すべてのおすすめ
毎日いろんなかたちのバベルの塔の建設に関わる
或いは色々な種類の背伸びの仕方をおぼえていく
こつこつとレベルを上げ努力をし積み重ねるもの
それらに意味はあるだろうか
歴史のどの部分が繰りかえさ ....
鐘が 鳴る やけに 陽気な 音じゃないか
まるで 私が 処刑に 出るかのような
寺か ヘドロの 街かは 知らないが
鐘が 鳴っている
街中の 人々が よれた 服を 着ては
賛美歌を 歌 ....
声を漏らさぬよう
唇を噛み締めたら 甘かった
なにせあたしの血は 苺シロップでできているし
あなたなんかに 舐めさせてあげない
ほっておけばすぐ すっぱくなる ....
泣きたいわけじゃない
と言いながら
一冊の詩集を手にしている君よりも
今
くしゃくしゃになって
鼻をすすりながら蕎麦をすする君のほうが
よっぽど
よっぽど
で
何もかも捨てた ....
よく喋る温かい君の肌は遠くの転換点に於いて何処を通過していくのか
酔い覚めの軽い足取りから目を覚ますといつの間にか越えてしまっていて、楽しむことも出来ない肌触りを懐かしむ、歩道橋の上、今にも落ちそう ....
咽喉を刺激する大気、
サビて崩れる鋼鉄の、
強靭な幻が都市を支え
静かに腐食してゆく世界、
やがて酸性雨を降らせる雲が西の空にたなびいている
....
世界がすこし傾いた音を
玄関先でブーツを脱ぐ途中
うずくまったまま聞いている
水分が喪失したまつげ
足りない
水分が足りない
私はこのまま穏やかに干からびて ....
手で触れようとすると崩れてしまうおそれがあります。
できることならば遠くから眺めているのがよいでしょう。
*
雨だれ
雨の音がするのです。
理由はそれだけです。
....
切れかけた灯が点滅して
夜の空気をざわめかせている
人もまばらな公園で
赤く染まった爪先が
あなたの頬を蹴りつけた
ちらちらと瞬く安い灯りは
薄暗く二人を纏う
その中で白く浮かぶ ....
1 序章
慎ましい木霊の眼から、
細い糸を伝って、子供たちが、
賑やかに、駆け降りてくる。
溺れている海の家の団欒は、
厳格な父親のために、正確な夕暮れを、見せている。
見開 ....
潮の、))) ほとんど動かぬ 海の近く
馬鹿野郎どもの穢れた営みの
澱んだネイティブ・ジャパンの痴呆都市に巣食う
親父は かつて高校教師だったが、
少女売春で巨財を築き
いまでは某組織の親玉 ....
私達 決して とせぬもの
短い 亡霊の 手足を 取れば
世界へと 変わる
亡霊の 手足など とるな
現存していないものなど ないのだが
私達 決して 外せぬもの
それは 存在しない 全 ....
昼の街
人ごみの中を素裸で歩く人
どうしてあの人は(自分は)服を着ていないんだろう
どうして自分は(あの人は)服を着ているんだろう
....
あの頃は、人と一色単にされるのを嫌がってたじゃん。
最近の若者はって言う大人に、疑問を持ってたじゃん。
なのに、どうしちゃったの?
昨日の夜、君は電話でこう言った、
「おまえって何キャラ? ....
私の町
海辺の港町
夢うつつに波音で目覚めて
窓を開ければ
かすかな潮の香り
胸いっぱいに深呼吸して
優しい海で満たして
一日が始まる
私の家
高台の一軒家
階段を下りると
....
計算外の出来事が方程式の上を埋めていく。それほどのこと。滑らかに、滑るようにして動いていく景色を、雪のよう、と思ったのは。確かに伝わっていたように思う。
手を合わせて、あるいは重ねて。次第に動け ....
どんより
平穏な昼さがりに
風が渇いた
靡いた薫りは
わたしにも
洗濯物のように
懐かしい情緒でした
唐突が
悠々と大空を
雲海をかきわけ
未知数の心揺交々
いに ....
つ…
つ…
湿潤を終えた葉の首の付け根を冷気が断ち切れば
涸れた維管束の行く先が、風とされる
そしてその葉の薄い鋭い赤い輪郭が今度は
冷気を切ってゆく
ああ、切 ....
雷鳴ひとつ
雷が遠くの方で鳴きました
光るたてがみは見逃したみたいです
秋雨をきっと連れてくるのでしょう
ぽつぽつぽ
ことんことんことんことんこと ....
中国人の女の子が
俺をじっと見ている
秋晴の真っ青な空の下
バスは
俺たちを乗せて
ゆっくり坂道を登ってゆく
母親が
女の子の目線をおって
俺と
目を合わせ 微笑む
....
深夜のスーパーで
値引きされたフライドチキン二本と
食パンとフルーツ・オレを買う
「袋にお入れしましょうか」
「あ、お願いします」
店員の声が少し優しかったような気がして
青年は傷ついてし ....
太陽が、浩々と照らしていた。心地よい晴れ具合の下に、喪服を着た葬列があった。棺はなく、代わりに僧侶が、数人の焼け爛れた顔の男達に抱かれていた。雲などない、明るい五月晴れの中で、僧侶の今際の言葉のような ....
わたしたちぬけがら
中身なんていらないわね
足してふたりで十分
本当に欲しいのは皮でしょう
内側は暑苦しくて困るわね
ここならそんな心配ないのにね
だめだめ
間違えて ....
詩を読むようになってから
詩を書くようになりました
詩を書くようになってから
詩をもっと読むようになりました
詩をもっと読むようになって
愛が深まった気がします
でもわたしは丸 ....
月を落せると信じていたから、いつか触れようと誓い合う。
ゆっくりと近づいてくる景色を、
遠ざけようと、するために眠る。
いつからか儀式となった風景を、懐かしいと君が言った。
首をかしげ ....
わたしはくま
バニーにも
子猫にもなれなかった
ちょっと可愛くない女の子
だって言われても
好きなのは甘いハチミツ
大きな森の小さな家で
あなたと暮らす夢を見る
わたしはくま
バニー ....
コルクにあわせた
瓶などないのに
飲み ほしたら
捨て去られるだけなのに
杖のように立って
流れていかないように
静かに仕事をしている
歌われないことなど
気にもしない ....
音
1 2
音色が あざ笑う
3 4
時が 刻まれる
1 2
繰り返し 消える 運
黒い ビロードの 生地の中を 這いずる トカゲ達に
官能などない!
蝶は 沖縄の 基地から ....
1.
9月
冷えた朝がきた
2.
電車を通り抜けるような
風は吹かない
3.
書ききれない言葉や
伝えられない言葉が
指の間から
夢をみせる
4.
....
明るい夜も、暗い夜も、それぞれに色々な夜があったけれど。
遠く回り道をするように。言葉が言葉からそれからを選んでいくように、一瞬だったものを、ふと、足を止めて拾い上げてみれば。もう、「それか ....
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