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たちのぼる
言葉と夜の境界へ
金魚がゆらり、にげてゆく

すべからく
広がりはじめる黒の祭に
あらがう手立ては
浅瀬にある

鮮やかで
にぎやかな
喪失のなかに
ある
 ....
風に運ばれて
なつかしい匂いが
辺りを
湿らせる


葉の裏
こもれび
ガラスの小瓶

窓枠
ベンチ
まっすぐな歩道



言いかけた、名前



少し ....
はるか
昔を向いているひとの
すべてが灯りと
なりますよう、
祈るわたしは
濁れるわたし
ひとごとみたいに
まったく淡い
時刻表

五本の指があるわりには
そこに受け取ら ....
赤い目をしたうさぎの耳に
月から
はぐれた言葉が落ちる
ので、
偽らざるをえないだろう
いつか
偽らざるをえないだろう

うさぎは白くて赤い目をしている
茶色や黒やまだら模様 ....
高層窓には

飼い馴らされた
セレモニー



夜毎
あどけない肯定が
滑らかになる

背筋は
かたいまま



柔らかな囲いは
重たくなって

屋上 ....
バス停は
しずかに濡れていて

時刻表には
ブレスの箇所が
しるされていて

そこにあるのは
文字ではなくて
数字でもなく


声は
とっくに
無力なのでした
 ....
草木のゆれる
その方角に
わたしはときを聴いている

これまでを悔い
これからを問い
わたしは巧みに
たじろいでいる



雲のちぎれる
その方角に
わたしはことばを ....
受けとめきれない言葉が在るのは
なんら不思議ではなく
すべての言葉を
受けとめきれるつもりで
自らを削ぎ落としてしまう行為こそが
とても不思議で
ただ哀しい

