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平服でおいでください
そんな文字を見つめながら
思い出すあなたのこと
もう忘れたかなあ
あの日の夜のこと
特別だったのはあの日だけ
でも
たぶんあなたも覚えてるから
呼んでくれたんだね ....
少女は 骨を 折る
少年は 骨を 折り
骨の中には
亡骸がある
折った試しはなく
ゆったりとした 服の中では
骨が
ざわめく
あの 男
どこに 行ったのだろうか
....
しあわせは
しあわせの種の ひとつだけ残して
あとは捨てる 悲しいけど捨てる
そういうところから
生まれる
しあわせは
うれしくて
少し切ない
Kuri, ....
昔、あなたに宛てて書いた手紙
あなたが受け取らなかったので
まだ手元に残っている
手渡そうとすると
あなたは決まって困った顔をしたから
わたしは何故なのだろう ....
凍える桜の枝を煮る
花の色に染まる
記憶のひとひら
なくしそうな
砂のらくがき
ため息で
消して
あなたの指した
電柱の奏でる擦弦楽の季節
手をさしのべても
触れるもの何も ....
―1・鳥頭の浩司―
ついさっき
浩司は新鮮な2歩で近所の教会に初めて入り
3歩で誰かの語る神様を引きずり堕ろして
無理矢理に小銭入れの中へ押し込み
手早く生け捕りにしました
4 ....
無言電話がかかってきたので、無言で待った。
遠くから、海の音がした。
終わりのないテロと戦う
戦闘機も白い雲の中では
機械の目を頼りに
電波系の学問を頼りに
地上の幽霊
フラダンスを踊る
踊り狂ったフラダンス
地雷原を
吹っ飛ばすように ....
昨日 切り捨てられた廃線の
駅 構内には
まだ暖かな気が
そこら中に点々と赤味を帯びて
揺れ立っているというのに
朝に 幕
夜には 鉛の月影が
ゆっくりと光りを奪っていくのだと
....
来るはずのないものを待つ
冬の蜘蛛のように
終わることを知らないひとつの季節と
同じ永さのなかでふるえる
汚緑の湖に打ち寄せるオーロラ
波の奥から
太陽を手にし ....
家の近くで見たのは野良犬の親子
道路をわたるときは子犬のほうが先で
親犬はあとからついてゆく
一見普通の光景だけど
親犬は眼が見えない
だから子犬が前を歩き
親犬はその匂いを頼 ....
1999年8月某日
午前七時起床
朝食後、心理テスト
当てはまると思うものを○で囲む
それからこのテストを作った奴が俺よりちゃんと世界を観ているのか
どうかということが一時間に一度くらい ....
キリストはキリスト教を作ったりしなかった
彼はただの愛に溢れた大工であった
キリストはよく遅刻したし、仕事にこない日もあった
彼はそんな風に頻繁に約束を破ったが
生まれたての子どもが誰彼と隔て ....
春の呼吸は夏を活かし、秋に捨てられ冬は泣いた
ねえ、子供のように笑ってよ
君が居ればそれで済む話さ
眠る間際に、なんてくだらない雨を見たのか
窓が濡れながら、その枠には収まりきれないほどア ....
君が 死んだら
僕は 死を 沢山 生むだろう
あの日 泣きながら
僕に 自殺を 迫った
君の この世で 一番 醜い顔
ニューヨークでも
ハノイでも
どっかの 町でも
君は ....
藍子は
あげは蝶 の髪留め
大切にしている
花模様のスカートからあらわれたのは
淡い足
半分開いた口で 飴 を舐めた
....
巨大なこころの隅っこで
きみは正しく泣いていた
そしてまた粟立つ夢を見た
固体のこころを掴んでいた
僕は疚しく吐いていた
僕はまた泡になる夢を見た
模型のこころを造っていた ....
僅かな時を超えて深く眠りについた
終わりが来るから人生楽しい
って、誰かがゆう
それは夕方の公園、街灯の下辺りで
憂いゆく人々にそれは残酷に響いてゆく
かくゆう僕もその一人さ
....
薄馬鹿下朗だっきゃ工場さ勤めで長げくて、数年前から屠殺係についでらっきゃさ。
レバー上げれば格子さ固定されでら豚運ばれで、
レバー下げれば豚の首っこ飛ぶ。
一日中椅子さ座ってさ。
塗装し直 ....
青い壁は膨らみ私は身動きがとれない
東側の大きな窓は下向きになる
広場に立ち並び仰ぐひとびと
ぎーよんぎよんと振り子のように
揺れている世界
上下に左右に動きたわんでゆく風景
危う ....
いつか
笑い飛ばせる日のために
一枚の部屋に絵を描いている
暖かい一日の始まりと終わり
そこに溶けていく人たちのように
降り積もる行き止まりに
立ちすくむ人を見ている
その背 ....
焼き払われて
焦土と化した故郷の村に還ってきた
いちめんの砂地に転がる骨のオブジェたち
あたしの家のあった場所に
炊煙があがったような気がして
駆けよってみると
テントのまぼろしの ....
夕暮れの空にはむくどりが群れて
毎日あんなことしてて
むくどりは飽きないのだろうかと思う私も
飽きもせず夕飯をつくる
いや飽きてるんだけど
夕飯に飽きても
生きてるのに飽きても
生きてな ....
そして
それがほしい、と言う
響かない足音が、ついて来るのを待たずに
それがほしいの、と
繰り返して、言う
これだけ
狭い雨で何が望めるというのだろう
手を伸ばせばイチからゼロにぶつ ....
染み込み切らず
床に溜まる夕刻、それは束の間
窓枠が区切って下さった一人分の西日は
結局は目の前で
床へ、床へ、沈んでいった
星といえばビー玉の中に
赤く青く黄色く、在 ....
俺、台所で素うどん
このダシがね、またなんとも
粉末なんだが結構乙ですよ
こないだなんかはちょっと濃いめに作ったりしてね
塩分だけで生きてるわけじゃないから辛いのは良くないのよね
蝿に語る俺論
うどん ....
先月 熱海へ 向かった
一人 海辺に 流され
心は 官能を 破棄した
唯人形であるから
などと いう 説教はいらず
先月 熱海の 海に 流された
行く先は 私の 死亡時刻
「センセィ、」
確かそれは赤かった
「センセィ、」
庭のピラカンサスが燃えている
「なんてん、まんりょう、べにしたん」
それは かきょく と女は言った
「センセィ、 ....
母を生む私は
言葉足らずであるけれど
父の死後つまらないことを言うようになった
海が蒼いだとか
空を飛びたいだとか
彼が好きや
道端をずっと見ていたり
など
死ぬまでにした ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
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