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籠の中の小鳥が声高に鳴く
開け放たれた窓からそよぐ風に喜んで
庭先で君はひとり楽しげに
プランターのおじぎ草を突いていた
鼻腔を突くのは蒸せた花の香り
ざざざと風は水路を走る
千切られ ....
ただ君は約束を守れ
(首を絞めるよりも)
ただ君は約束を守れ
(首を絞めるよりも)
十五夜の夜に
私ら月もみないで
アイデンティティという言葉を知っていますか。
自分が何者であるか?
自分が何をなすべきか?
ってなものらしい。
最初はみんな意識しません。
しかし、そのうち意識せざるを得ません。
それ ....
たばこ吸いますが
人混みの歩きタバコなんて
したことありません
歩きながら吸うのは
それはそれで気分いいんです
プッカーっと遠慮なくできる道なら
たばこ吸います
たばこ好きで ....
{引用=
それは、思うよりも
地理的分布や生息環境に左右されるのです
砂漠を好んだり 湿気や樹上を好んだりと、
生きていく条件は限られているのですから、
あたしという種は、そうせずには生 ....
なんだか自分を描くときに
うまくことばがうかばないんだ
だれより知ってるじぶんなのに
知らないだらけに くびかしげ
そうか
ぼくがそこかしこに
嘘を落としてきたから ....
ラテンの猫
粘土の焼けた瞳
河の流れを胸に秘め
光沢の粒を晒す
記憶の階段を
駆け下る
コツン
静まり返った月色のススキ野
突然 ....
花のように
命の終わりごろ
涙の代わりに
種を流すことができれば
ヒトにもそれが
できるのならば
こんなに悲しむことは
ないのでしょうか
いっそ子の顔を知らなけ ....
借りる宿の
畳が泣いている
ジージェンレイ ジージェンレイと
わたしは生後2か月頃のままの体で
無防備な平泳ぎを
食後にはフランスパンを
カチカチのフランスをパ ....
かなしいですか
かなしいです
したにりぼんをゆわえてまってる
みんなかわいいおにんぎょう
つよくゆするとくびがとれてしまう
せぼねもほんとにもろいんだった
ぐにゃぐにゃ ....
ここにいれば安全なのです
ここを出なくても 生きていける
そう、それならば…
違うのです
知っているのですから、外界の情報は、
過多になりすぎるほどに 手に余るほどに
だったら ....
私がモーリタニアでタコだった頃
あなたは宇宙船の乗組員だったので
私の姿に驚かず毎日キスしてくれたよね
私は画家を目指してたけど
人類の壁の前に泣いてばかりで
そんな私の手だか足だかを
あ ....
虹の渦がひとつ
遠くと近く
ふたつの雨を横切った
誰もいない道の終わりに
とめどないものがとまるとき
夜の鴉が一羽増すとき
心は天地の境をひらき
冬のはじ ....
わたくしを。連れ去って下さい
宙をさす断崖の花
月虹の門はひらかれている
太陽風の遺伝子がほとほとと
あるく雲の上へ
声のみする、するする
夏の産声よ!秋に実るか
わたくしを。不問に ....
おまえは信じないのかい?
見上げれば、オウクがたずねていた
答えかえせずに、空から煉瓦の雨がふってきそうで
恐ろしく、そいつの堅固そうな樹の下に入ったままだった
ひとりと一本の目の前を ....
声を出して
らら
柘榴の粒の転がり落ちては
踏みつけて滲む
乾いた地面に照るくだり陽
そして腕を取ろうと伸ばす先の空白
フレア、緑のスカート
輪舞を踊る
遅れてきた風と ....
マスタードが
かかって落ちたんだな
床が汚れてる
かむと歯にあたる
たまに不思議な味がする
粉が変なのか俺が変なのか
水か酵母か
つくったばばあか
コーヒーもろとも喉を掻き分け ....
手のぬくもりも
胸の厚さも
すっかり覚えてしまった
わたしの中には
いつも兄ちゃんの声がある
兄ちゃんの呼吸がある
むかしむかし
あるところに ひとりの少年が
おりまし ....
冷蔵庫の中を見つめながら僕はため息をつく
怖かったのはきっと製氷器が動くことを止めなかったから
文字を辿るのと食べ物を詰め込むことは
どこに違いがあるのだろうか
伸びてゆく爪も髪も既に私の支配 ....
夜の散歩中に迷い込んだ名も知らない小さな神社は
まちあかりも遮ってしまう茂みに覆われている
自他共に認めるリアリストのわたしでも
物の怪の姿を探してしまいそうになり
風で葉がこすれるか ....
朝の薄闇の中
漸く日の光にあたるはずだった蛙は
また暗く深い井戸に
引っ張られ
ボッチャン
暗い闇と死骸の腐敗した臭いの充満した井戸
這い上るはずの壁はあるのだが
真っ暗闇で ....
それは弱まるものである
経年的な金属疲労のように
だが軽視するものではない
それは強まるものである
果樹園に漂う芳醇な風紋のように
だが羨望するものではない
それは見え ....
一篇
どこに
詩 は
....
アスファルトには干からびた雛の死骸
散水の終わったテラスでは
欠けた樋から不規則に水が漏る
深爪の指を舐め
ただそれらを見下ろしている
穏やかな午後だ
路傍に転がる石ころのように
....
今日も太陽はご機嫌ななめで
一面に白い濃淡が広がっている
北風は旅人のコートを脱がせることができなかった
知っているくせに
空がこんなにつめたいのを
「仕方がない」で済ませる人と ....
何をもとめているのですか
住まう屋敷は、祝福の
それでいて、囲いのなかでしか息のつけぬ
囚われの日々なのです
渡された鍵で開ける 日付さながら順番の
カレンダーの四角く区切られた部屋たち ....
聞き耳頭巾をもらったよ
みみずくさんにもらったよ
ひとには何が聞こえるか
訝しみながらくれました
だけども頭巾をかぶったら
急になんにも聞こえない
きっぱりきーんと耳鳴りの
....
熱と光と力学で誰かと
鳥籠の中で暮らしたかったなあ
文学は素敵だったけど
遠くへ往くには枷になるものかも知れない
走る
なぞる
並ぶ
一列にすらりと
みな潔く道路を進む
ルールに引き戻され
ふてくされては
なんとなく安心感
自由に自分らしくなんて
それもまた囲 ....
昌平橋から万世橋へ
川面に揺れる提灯の
その先にある柳橋
ゆらりゆらゆら秋の宵
ガード下には赤提灯
ほろ酔い加減のカラスが数羽
家に帰らず蜷局(くだ)を巻き
その先にある止まり木に
....
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