それなのに
まったく等 ....
空をあつめて
泣いてみたいとおもいます

たったひとりで
その
重みに
耐えかねて
幸と不幸の中間あたりを
泣いてみたいと
おもいます


海は
寡黙です

わた ....
吐息が
しろく曇るのを見ると
少し、安心できる

わたしの日々は
ほぼ偽りかも知れないけれど
熱だけは、進もうとする熱だけは
たしかに思えて
安心できる



いつだっ ....
巻き戻された、気がして

夜を
何度も聞き返す


この手が、
あるいはその胸が
用いようとする意味は
おそらく誰かの
船底だろう

唯一
月がおびえる頂


 ....
(どこへ
(飛びたったのだろう


ある晴れた日の、
見知らぬ誰かの離陸がまぶしい


(ぼくの日常は
(すこしだけ寂しくて

(それが全てではないけれど
(確かにそう ....
そっと
腰を下ろし
いつものひとりに戻るとき
うるおいじみた
乾きがあふれ

ぼくは
あわてて
目をとじた


思い出はいつも
胸に痛い

握れるものの少なさが
はっ ....
あした、
涙がかわいたら
海を迎えに行きましょう

果てのみえない
かなしみの

ひと粒として
あらわれましょう



雨が降っても良いのです
風が吹いても良いのです
 ....
両手に
すくい上げた水の
清らかさもすずしさも
やがて乾きをたどります

両手を離れ
あるいは、両手という
はじまりを伝って
しずかに水は
果てるのです


 救い、という ....
つめたい手には
ひとのこころのぬくみが宿ると
いつかだれかに聞いたから
わたしはこの手の
ぬくさを
恥じる



 あこがれや
 ねがいはなぜに
 こころをつめたく
  ....
待たされすぎた過ちが
無風のなかをざわめいている


 低く、
 そらへと
 這いだす者を
 あやぶむ声はいつも、高い



わかれたはずの
軌道の彼方、
もっとも遠 ....
さくさくと枯れ草を踏むかたわらに寝ぼけまなこの緑やわらか



晴天をながれる雲の端っこをそっと匂わせたんぽぽ揺れる




ぷらぷらと散歩日和のさかなたち
言葉は気泡、刃 ....
だらしがないのは
知っていた

それを
やすやすとは
止められない理由など
どこにも無いことも
知っていた

首筋に
金属めいた
未熟な匂いを漂わせ



夢中に ....
わたしのなかの夏、が
嘘をついている

生まれたばかりのやさしさと
おぼえて間もない過ちに
うっすら、として
汗をかき


絶え間ほどよく
やわらかく
涙の意味が熟するよ ....
いつからか
従えずにはいられないような
ある種の隷属のなかで
炎をおぼえた


つめたい石を蹴飛ばしながら
無言の
雨に

含まれ、ながらえ、



水たちの森は
 ....
ふたつの手のひらを
使いこなせない昼下がり

耳を澄ませてわたしは
しずかに風を
遮断する


すべては
それとなく遠い気がして
けれども確証はなくて
言えずに続いた
 ....
それなりの
背丈と重みとがあるわたしに
自動扉は開いてゆく

容易に
開いてくれることが
当然でなければならない、と
わたしもすっかり
慣れてしまって

背後で閉じられる
自動扉 ....
 そっと
 手のなかで砕けてゆくものを
 花、と呼びます



透きとおる風に
聴きそびれた使いを
そのみちを

ためらいながらも、
懐かしむように
かばうように

 ....
つなぎ忘れた何かを探そうとして
それすら不意に
忘れてしまう

星空は
いつでもその名を受け取りながら
毎夜を必ず終えさせる地図

瞳がうつす一瞬を
嘘かと惑い
ときには真逆に ....
不可思議と呼び捨てるにはまだ早い
猫の目うるる、美しいよる


いくすじも星をえがいてよるが降る
ふたつ並んで揺られあう尾に



滅びても興り続けた王国をたどり違える満月の ....
吹きぬける冷たい風の空高く
ひかりの鼓動は
静かにそそぐ



雪解けをあつめて川は哭いている
生まれたばかりのわたしの春に


ひとひらの可憐な花は弓使い
瞳砕けて曇りをうるむ ....
グレープフルーツ、を{ルビ啜=すす}ると
ゆびさきやら舌先やら
なぜだかきみを、
おもいだして

グレープフルーツ、か
それとも、ぼく、か
においのあふれる
部屋になる

 ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった

あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう


 ....
翼を有する生きものに
あこがれていた

のぞみの場所までは
もちろんのこと
そこから
遥かな地平のすみまで
こころはきっと
羽ばたける

翼を有する生きかたに
あこがれて ....
石瀬琳々さんの千波 一也さんおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
金魚- 千波 一 ...自由詩814-9-17
恥じらい- 千波 一 ...自由詩414-7-31
水の駅- 千波 一 ...自由詩614-7-26
つばさが消えない- 千波 一 ...自由詩414-3-9
つややかリップ- 千波 一 ...自由詩5*12-12-12
両生類- 千波 一 ...自由詩6*11-9-1
その方角に- 千波 一 ...自由詩5*11-8-15
結婚- 千波 一 ...自由詩4*10-5-6
空をあつめて- 千波 一 ...自由詩11*10-2-25
雪が混じる- 千波 一 ...自由詩20*08-12-7
サルベージ- 千波 一 ...自由詩3*08-12-2
滑走路- 千波 一 ...自由詩6*08-8-25
微炭酸- 千波 一 ...自由詩4*08-8-9
海を越える日- 千波 一 ...自由詩11*08-7-31
清流_Ⅱ- 千波 一 ...自由詩2*08-7-30
つめたい手- 千波 一 ...自由詩10*08-7-26
静脈- 千波 一 ...自由詩6*08-7-21
◆てんぷら日和- 千波 一 ...短歌4*08-7-20
かかとを踏んでいた- 千波 一 ...自由詩6*08-6-26
五月の薫り- 千波 一 ...自由詩9*08-5-20
樹木の日々- 千波 一 ...自由詩5*08-2-4
青い鳥- 千波 一 ...自由詩26*08-2-3
自動扉- 千波 一 ...自由詩4*08-2-2
水の蕾- 千波 一 ...自由詩10*08-1-25
ステラ- 千波 一 ...自由詩13*07-10-26
◆美しいよる- 千波 一 ...短歌17*07-8-1
◆春の扉- 千波 一 ...短歌24*07-5-13
グレープフルーツ- 千波 一 ...自由詩17*07-3-27
蝶々結び- 千波 一 ...自由詩40+*07-3-22
有るべき翼にまもられて- 千波 一 ...自由詩14*07-2-28

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