すべてのおすすめ
のぐら ろぐま 世界を掬って
耳へ切って 無が流れたわ
はらうはずもない にがおえうえ
ぶろうずもって両眼あずけて
天は白だと思って
息吹きかける むねいっぱいの色地へ
ゆがけ ....
夜明けのサンマルコに風が吹く
恋人達の残り香を拾い
集めながら朝を、呼び込んで
頬を掠める
微かな潮の交響
幾つか期待を散りばめて
ときめく、
アドリアの海
....
雪片うるふと目を閉じて
ママには内緒で あそんだよ
窓辺で白い息はくと
ガラスにお絵かきができるぜ
すぐ消えちゃうけど
そしたら俺と踊ろうよ
た たり ら
....
地母神の歌を歌うのは
月の真昼のギンドロヤナギ
スノードームの嵐のなかで
雲母の窓が開くとき
粉砂糖浴びた菩提樹の
リンデンバウムクーヘン並木
月の深さと詩の絶対値
十一次元の座標軸 ....
きみのひらがなにぼくの声を重ねて
地層みたいなしま模様になって
それはありふれたメロディーで
すき間にもぐりこむ小さな虫ですら
小気味良いアクセントにしかならなくて
さっき港を出発し ....
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北極星が輝きます
北極星は夜空に広がる星々の王様です
実はこの森の梟は
北極星が北の中天から動か ....
コンクリートの塔の下で
小さくなってしまった、緑色の光源が
わたしを照らし
浮かび上がった舞台で、わたしは遊泳をしていたが
過ぎ去る車のエンジン音が
わたしをわたしへと戻した
化粧する ....
{引用=
? 世界は 魔法に満ち充ちて 不思議
赤 が
赤く見えること
青 が
青く見えること
それが不思議
だから それは魔法
花が 雪が
光のきらめき ....
ごめんね かぁさん
僕はあなたが生きている間に
謝れなかった
あのときのことを
謝らなかった
物心ついた時
母さんは家にいたはずだったが、
母さんの記憶は
千葉のサナトリウムから。 ....
ひかりの泡を
手のひらに受けて
きらきらと
さらさらと
透き間から流れてゆく
涼やかな風を
見守りながら
(ミドリノ紗綾 ヲ) /サヤ
....
古代、影という言葉は
月影とか
面影とか
光りのことでもあったので
孤独の影は孤独の光り
ひとりの孤独はひとりの光り
光る子と書けば
ミツコさん
光りはみつるものでもあるが
....
ぱたぱたぱた と
歩いていたらスリッパが脱げました
おちたスリッパは星になりました
たくさんの人がここでつまづきます
そうっと歩いていたのにぶつかりました
ここは世界の端っこです
だれ ....
心根にある切実を
切実に灯るちいさな火を
リレーしながら
なにをかへとひとは継いでゆく
そのちいさな火
すべてが純潔だった
なにをかから見つめると
そのちいさ ....
くるくると光り解けて
流れ往け
幾千の揺らぎ瞬き
降り仰ぐ
劫火の尾根の
爛漫難し
....
音もなくカルナヴァルはやって来た
花吹雪の中をカルナヴァルはやって来た
爪先立ちで熱狂する
サンバ
魂を奮い立たせる
アンゴラのリズム
髪にまぶたに乳房に腰に
音も楽器もなく花は降りそそ ....
冥王星は遠いし
最果てはもっと遠いし
飛行機は怖いし
人殺しはもっと怖いし
自分は馬鹿だし
隣人はもっと馬鹿だし
結局だれかに支えられたかったわたしの人生と
異世界の哲学に恋 ....
ぼくは少年のころ
特別な存在だった
月光が家の前の袋小路を照らすころに
宇宙から迎えの使者がくるはずだった
トイレの中の窓がまぶしく光る夜
ぼくは何事かと小窓をあける
袋小路に円筒の光 ....
いき・いき・息をする
いきている、
それはとうといものだって
胎児だって知っている
重金属のスプーンで
カキだされたこどもたち
かれらの蚯蚓のような
ちいさなゆびとゆびに
クレヨン ....
よる、みあげれば
いのちのいちに
ひとつのきれいなあかいほし
ルビーみたいなあかではなくて
ガーネットともちがうあか
めのうというにはかがやかで
パパラチアよりもふかいいろ
....
しぐさが好きだから付き合う
セックスしちゃったから付き合う
酔ったいきおいで付き合う
運命を感じて付き合う
おいしいごはんを食べさせてくれるから
付き合う
価値観が合わない ....
あなたの青は わたしの青ではないのだろう。
あのとき選んだコトバは わたしのものであって
そうではなかった。
水に水がとけてゆく
そのオトが 耳を塞ぐ。
沈んで沈んで沈んで ....
時間がたって、
ストリングスとワルツが
意味をなさなくなって
そのあとに
枯葉の季節が来たけれども
僕は感傷を全部目で追うために
部屋の中にいた
淋しげな
恋人たちの絵を
眺めて暮ら ....
かなわないなんていっても
あきらめない
いまを乗り越えるんじゃないんだ
自分でも知らなかったつぎの覚醒
だめだって言ったって 僕は夢中だから
きみのすぐ横にいるならできそうで
いままで ....
大気にはりつめる 甘く あたたかな 匂い
泥流から 水面を割って 境界を 越えた瞬間
蒸発して 真っ白く 散ってゆく
ゆらぐ さざなみの 光は
あつく うすく 屈折した虹をまき散らす
....
鏡の音を書きとめて
一晩がすぎ 二晩がすぎる
夜の鳥の声 水をわたり
水に映る
曇の時計
貝の内の午後
誰も見ない青
棘と牙の青
二つ三つ不確か ....
あなたが愛を呉れなかったとしてもわたしはあきらめない。
あなたが愛を呉れたとしてもわたしはあきらめない。
あなたが愛を巻き戻さなかったとしてもわたしは愛を巻き戻さない。
あなたのつよさは わたし ....
優しさってなんですか
優しいことが
生きていくために必要ですか
優しさがほしいのはみんな一緒ですか
それは言葉ですか
しぐさですか
優しくないからと捨てられたけど
優しいからでな ....
あなたを中心にして
その円の中の全員と
しました
あなたが好きだったから
雪や氷柱(つらら)や霜柱
たくさん積んだ荷馬車を曳いて
二月の親父がやってくる。
その音聞こえぬ ふりをして
年が変わったと大騒ぎ
嫌なこと できれば忘れよう
初めの一〇日は騒いでいる ....
その昔、私は東急田園都市線沿線に住んでいて
学校が水道橋にありましたから
神保町は庭みたいなものでした
毎日のように行きました、古本を買いに
詩集?いいえ、詩集なんか
一冊も買ったことありま ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43