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{引用=
重いドアをから入ってきた日差しが、また去ってゆく
追い掛けてもだめ
太陽はおまえのものだけではないから
悲しげね
寂しげね
だから言ったでしょう
おまえは野の兎を捕まえるように ....
例えば つゆと消えゆくものならば
呪いの一つも残しましょうか
いつかは消える 痣のよう
二度とは消えぬ 傷のよう
貴方に刻んで差し上げましょう
遠慮なんぞはいりません
....
緩やかに
夜の装い
着飾ると
すれ違う
街並みたちが
急ぎだす
止まれの色の
人並みを
交わして前に
僕の気持ちは
時計の周り
行き交うばかり
進めの色で
踏 ....
人間ってさ
めんどくさいね
怒ったと思ったら凄い自分本意な理由でさ
泣いたと思ったらただの被害妄想
優しいと思ったら見返り用の手回しで
叱ったと思ったらただの八つ当たりだ ....
{引用=
蓄音器から聞こえてくる歌劇に
あなたとの情事を重ねて
センチメンタルに浸る
贅沢に愛を貪りながら
少し破廉恥かしら、と頬を赤らめて
けれど、
いつまでも花の少女ではいられな ....
まだ煙草が吸えた列車
両端をつまんで
ぎゅっと窓を開けた
車窓の外から
まだ生きている風が入ってくるから
わたしも生きている気がした
それだけが実感だったのに
今はもうない ....
白く獰猛な太陽は
月面の果てしない砂(レゴリス)に生命を吸いとられるように沈み
僕の銀色の船は水のない海(マーレ)を
宇宙の闇夜に揺られながらゆっくりと航行する。
僕は今、雨の ....
{引用=
? 春色チョコレート
ファッションを何度も変えて
すれ違ったのは
君の待ち伏せ
タイトだったミニスカートが
今日は薄いフレアーですか
降参してホテルの ....
{引用=
君の匂いが風に吹き消される中で、僕は考えていた。
シッダールタとゴーウィンダが別れた日を。
僕らは唯一を失い孤独に震えるだろう。
その震えは誕生の産声の後の、それと同じものであるのだ ....
片手ナベに
この世の終わりみたいな白い牛乳いれて
つきっきりで温める
ナベの内側にふくふくと泡が立つ頃
みじかい瞬間の想いを終了させる
いれたココアのせいで
白は濃く染まる
自分のためだ ....
Hug me.
Hug and kiss me.
Hug, kiss and love me.
Hug, kiss, love and feel me.
想いの
道のとちゅうを
あるき ....
ミミズはミミズクと音素を共有しながら
このように馴れ合っている場所では
すべてが熱死に向かっていると悟って
突如北北西に進路をとる
そのような映画があったのか小説だったか
詳しいことはわ ....
{引用=
この胸に住まうミノタウロスは
私が死んでも幾等も嘆きはしないだろう
あれの愛した竪琴を
私が壊して極寒のヘブルス河へ捨てたから
あれは今も代わる竪琴を探しているのだ
だから私は死 ....
この日のために生まれてきた
そう思えて
ならないのです
12月のそらは
くもりひとつなく
あたしを包んでいます
ビルディングだらけの近所は
もう二年も付き合っているというのに
無愛想の ....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
注いだコーラに局所的な星空を見る
それはあてもなく繰り返すミュージックにも似て
永遠であり、一瞬だ
スケールの小さな地球儀に寄り添って
君とぼくで
指切りをして魔法をふりまこう
明日の ....
月光輪は白く
外灯は虹をかがやく
世界は青く
白い道をしめす
道端に手向けられた花は
誰をしめすでもなく語りかけ
僅かな戦慄と蜘蛛の糸のような
儚い残存を与える
あぁ、夜だ
....
1
手の内に隠した、種を、気づかないふりしていてあげる
それが花になって、誰かを笑顔にするなら。
2
膨らんでいる、と君が言ったから
目を凝らして、枝を見た
そうではない、と気づくまでは、もう ....
し、あなたはいったいどんな顔をしているのだろう。
僕はあなたのことをこんなにも知りたがっているけれど、まだ会う勇気がないよ。
し、僕はいろんな人に聞いてみたけど、あなたに会ったことのある人はい ....
{引用=
紺碧の空が紅く燃えている
何かを予言するように
逆方向に流れていく 蜂蜜色の雲を眺めていた
握り締めている 何度も確認した時刻表は
文字が見えなくなるほどかすれて 消えて
蝶 ....
汚いワンルームのアパートに逼塞する
筋金入りのジャンキーで
しかもアル中
詩を書く痙攣性のケルアック
自己嫌悪を嫌悪する C31
シャワールームのパイプは錆びていて
壁はそこ、ここ ....
{引用=
人間には
なあ〜んにも
わかっていない
赤が赤であることも
赤とは何であるかも
自分が何もわかっていないことも
何がわかっているのかも
....
音が無いのならば創ればよかろうと
できた文字を束ねて音を組み立てた
私は音に勝つのだ
熱さえも生まれるほどの熱意をもって
ひびけ ひびけ 私の文字よ
りんと 鳴った ぐわわわわわ ....
「時」へ刻まれている
自虐的によごした
regretの
シルエットが
「空」は汚されている
トルソの肌にしみこんだ
にびいろの
イマージュで
「死」の呪 ....
プレチピテヴォリッシメヴォルメンテ?
いいや、急ぎはしない
ただ
歩き続けるだけ
だが峠の茶屋の親父は
ウラル・アルタイ語賊の密偵だった
本性をあらわして
文末の妙技は鋭い鈍器のよう ....
誰かが耳を澄ましているから
夜は静かなのでしょう
全身で聞いているから
夜は暗闇なのでしょう
街がしっかり消えてから
目を洗うふりをして
しばらく
目を泣かせた
きまじめだ ....
詰まりきった側溝の底
僕の未来を閉ざされて
走り抜ける影に嫉妬
陽光
反射しないことに嫌悪する
無い物をねだり
在った物を忘れてしまった
腐海の海
視界は暗転とし
働 ....
追われるものを追うものの
山彦越える、相聞歌。
闇にまぎれ
主は言問う、
「戸は開けぬ、知らぬ、存ぜぬ」
読み人知らず。
送り火迎えて遥か
節句の里。
柴刈り、道拓けて
今か ....
{引用=
とがった影は、みすてられ
切り取る冬の陽を証明する
見上げる円錐のモミの木から
どこまでも つらぬくように
まっすぐに伸びた
疑うこともせず、迷いもせずに
影を作り出し ....
僕らはちょうどこのあたりで生涯初のキスをした。
ムジカ、声がする、気がする
半透明な△を押す、あのときのように
村の集会所のまんなかで、
チン、と音がする
扉が開いたのだろう。
ムジカ
神に捧げるた ....
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