薄暮に出現する影は
限りなく
薄い
太陽が西に消え
その魔力から
逃れた
サターンが
息を吹き返す

何処へ
行くのですか?
柊の赤い実が
真面目な顔して
問う
ええ、この ....
ベイビー
あたしのことをそう呼んだのは
最初の飼い主だった

本当の名前はコインロッカーベイビー
長い名前はめんどうなので
いつしかベイビーになっただけ

生まれてすぐ
まだ眼も開い ....
深夜のファミレスはこんなにも賑やかなのか

ドリンクバーやサラダバーではしゃぐひとたち

国道を走る車の音に混じって

「ぎゅぃん ぎゅぃん」

「しゅぃん しゅぃん」

と空間が ....
  冬の陽ざしは微笑みのよう
  内にこもった人にさえ顔を上げさせる

  たわわに実ったナナカマドの木の下を
  赤いランドセルがかけてゆく
 
  もしも私に娘がいたなら
  こんな ....
ほんの気紛れだった
マンションの折込みチラシで
折紙しようなんて思ったのは

最寄駅徒歩7分を山折り
南角日当良好を谷折り
指紋の間にかすかに残る
あどけない感触を頼りに
無骨な指 ....
 
 
速度の中を歩く 
壊れた体温計を 
脇の下に挟んだまま 

街には乾燥注意報が出ている 
人が乾燥に注意している
拾い物が拾われてる
忘れ物が忘れられてる

ポケットに階 ....
時計台の裏側から
針が回るのを見てみれば
この世界の裏側から
時が過ぎるのを見るようで

次元が違うところにいるような
不思議な感覚に陥る

思えばこの世界は
時が過ぎるのを
 ....
          指関節をなんど曲げても
          言葉がどこにあるか
          わからない


人類の要素のひとつ わたくしも
紙とペンで書いた言葉を 今は ....
強い鳥になりたくて

わたしは強い鳥試験を受けにゆく

都では申し込みが間に合わなかったから

すこし遠いところで申し込んでいた

三日ぐらい前からどきどきして

寝れない夜が続い ....
生まれたとき、
酸素を必要としたとき
か、ら
福音が響いている


アルコールが残る
月曜の朝、に
は、太陽が恋人だ、と
叫びたくなる
四つ目の角を、曲がってみたくなる

 ....
温かく美味しいものを

冷たい皿に盛って出そう

今宵、光は妖精の夜

人間達は羽をもがれて苦しそう

神様は自分だけの草笛をぴいぴいと鳴らし

人間世界に"風&quot ....
舗石の下には砂
自由の下には旗
投げつけられた火炎瓶
怒号、
硝煙、
五月革命のパリ

嘘つきアルベール
誰しもあなたのことをそう呼んだ
真実ばかりじゃ息がつまっちまう
たまには嘘 ....
 
目が覚めたらやっぱりおっちゃんやった おっちゃん

ひとりやったら泣いちゃう おっちゃん

そんなおっちゃん、やさしいしたってやー


 
なにかが 出てきそうだ
僕のおなかの あたりから

いつも 予感がある
それは身じろぐ 胎児にも似て
この意識の どこか内側の さらに内側にある
見えない子宮の中で もがきながら 訴えてい ....
アレクサンダー・カルダーが好きで




ヘンリー・ムーアと高村光太郎が嫌いで






ブランクーシの接吻が ....
ひろげたお店を片付ける

そしてトイレで用を足したなら必ず水を流す

便器の底を覗けば
生きてきた私自身の素性が判る




早や店じまいの季節になったものだと
ひろげすぎた店 ....
「平和な時代のこの国に
生まれたことを感謝しましょう」
先生は言うけれど
教室の陰惨ないじめを知っちゃいない
もしくは知っても知らんぷり
そのうち開き直ってふざけてるだけだとすり替える
次 ....
ピントの合わないこの感じが好き

行っては戻り回り道

落ち葉が綺麗で下ばかり向いて歩いているから

行き過ぎてしまったよ

まだこんな時間なのに

夕焼けが繊細な色合いで空を幾重 ....
  傷だらけの携帯電話を見ながら
  明日のことを思いめぐらす
  不利な戦いになる
  このまま今日が続くなら
  
  偶然とは理由がわからないだけの必然
  真夜中に白い氷が降りはじ ....
幼子は俺にとっての
起源にして頂点
願わくば
これからの一日一日の
当たり前のことに
畏敬の念で結ばれていますように


