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あわく光の閉じられた
空のもとを
一羽の紋白蝶が舞っていた
しばしそれは
重い熱風のあわいを
ちらりちらりと映えて
切れ切れに風を読んでいたが
霊園の奥深くへ とけていった

さて
 ....
悲しいことばかり
思っている自分が
なんだかつまらなくなってきた

苦しいとばかり
考えている自分が
なんだか無駄になってきた

朝陽が昇る
今日という日が始まる

この光に負け ....
水色は

涼しい色

眠りから覚める瞬間に

見える色

ガラスに頬を寄せた時に

感じる色

貝に耳をあてて

波の音を聴く

君の姿を見た時に

皮膚の下を流れ ....
此処には白い鳥篭が在るのです

小鳥を捕らえて閉じ込めませう

白い羽根
青い羽根
赤い羽根


此処には扉が在るのです

少年を捉えて銀の鍵をかけませう

白い心臓
青い ....
膨らむ桃色の空を背に
途切れる走査線

建てこんだ古い家屋のすき間を
心地よい轟音にまかせて
走り抜ける列車が
壊れた映写機のように
飛びだす光の窓

焼き魚のにおいに
回転しなが ....
鳴きわめく油蝉を捕まへて
羽根をむしり取り
脚をもぎり取り
口の中に放り込む

食感は花林糖
この味は何かに似てゐる
この味は・・・
さうだ、鷄皮の唐揚げ!

胃の中で
ジュッと ....
また夏がめぐり来て
空も緑も色深まり
光と影が幻のようにあざやかに世界を象っています

夏の花々も色が強く
私には似合わないのです
降りそそぐ{ルビ眩=まばゆ}さと熱にも
ただただ圧倒さ ....
お帰りですか、と
聞くとその{ルビ女=ひと}は
ええ、と
小さく頷いて
穏やかな微笑をうかべた

鬱蒼と茂る緑葉の下で
木洩れ日が描くまだら模様が
白い肌をよけいに引き立たせ
蝉しぐ ....
鬼の葬列とは、
かくも美しいものか。


日の沈む、
餓えた幻野。
果てへと続く、
燐光の列。

櫻草の上、
風に撫ぜられ、
虚ろ漂うは、
鬼の魂 ....
いちめんに 苔のはえた石の門のなかへ
うたたねが さそうように駆けていって
わたしをふりかえる

ひだまりにぺたりとすわりこんで
ふくらはぎににじむ汗を スカートに吸わせながら わた ....
眼を瞑ると
瞼の裏に映る虹
私だけの小さな虹
生暖かい夜の隙間に
逃げるように滑りこんで
私は膝を抱えて
じっと息を潜める

爪先のあたりから
半透明の白い繭が
私の躯をゆっくりと
覆っていくさまを思い描く
膝の裏とか
指の間 ....
蒼く枯れるまで傍にいて下さい

たなびく煙に ほそめるひとみは
可憐な強さを{ルビ匿=かくま}って
夜風に つめは うるおいながら
{ルビ狡猾=こうかつ}な よわさに長けてゆきます

そ ....
流れる水の哀しい感触に運ばれて
街の隅にたどりついた
前世の匂いのする風が
頬と首筋を等しく撫でた

桃の薄皮のような
日に焼けた 心細い皮膚を
誰かに引っ掻いて欲しかった
痛がりで  ....
季節を感じるその朝は
高く射しこむ光を返し
満ち溢れるまぶしさに
心湧く世界を誘う

茎は陽の角度に合わせ
その高さは届くように
葉は大きく広げ
近くに住む虫たちに
憩いの場を与える ....
し と
くちびるに露をあて
朝の光を遅らせる
草の根元の幽かな揺れに
応える静かな笑みがある


雨の日
葉を持ち
あふれるうたの指揮をする
道のうた 流れに映るうた
 ....
汚い過去と
綺麗な思い出と
まばゆい明日を
みつ編みにしてく

終わりなき夢 叫ぶ声
たとえ見つからないままでも

笑うあなたを
憎めはしない
願うとしたら
空に踊るわ

見 ....
庭の隅に植えた
松葉ボタンが
強い日差しに向かって
これでもかと咲いています

寒さに耐える姿よりも
暑さに立ち向かう姿の方が
戦っているような気がして
好きでした

あなたはそう ....
冷たい消毒槽は
三歩で渡ると決めていた
プールサイドの足跡が
しゅわしゅわと、夏にしみこむ

浅黒い肌の散らばる奥に
見え隠れする
白い朝顔
先生の御子だという
なるほど、鼻筋はそっ ....
その日
美しいものに出会えたのなら
喜びの音が聴こえてくる

その日
楽しいことに出会えたのなら
温もりの音が聴こえてくる

その日
大切な人に出会えたのなら
幸せの音が聴こえてく ....
虚空を望むと広がる視野
ぎりぎりと絞られているのが嘘のように
《いま》から《いま》へと動いている

