ごめんね ハナさんの話はもう聞かない
そう伝えたらハナさんは一瞬黙って
どんどろどんどん またその続きを話しはじめた
どんどろどんどん どんどろりん
ハナさんのハナシは留まることをしらない
....
初冬の日差しの奥行のなかに隠れているもの
それはこの冬を過ごすための知恵か
あるいは人の幸いか
または思惟や祈りのようなものか
そのどれであっても関係なく
人はその奥行の方へと向かうだろ ....
今年はライブによく行った
シンディローパーの武道館で火がついた
音楽映画もたくさん見た
新宿のシンオンサイは楽しかった
池間由布子は衝撃だった
気がついたらリハーサルかと思った
世の中にこ ....
凍える星たちを白い息がつつむ
わたしは再びわたしの夢を抱き寄せた
口から口へ息を吹き込んだ
ことばには肉体という壁がなかったから
あれはいつの春だったろう蝶が花に恋をしたのは
蜜を味わう前だ ....
今はだからどうにも今で
だからそのー今なんですか
いや過去ちゃいまんねん
今ですよ今
不思議なことに今なんですわー
そうそうそう 今なんですわー
さらにね
こんなんしてもね今なんで ....
さんま
ね?
いわし
そのー
えんがわ
ワッショイ
ラスト皆さんお待ちかね
イカ
ば
誰も居ない部屋で時計だけが時を刻んでいる
カレンダーはあの日のままあの日の予定がピンにとまる
埃舞うように降る初雪
雪のかそけき言葉水たまりに濁る
桃の花、と思えば小さな紙袋が ....
動物園の隣に都会ができた
都会は色彩にあふれ賑やかだった
動物園に雨が降れば
都会にも雨が降った
都会に春がくれば
動物園の桜もきれいに咲いた
塀や樹木に遮られて
動物は都会の様 ....
ダークヒーローと
いうものが
ピカピカ光り輝いていた時代があった
いまは
どうなんだろう
それでも正しい叛逆の在り方と
それへの恥ずかしながらの憧憬を
たっぷりと想っているの ....
枯れた枝をゆする風が
夢を失くした鉛色の砂を運ぶ
砂は吹き溜まりに積もり
赤いガラスの粒が、
虫の死骸や
いつかの木の実、
藁、
埃や毛玉とともに絡まる
やがて畦道を転が ....
冷気で顔が痛い
町中のベランダにも
深い冬が来ている
ベランダから見える星
近視の私でも見える星
見惚れて
寒いのに部屋に戻れない
あの人も見ているといいな
勝手な ....
詩人が忌み嫌うコートを着て
階段を一段一段叩き割った
半ば強引に
帽子を少し直す
そのわずかな時間の
字数一万字
私は病気が治って
元気になった
だから何でもやれる
私は眼が治って
視界が確立された
だからどんな情報も
受け取りやすい
私は人が好きになって
コミュニケーションに上達した
....
夕闇気味の
しずかなふるさとのちいさな町を歩く
暗い山が
間近に覆い被って来る
灯りの点きはじめた家家に
砂を舞わすように
吹くは歳を経た古びた微風
振り返るひととてなく
いつ ....
野蛮極悪の極み
未だ時として暴れ
魅入られながらも
野生の荒ぶる明るみ
意識の光り輝きに
蓮華炸裂する本能の
地下へ更なる高みへと
光り輝く意識で照射させ
想起の途を遡行しながら
....
馴染みのある町が
変化する 都市へと
本当に 都市になる
それが幸福なのか
誰も知らない
けれど止まらない
止まることを恐れる
私たち
焦っている 発展へ
気位だけで ダメな ....
車窓を風景が流れていく
ラーメン屋の看板が見える
愛を探し続けて
生きてきた
保存のきかない生と思った
だけれど間違っていた
いつも待ってくれていた
私の核もすべて
失われなか ....
汚れた道を
歩いていたら
ある日
清浄な道へと
招かれた
愛の心に
汚いものは
ひとつもない
だから私は
六根清浄
雨降りは本当は大嫌い
だけど
あなたと会うときの
雨は大好き
一つの傘に包まれ
肩と肩が触れ
一つになれる
一つの私たちだけの
空間が揺れ歩く
声がする
オレンジ色を帯びた
ベージュの声がする
まだ微睡みが
解け切らないまま
声を返す
ライム色を帯びた
グレーの声を返す
一日が動き出す
声が始まる
....
恐るべきは
地球外生命体より
地球内生命体
欲の剥き出し
粘着質な涎が
蜘蛛の巣みたい
その間をすり抜けて
荒野を行く
ただ素朴に生きることが
難しい時代に
{ ....
ルービックキューブを子供に貸した
大事なものだから後で必ず返してねと
ルービックキューブは返ってこなかった
代わりに私がその子の首を絞めたことにされ、
警察が家に来た
私は仕事を辞めた
こ ....
いずこより、辿りつき
ひとは、来て、
ひとは、生き、
ひとは、果て、
ひとは、ゆき、
ひとは、死ぬ、
ひとは、笑い、
いずこかへ、消えてゆく
それが消えそうだけど
....
笑うこと
できないほどのどしゃ降りに
濡れて歩いた諦めの夜
ケラケラと
大笑いしてスキップし
街で踊るあの子をみていた
ぼんやりと
走るその子を目で追った
....
私の頭は終わりのないルービックキューブ
ピタッとハマる瞬間を探している
朝起きて、服を着てピタッ
顔洗い、飯食ってピタッ
話して、落ち着いてピタッ
腑に落ちて、納得し続けることで、落 ....
綱引きのような手応えで
引き寄せられない未来
右手で探った未来も
左手でつないだ夢も
手触りは変わらない気がして
無人の車列が車庫に入っていくように
静かに夢の奥へと入っていきたい ....
小夜ふけて
くちづさむ淡いメロディ
もう会うことのないひとを想っている
最初から知っている気がした懐かしさ
一挙手一投足
しみじみと愛おしい
遠いお星さまになってしまったひと
覚えている ....
大体パンダだけ
特別扱いするのは
ルッキズムじゃねえのか
え、ポリコレ野郎どもよ!
白黒がそんなに良いなら
小津の東京物語でも見て
原節子に魅了されてろ!
或いは
白人と黒人が絡むポル ....
あなたに
一言言えば
これはもう
単に不謹慎で
人間は失格もので
無様な
当たり障りのない
小心者で
愛はどうにも少なく
だからと
随分恵まれてもいて
疲れ知らずに努力をし続けて ....
若さにさよならしたら
そのあと
どうしたらいい?
そんなこと
思ったら
どうすればいい?
と
書いて
ウルマン
出てきた
けれど
....
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