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君の匂いのする部屋に
20歳になったら出かけよう
ぼろぼろの歯で笑う
君の口が好きなんだ
溜息のように呟いて
彼方の山火事を見た
さあ 風よ どうぞ 吹いて来て下さいな
あの懐かしき日の夕べの面差しのまま
少し寂れた けれども優しい雰囲気と
そして たおやかでしとやかな その仕草で
わたしの両肩に止まって見て下さいな
....
布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく
雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
どうしてだろうか
こんなにも居心地が悪いのは
君にも僕にも
ここじゃない
どこでもない
もっと違う場所があるはずだ
そう思いながら
ずっとずっとうずくまってる
うずくまりな ....
ある日とても落ち込んでいた私に鼻の長い象が話しかけてきた
君は空に継ぎ目があるのに気が付いてしまったのだね
私は空に継ぎ目があるのに気が付いてしまったの
苦しいの
それはすごく ....
男を好きになる度に
彼女の体から火薬の匂いがするの
情熱はジリジリと
へその下から入り込んできて
体中を燃やして行くのよ
だから いつも
骨の焼ける匂いのする
彼女の手を ....
駅前の商店街で産まれ育った
近くには八幡神社があって
お祭りの時には店の前の広い道路は
歩行者天国になった
ふだん車の往来が激しい道路を歩くと
何だかくすぐったい気持ちになって
誰 ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の
それと
似ている
相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風
見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
胸が詰まって息ができずに
涙があふれて
わたしは自分の涙で
満ち満ちた水底へ
あっという間に堕ちていく
沈む沈む沈む
深い深い水底へ
ぷくりぷくりと
気泡が昇がり
海面はゆらゆら ....
火のついたこえが跳び跳ねている
たそがれどきの小広場
もう そこには老残が共有できる余地はない
にびいろのひかりだけをひきずる孤高も
....
携帯の横で
揺れていた鳥が
わたしのもとから
飛び立ってしまった
わたしの横で
聞こえていた声が
わたしには
聞こえなくなってしまった
黒の中にひとり
透明のわたし
七夕の ....
目医者にいって眼帯をもらった。
白くて柔らかくて四角い眼帯。
黒い海賊みたいな眼帯が欲しかったので、
近所の雑貨屋を回って探したんだけど結局見つからなかった。
黒い眼帯があ ....
風をつかもうとして
草をちぎってしまった
てのひらが
鳥を呼ぼうとして
こんちくしょうと叫ぶ
声が
心のかたちを確かめたくて
君のからだを抱きしめた
腕が
今夜もずれてい ....
雨にかすんだ街を見ながら
少し寂しくなったので
あなたの言葉を思い出しました。
水溜りの中に
小さな小さな雨色の町があって
その町では
どんな事でも虹色に綺麗なんだ
あなたはどん ....
わたしとしては早く終わって欲しいのに
あなたはまるで厳粛な儀式に望む
いんちきくさい司祭のような面持ちで
わたしのかたちを確めてみたり
わたしの知らないかたちで動こうとする
ふだんと違う表情 ....
海鳴りは遥か遠くでさざめいて
波間に浮かぶ言霊たちは
いちばん美しい響きを求めて
たがいに手を伸ばしあう
砂浜に打ち上げられた巻き貝は
もはや亡骸となり果てて
右の耳に ....
裏通りの石畳の坂を つたう雨
硝子窓をくもらせるのは、ふたりの熱い息、
まどろみに奪われてゆく 美しい君のカラダ
枕はひとつ。
ピンクの縁取りをしたシーツとカバー
シングルベッドしか ....
芝生の上に横たわると
青が見えた 鳥が見えた 飛行機が見えた
ふと影が差したと思ったら
白いシャツが落ちてきた
二階の窓から母さんがごめんと言った
ああ 天使かと思ったのに
蝶を見た朝
森から森へ
子はひとり織る
銀の声
緑をつらぬく小さな音
つらぬかれた跡の揺れる音
つらぬいたものが緑に染まり
水の底から空を見る音
銀が重なり ....
世界中の風を収集すると
古い書物から頁が捲られてゆく
幾つもの考えは
風の形になる
ベドウィンのテントに吹く風
サーミのテントに吹く風
敦煌の砂に吹く風
風を折るように
また祈 ....
あなたたちは
想いあっているのですね
すこしせつない日々を
もらいます
目立たない花なんて
なくて
ちいさな想い集めて
花
遠く海、高く空までも
受け入れるような
花
私 ....
子猫が死んでゐる
昼寝でもしてゐるかのやうに
アスファルトに横たはってゐる
傍らを通り過ぎる時に
私は、ごめんねとつぶやく
その小さな黒猫を殺したのは私のやうな気がして
h ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋
殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
ぼくは詩を書きたい
たとえ自分の夢が
今の立つ場所より遠くとも
必ず辿りつくと信じなければ
常に遠い存在である
今日もまた
朝の散歩をしていると
潤いと恵に出会いました
....
長らくの不明のはてにたどりついたは温室の街
むらむらと甘く大気は膨張し虹を誘って余りある
五彩を泳ぐ鳥の翼も露ばむ苦労
明日は好日、好爺の好言 信じて帳の幕をまつ
そして僕らは花になる
かぜをこじらせた
こけそうな道
鼻緒もきれそうな
しゃっくりの道
そして僕らは花になる
ぐるぐると
小さな羽虫が
無意志に飛んで
清楚な花びらも地に落ちる
毒 ....
たとえ…
この地にいなくても
あなたの
その笑顔が
永遠にあることを願う
あの日あなたは
大きなカバンをもち
どこかへ行ってしまった
きっとすぐ帰ってくると
こころにいいきかせ
....
#31
言葉は
無力ではない
あなたの
言葉が
無力なのだ
#32
今日は
どこにも行く気がしないし
なんにもしたくないから
携帯電話の電 ....
吐息を重ねて
さよならを唱える
ぼくはもう
きみを忘れる
繋がっていた手も
いつのまにか離れて
それでも
気づかないふりをして
子どもの頃のきみを
手放せなかった
変わる自分を ....
風呂に入るとなめくじがいた
たいていの人はここでキャーあるいはギャーとなって
塩か砂糖か胡椒か何かを持ってきて
ヤツを殺しにかかるのだろうが
俺は別段気にならないし
こんな生き物でも殺すのは ....
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