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大切かどうかわからない記憶は
抱えていた膝小僧のかさぶたにある

転んだのは最近のことだったか
それとも遠い過去のことか
鉄さびのようなすすけた色は
かつて赤い液体であっただろうことを
 ....
「私の部屋には本の海があるの」 
それは青くて透き通る綺麗な海で
触るととっても冷たかった

浜辺に腰かけて海を見る
彼女は僕を海に誘う
少し勇気を出して飛び込む僕

中はもっと綺麗だ ....
あの子が火の粒となって

どれだけの時代が過ぎただろう

三軒長屋の裏庭で

たわむれに散った線香花火の

ちいさな火照りから生まれて

むくんだ素足で まっくろな顔で

ふら ....
あなたの手をにぎる

一生懸命話しかけても
あなたは空の話ばかりする

あなたの手をにぎる

あなたは空を眺めているのに
まだうつむいている

あなたの手をにぎる
 ....
「いいこと教えてあげようか」
と、お姉ちゃんが笑う
夕暮れ時の部屋は
鮮やかなオレンジ色に染まり

「消しゴムに好きな人の名前を書いてね」
「それでその消しゴムを使い切ると」
 ....
 
 
ひとをまつと
もうこない

わすれていると
ひとはまた
まっている

まつということを
わすれた
ひとのことを

あんなに
ことばしか
なかったのに

うまれ ....
ねぇ

呼びかける

なんでもいいから
誰でも
花でも
木でも
鳥でも
空でも
雲でも
遠くても



ねぇ



呼びかける

声が ....
鈴が鳴る
鈴が鳴る

あの世と
この世が
繋がって
竿先
細かく
引き絞られる

鈴が鳴る
鈴が鳴る

掛かってしもうた
あの世のモノが
激しく
激しく
身をくねらせ ....
芸術家の名刺には絵が描いてあったらいいのに

プログラマーの名刺には数学が仕組まれていたらいいのに

ミキシングエンジニアの名刺からサウンドが出たらいいのに


釣り竿と漁師、それと船
 ....
光が生じた、刻々
きみが
跳躍するのが、見える
のは
ここで、死と同じ速度で
きみが走っている
花束をもらったのは
もう随分前のことだ
大きくて赤い
松明のような花そのあかりが
次第に痩せて暗くなっていくのが
寂しかった

怪我をして入院中
病室まで訪ねて
炎のような花束をくれ ....
木漏れ陽は剥ぐ息、削ぐ息を幽囚するだけの意識を緩慢にした罪に問われ
もう吸うだけでよいでしよう、と諦め加減に{ルビ帷子=かたびら}着けて防御しやせんかと泥酔の果てに漸く宵越しの杯交わせば
カタカタ ....
蝉が鳴いたら

「蝉が鳴いたよ」と言う

空が晴れたら

「空が晴れたよ」と言う

そういう暮らしを

してみたい

そういう暮らしを

あなたとしてみたい
貴方の小指は運命を匂わせ
貴方の薬指は証を嵌めて
貴方の中指は私を慰めて
貴方の人差指は罪を弾劾した
 捨てるものはちゃんと
 ガミ箱へ入れなさい
 カゴミに映るわたしの顔
 
 夜が終り太陽で待つ

 クジラに伝えて わたしの
 バストウエストヒップサイズを
 ....
 悲しみの振鈴は、
 心の枝に下がったまま

 延々と深々
 鳴り止まず

 香華に
 神饌(しんせん)を求めても、ありかも分からない

 親疎の街で糧を得
 毎夜、飯を炊(かし) ....
妹は、
拒食症で27で亡くなりました
小学校の時にイジメにあい
以来、鏡の中に
醜女の自分を見続けました
170cmの折れるような痩身は
35?の体重
でした
あなたが、人の痛みを ....
嘘をたくさんついても
人の嘘は信じてしまうから
だんだん腹を立てるのが
億劫になってきた
玄関から国道まで歩いていく
輸送弾道弾トレーラーのエンジン音が
近づいては遠ざかる

自尊 ....
いくつもの光の輪が揺れている
緑の{ルビ踝=くるぶし}が踊り私を誘うだろう
風は耳うちして秘密を告げた
胸うちに痛みに似た喜びが広がり
そうして唇から歌がこぼれ