かなしみの海原が轟いている
黄昏のしじまの中で
わたしは世界を見ているのだ

浮標は ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
黒く闇に染まる硝子窓よ
僕の声を知らないか

風に押されゴトゴト音をたてる
個室の扉
僕の声を知らないか
あの娘の写真

外は風が呻いている
風よ 僕の声を知らないか
風よ

 ....
封を切った宇宙からは、
懐かしい薫りがしました。

お久しぶりです。
と、
挨拶をして、
あなたを二匙。

ゆっくり沸かし、
ふんわり注ぎます。

 ....
それはそれは奇遇だった
女は白いシャツを着て
新しい職場で熱心に働いていた
髪は赤く、短くなって
かつて応分に満ち満ちていた肉は
適度に削げ落ち
艶のない頬で笑うその女は
相変わらずの長 ....
小さな手は星を拾った
大気の熱に
輝きは奪われ
小さな
つやつやと光る
黒い
石になったその星は
小さな手に載せられて
女と一緒に街を歩いた

街は赤紫の夕景を傾かせて
女の歩み ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
草原の海に身体を沈め
その波音を聞きながら
清らな青空は
入道雲に右から左へと染められつつ
その上を鳥が大きな翼を広げ
背中で滑ってゆく

風は波音を強くし
潮の香りを濃くし
今の季 ....
真夏の一本道は何処までも続く
と思っていたのに気づくと僕は
廃墟の街で佇んでいた


強烈な西日を受けながら
僕は少年の影を追いかける
街が暖かく流れていき

ランドセルを地面に置い ....
私の部屋の金魚鉢には
金魚が一匹いる

金魚鉢を見ていたら
すうと引き込まれて
泳いでいた

涼しい青い水の中
緑の水草ゆうらゆら
赤い尻尾はひいらひら

たくさん泳いだら
す ....
石瀬琳々さんの自由詩おすすめリスト(3660)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
寡黙な霊前- こしごえ自由詩16*06-8-6
朝の光はやってくる- ぽえむ君自由詩6*06-8-6
みずいろ- 八布自由詩606-8-6
小鳥と少年- 七生自由詩306-8-6
沈没する夕暮れ- iloha自由詩9+*06-8-5
油蝉- 三州生桑自由詩306-8-5
夏に還る- 塔野夏子自由詩14*06-8-5
盂蘭盆- 落合朱美自由詩3006-8-5
「_鬼火。_」- PULL.自由詩12*06-8-5
みどりいろのゆめのあと- 少女的自由詩10*06-8-5
- 大覚アキ ...自由詩206-8-5
虹繭- 大覚アキ ...自由詩406-8-5
夜伽歌- 千波 一 ...自由詩17*06-8-5
魚になりたかった人- 八布自由詩806-8-4
まぶしい世界- ぽえむ君自由詩9*06-8-4
_し- 木立 悟自由詩806-8-4
願うとしたら- ANN自由詩406-8-4
松葉ボタン- チアーヌ自由詩406-8-4
淡い夏雲の少女- 佐野権太自由詩17*06-8-4
幸せの音が聴こえたら- ぽえむ君自由詩8*06-8-4
青年時代- 古河 セ ...自由詩6*06-8-3
サミーラ- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-8-3
風の吹く夜- 結城 森 ...自由詩3*06-8-3
「_紅茶神の微睡む、_」- PULL.自由詩22*06-8-3
夜空は星に刻まれてゆく- 黒田康之自由詩606-8-3
星を拾う- 黒田康之自由詩406-8-3
ドラえもん- たもつ自由詩9406-8-3
夏空の下で- ぽえむ君自由詩7*06-8-2
夕焼けの街- 結城 森 ...自由詩6*06-8-2
金魚鉢- ふるる自由詩21*06-8-2

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