歪の鋳型
信天翁

重いつるはしが見つからず
エロスの更地は 深いくさびが
        突き刺さっている

手軽な鋤の刃は錆びて欠け落ち
リアリティの休耕田は 汚れた小石が
           もぐりこんでいる

あゝ (都)心のなかでは もだえが渦巻き
   副(都)心のなかでは うずきが芽生え

遥かなターミナルの大時計は 狂ったまま
        常時 五分 突き進んでいる


自由詩 歪の鋳型 Copyright 信天翁 2013-01-25 20:30:29
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