ごらん
静かな火が ....
カッターナイフの先のうす暗い沼
新聞の活字を吸い込んで
重く帯電する
蓄積されたイメージは?年に二回
野良猫の舌へ落雷するのであります
北極星が動かないのは
何故だろうかと考えている頃
地球は静かに回転している

北極星が動かないのは
地軸の延長上にあるからだと気づいた頃
地球はやはり静かに回転している

動いて見える ....
フィドルの音に気付く
まぶたが開かないので
夢か現実かは自信ない
つま先が湿っているし
酒のことを考えてみた


急に悲しくなってしまう
大声で怒鳴りたいぐらい
私は一生懸命だったの ....
見ているものの
文字や景色の正しさもなく
その見つめつづけていつづける
プールの体に続いていく

硬直する自分自身の
舞い散った桜のような
強制収容所の
自分の脊髄からのこと

歩 ....
白熊が死んじゃう、と言って
つけっぱなしの電気を
消してまわる君は
将来、かがくしゃになりたい
という

撒き散らかされた
鳥の餌のシードを片づけていると
芽がでればいいのに、なんて
 ....
吊り下げられた鉛の球は
僅かにもぶれることなく
静止している

ざわめく空気の中にあって
微かにも揺らぐことなく
停止している

憧れと嫉妬の視線を受けながら
ただそこにある ....
 先途は、
 未踏の薄緑
 陽も避ける森の蘚苔(せんたい)
 生み落とされた前非の
 広がる
 千尋の万苦を覆い尽くす、侵食
 闡明(せんめい)とうつむき
 躊躇わずに
 小径を逃 ....
歌舞伎町の入口の
閉店間際のドトールは
ざわりざわりと熱を帯び
ふわりと結った後ろ髪
たどたどしくも日本語を。



隙間に空いたふたつの穴に
無理矢理おとで封をして ....
黄金に実った麦畑は
刈られるのをまっていて
私は
ずっとこのまま
黄金でいてほしいと思っていた

時は止まらない
緩やかにすることはできても
そう信じたい
その術を想い描いても
急 ....
川にはいくつもの名前がある
そしてまたいくつもの流れがある
それはひとたび枝分かれをすると
もとの濁流には還らない

交差点にはいくつもの風景がある
乱反射する信号機や擦れた交通サイン
 ....
とけた飴の中に
蟻が一匹閉じ込められていた

綺麗にそろった六本の脚は
もう動くことはない

蟻は甘い甘い飴の中
最後を迎えるにはこれ以上ない場所で
きっと苦しみ抜いたに違 ....
瑠王さんの自由詩おすすめリスト(1289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かさぶたの記憶- あ。自由詩20*09-6-12
本のみずたまり- 新崎自由詩609-6-12
火の粒- 相馬四弦自由詩1*09-6-12
「あなたの手をにぎる」- ベンジャ ...自由詩5*09-6-12
消しゴムららら- いっと自由詩109-6-12
まつ- 小川 葉自由詩109-6-12
ねぇ- shu自由詩309-6-12
月明かりの下の顔の見えない釣り- 北村 守 ...自由詩409-6-12
「名を突き刺す」と書いて名刺- ひとなつ自由詩6*09-6-11
光が生じた、刻々- こもん自由詩609-6-11
赤い花束- ふるる自由詩14*09-6-11
「剥ぐ息、削ぐ息」- Leaf自由詩1*09-6-10
空が晴れたら- 清水勇介自由詩209-6-9
貴方の手(あるいはある夫婦の結末)- 新崎自由詩409-6-9
どれをください- ヨルノテ ...自由詩2*09-6-8
深甚の音(しんじんのね)- 月乃助自由詩2*09-6-7
「妹」- 月乃助自由詩6*09-6-6
てっててってて- 竜門勇気自由詩1*09-6-5
緑の踝- 石瀬琳々自由詩7*09-6-4
食物連鎖- 吉岡孝次自由詩109-6-3
「北極星は動かないというおはなし」- ベンジャ ...自由詩6*09-6-2
悲しきフィドル- キエルセ ...自由詩109-6-2
過ちへ歩く- kiriko自由詩109-6-1
六月の水球- 佐野権太自由詩40*09-6-1
Plomb- Pirouette自由詩209-6-1
鮮麗- 月乃助自由詩4+*09-6-1
重いまつげに夜- ask自由詩1*09-5-31
麦畑- 蒼木りん自由詩509-5-29
イスラエル- aidanico自由詩309-5-27
「蟻」- ベンジャ ...自由詩6*09-5-27

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