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世界の四隅まで
呼吸の音が染み渡っている
君の耳にも届くだろうか
この交響曲
生き物達は静かに とても静かに
生き死にの分裂を繰り返している
潮の満ち干きのようなその静かな喧騒を
愛 ....
昨日 男が欲しかった
非常に発情しているのがわかるの、”らん”は左側から排出されていてよ。
けれども赤く、流れてしまった
あなたが早く来ないから、流れてしまった
お会いできるの ....
子供が
消えて
雲と、雲以外のものの境界が
曖昧になってゆく
遠い飛行機の轟音と、鼓膜とが
混同されてゆく
昼なのか、それとも
冬なのか
子供は
過ぎる為に走るのだっ ....
ギンガミ、ギンガミ 金呉れた
傘の花が開く頃 ギギギの尊が肯いて
平和の意志杖 おっぴしょる
ギンガミギンガミ 鳴り響く
オタカラ、チカラの揃い踏み
春の日永の暮れ六に
土俵を ....
霧の底は不思議の国である。霧は谷間を埋めて川のように流れる。霧の上に表れている山のいただきは雪に覆われている。霧の流れは谷間の果ての崖にふつかって上昇し、山の斜面を薄いレースのカーテンのように覆うが、 ....
浮遊するのは 短い 手である
切り取られている それらは
いなくなった 僧侶であり
僧侶の 泥の数珠である
浮かび上がるのは 指先である
アスファルトの 教義に
道徳の 邪 ....
こな雪がつもった
前髪につもった
この大都市で
吐息がきこえた
君の
吐息がきこえた
流星のように 突然 君は訪れた
罪と歓喜に 灼かれながら
その夜 世界を夢見る永遠者の 憧れ が
人ゆえの この白熱の炎 であることを 私 ....
栃の木狂う様を見て色めく花のかしら
書く各の板踏みならし心に塞き止める
此花のいろどりを曇らせることのない
ように手直し、夜中、
友の寝息と話し声駆け巡るなか
える字の板にカタカタ ....
枯葉を踏むように
ことばを
かさかさと
私たちの記憶の下で
何かが
くだけ散っていく
それは
再生への営みと
私たちは知っている
枯葉を
振り向いたりしないのは
そん ....
わたり鳥の光のかたむき
水と草とに散ってゆく声
拾う者なく散ってゆく声
あたたかな隙間ある冬のはじまり
器にはまだ水があり
夜の雲を映している
緑を覆う緑の暗がり
....
「久しぶり」
っていう笑顔が曲者
あのときはずいぶんいいようにあしらってくれたね
あのあとすぐに結婚したって聞いたよ
それで少し泣いちゃったことは秘密
「電話番号教えてよ」
教えない
「 ....
爆音と情事を
3つずつ交互に重ねて
その上から別れ際のキスと
夜の高速道路のオレンジの光を
少しだけ散りばめてみる
本当は
やさしいモノとか
フワフワした心地よいモノとか
ぬくもり ....
こんなにも高い こんなにも深い
世界の間で 君の夢を 見た
美しい鳥よ そのとき たしかに
僕 は 君を見る 方法 だった…
....
ちょっと こっちへおいで
ふすまのあいだから
まるで骨のような
青白い手を
くらり くらり と
招いて
貴方は 僕を呼ぶ
おかしを あげようね
ちり紙に包んだ
....
いつからだろう
その存在に気づいたのは?
私の中に巣食う胎児
人知れず老いの速度で嵩を増し
禍禍しい誕生の日を待っている
(それは私の終焉の日でもある)
蓮を被った哀れな子供
血まみれの ....
犬の尾の振れ幅が 小さく小さくなってゆく
そういう空気が あなたにはありました
あの時
冷たいつもりの温もり、と 私は呼んでいて
そういう ささやかな反抗は
それでも水面下にいつも ....
家に帰ると、人がいた
一人暮らしの僕の家に
彼は、僕だった
僕は彼だった
仕方がないので宅配ピザを取って
二人で食べた
僕の好きな音楽を聞きながら
僕の趣味の話をし
コメディ番組の ....
はためくスカートで幕をあげる
ベロアのような息、ぼくはいつでも肩を竦めて
ほどほどに甘いカフェオレ、プリーズ
折角だからコールミー
白っぽくつるつるした手触りの街で
コールド!
い ....
パッケージが
破かれてゆく
微かな期待に
苛立った指で
どこにも
何も
入っていない
ということが
からだに向かって開け放たれ
明らかになっても
明らか ....
あの海の家はどこにあっただろうか
夏の
暑すぎる昼下がり
そこで笑っていた太陽のような人びとは
どこに行ってしまったのだろうか
時というものが絶えることなく
いつも継続して流れてゆくとは
....
ひとつ
数えている間
雨の中を子どもが走って
ひとつ
明かりがともると
夕餉をかこむ
その間取調室で
自白がひとつ
強要されている
息をしない人の形が凍え ....
わたしが眠っていると
ドアを開けて神様が入ってきて
わたしの口の中に何かを突っ込んできました
なんだろうと思ったけれど
眠くて何がなんだかわかりません
そのときわたしは
大昔のローマの
....
青空の
窮み
藍
星空
孤独だった少年のころ
走っても
たたずんでも
振りかえっても
吹く風は 仰 ....
曜日だけはおぼえている
寒いから季節だけはようやくわかる
閉じたままの傘が傘入れにちゃんと入ってる
雨が降った日はいつのことか
雨のせいで色が変わったジーンズの裾が
....
霧雨のなかを
朝ぬすびとは帰る
愛するひとのもとへ
かれこれ三日もなにも
食べさせてあげることができない
ついできごころで
ぬすんだほしを
返してしまったせいだ
俺のこころも
俺のゆ ....
毎日 違う朝なのに
ありきたりと
つづられる
こいこがれて うごかない
待つだけの 人は さておいて
違うことを みつけるめは
たやすくないようで
単純で
今 生まれた
....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました
空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました
....
目を閉じる
瞼を、それは落ちていくのかもしれない
いつもより低い世界で目を覚ます
見上げることしか出来ない
そこから始まる一日が
そこにある
青空に
誰かが口笛を吹く
開いた本 ....
連続して
肉体がはじけ飛ぶ
上半身の亡命である
そうして足だけの感覚が
地表と交感し溢れ
浮遊しつつ
重力へ向かって
疾走する
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