてあました窓の
したで、たったいま、わたしにできることをすべて思
い浮かべてみても、ただ、雨の日の猫のように四つ足
を投げだして眠ることしかできなかった。
 ....
耳はかたむく零雨にしげる 一度も私のものだったことがない君を
果てしなく喪いつづけている
その喪失が胸に生む波紋の美しさに
{ルビ彩=あや}なす言葉でうたわずにはいられない
撹拌されて
まじりあう
フラスコの中の
時間が
わらわらと踊っている

次第に
重さを帯びた幸せは
底で沈殿する

浮かびあがる
透明な
うわずみ
あじのするオブラートに包んだような物言い つらつらと書いてしまう
事象と事象のはざまに時々揺らぎが存在するような
そんな感覚でいて
ことばとことばの間にもそれらの主張するべき事柄が
あるのではないかと期待して
書いてしまう
 ....
心臓と似た場所
心臓と似た場所を血が流れる

しらじらとしらじらとしらじらと
しらじらとしらじらとしらじらと

肌と似た場所
肌と似た場所を乳が流れる

しらじらとしらじらとしらじら ....
生後数ヶ月で両目を摘出してから 
声と言葉を発しなくなった彼女は 
木の世界の土壌に根を下ろし 
大人になってゆきました 

ある日、遠くから来た旅人は 
人に話せぬ深い悩みを打ち明け 
 ....
{引用=――押見修造「惡の華」に}

  くらい月が
  きみの瞳にとざされている
  歯には海苔がついている



  雨をうけた自転車の
  車輪からはいやな匂いがする
  町 ....
まずは
カゴ一杯のブスを
水道水でよく洗って
表面についた
コスメティックな汚れを
落とします
一旦ザルにあけ
余分な水分を取ります
乾きに
乾き切ったブスを
まな板に載せ
包丁 ....
耳をつんざく電気
たちまちに来る感覚の波
マヒした未来の暗号文
{ルビ「○×あ!!'’時~■悟※?。圧|:3ミ」=ユメはまだユメのまま}
朝日がこっそり覗いている
熱気と狂気の共感に
椅子 ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
 ....
転校生のせなかをおした水曜日、わたしが階段をふみはずすのは決まって水曜日、わたしたちきっとA子になる、被害者A子なのか加害者A子なのかは誰も知らない、未来だってまだこしらえてないってのに

上履き ....
夜がしのびこんできた、体内に、夢の続きがみたくてごみ箱をあさった、夢のなかで、あんたの首筋から鎖骨にかけてのへこみに野花を飾って、希望とかなんとかについて語るわたしたちの唇に寂しい思いをさせないように ....   煙突
  その柵のむこうに
  無数にうごめく夏の虫たち



  とうめいなシャツをぬいで
  ひとりきみは走りだした
  煙突
  イメージそれははかない
  イメ ....
弱音を吐け 俺が救ってやる 1から10まで説明しない
3や7は自由に泳がせてみる
2や5はもう好き勝手に
現代詩だから、
夏休みの中学校から響く
ブラスバンド部の練習が
足を止めさせるのです
胸がはりさけて
現代 ....
わたしは夏の始まりに一粒の悪意を植える
純粋な胃袋が食傷をおこしてしまわぬように

そうして生まれた悪意の芽が
世界をひとつ食べ尽くしてしまう
食べ尽くして何もなくなったひと夏はとても
静 ....
男なんか
馬鹿じゃない
やらせるって
言ったら
大概は
大喜びで
飛びついて来るわ
だから
こっちが
その気なら
幾らでも
やれるってわけ
これが
男だったら
そういう訳に ....
ぎゅーってしてやろうか   ぼくはいつも
  見当違いのことばかりする
  マンボウ、
  鉛筆の先がじょじょに尖る
  マンボウ、
  ポロシャツの赤が褪せて落ちる
  思い出と花の色は白い
  ビニ ....
さようなら
さようなら
みんな簡単に手を振るけど
この夏は
一度きりの夏

君も
甘夏色の帽子を振って
家路につくんだね
はるなさんの自由詩おすすめリスト(1674)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そしていつの間にか100年が経っていた- 自転車に ...自由詩413-8-27
えりの海- オノ自由詩513-8-24
いやらしく馬鹿な女の子- 時子自由詩813-8-22
ノート(剥歴)- 木立 悟自由詩413-8-14
勝手にしやがれ- 草野春心自由詩513-8-11
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恐怖- 草野春心自由詩513-8-3
雨の日の猫は眠りたい_2013- たま自由詩30*13-8-1
水道- こしごえ自由詩2*13-8-1
- 塔野夏子自由詩9*13-7-29
うわずみ- そらの珊 ...自由詩16*13-7-29
好み- 兎田 岳自由詩113-7-29
キツネリスといえば/アライグマといえば- かんな自由詩2*13-7-28
液夜- 19891026自由詩113-7-26
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ドミノ- 草野春心自由詩413-7-23
ブス殺し熱湯地獄- 花形新次自由詩3+13-7-22
鏡の声- 自由詩113-7-22
マリはマリなのだから- 夏美かを ...自由詩40*13-7-21
カエルの親友A子- ざらざら ...自由詩813-7-21
空白になったら曲がれ- ざらざら ...自由詩1013-7-21
煙突- 草野春心自由詩513-7-20
弱音を吐け_俺が救ってやる- 北大路京 ...自由詩513-7-17
123456789_____________________ ...- 左屋百色自由詩9*13-7-16
冷たい夏- 瑠王自由詩3+*13-7-16
ヤリマンになりたい- 花形新次自由詩213-7-15
ぎゅーってしてやろうか- 北大路京 ...自由詩413-7-14
マンボウ- 草野春心自由詩413-7-12
甘夏- 渡辺亘自由詩513-7-10

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