かつては野も森も小川も大地も
目に写るありとあらゆる光景が ....
僕たちは立っていた
路上に立ちつくして
いつ訪れるかわからない
僕たちをどこかに
連れていってくれるであろうものを
ひとすら待ちつづけていた
僕たちは整然と列を
乱さずに立っていた
僕 ....
マンションの手付け金、
10万円を、払った。
彼女と、手打ちパスタのお店を、
ランチできのう今日と食べくらべた。
なにも、
面白くない。
テロリストにさえなれない。

水天宮に、
戌 ....
素粒子の海で、分解されたままの、不確定の、私達という、名の、洗われた、ものたちが、今、優しい、数式で、拾われて、わられていく、言葉たちは、ちりぢりになって、目にみえない、わたしとあなたは、いくつもの素 ....  私の中には時折他人が入ってくる。私が食器を洗っていたとき、気がついたら私は田淵さんだった。田淵さんは私の部屋に勝手に入ってしまったことを申し訳なく思い、靴をはいて部屋の外に出たが、そのとき田淵さんは .... 今日がこれで終わると思うとき

一日笑顔であったかどうかを

数えてしまう

そんなこと本当はしてはいけないはずなのに



自分が笑顔かどうかはあまり重要でなくて

君が笑顔 ....
宇宙からあなたの引っ越しを見つめた

それは1ミクロンにも満たない移動だった

この1ミクロンのために

あなたは新居をさがし手続きをし

引っ越し屋さんから段ボールをもらい詰め

 ....
膝小僧の原にうたいながら
幾度も幾度もくちづけながら
鉄を見捨てぬ鉄の味の背
赤錆の行方を見つめていた


ふたりの終わり
既知につながり
ひとりには帰らず
果実のよ ....
目に鮮やかな色たちの
間に間に空のかけらが見えて
深まる秋を吸い込めば
他の誰でもない僕がひとり


ああ こんな燃えるような色をして
今年もまた 瞳の奥に小さな手形を残していくのか
 ....
  まるでこの世の始まりから
  僕を待っていたように
  茶色い床に君の
  十二枚の写真が散らばっている
  秋の風が窓の外で
  穏やかにはためく午後
  僕はグラスに冷たい ....
私の中でなにかが優しく壊れ始めた
釣瓶落としの夜の中
独り佇みながら
メランコリーな果物を潰した

私の中でなにかが優しく壊れ始めた
写真をちぎり
独り凍えながら
写真を燃やし暖をとる ....
木原東子さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薄暮に- そらの珊 ...自由詩5*11-12-1
閉所恐怖症の猫- そらの珊 ...自由詩6*11-12-1
ファミリーレストランサラダバー- 灰泥軽茶自由詩7*11-12-1
もしもわたしに娘がいたなら- ただのみ ...自由詩7*11-11-30
折紙- nonya自由詩24*11-11-30
街外れまで- たもつ自由詩511-11-29
楽園- Seia自由詩6*11-11-29
痴呆の季節- 乾 加津 ...自由詩17*11-11-29
強い鳥試験- 吉岡ペペ ...自由詩5+11-11-29
信徒への手紙。- うわの空 ...自由詩10*11-11-29
瞬間の美餐- yamadahifumi自由詩311-11-29
嘘つきアルベール- そらの珊 ...自由詩10*11-11-29
おっちゃん- 殿上 童自由詩19*11-11-29
予感- まーつん自由詩7*11-11-29
アレクサンダー・カルダー- TAT自由詩3*11-11-28
旬なひと- 恋月 ぴ ...自由詩2311-11-28
エゴイスト- そらの珊 ...自由詩6*11-11-28
ピンボケ- 灰泥軽茶自由詩5*11-11-28
今日という日は死ぬけれど- ただのみ ...自由詩12*11-11-27
あの日に還りたい- 一 二自由詩511-11-27
壁画- 岡部淳太 ...自由詩1511-11-27
テロリストの咳- はだいろ自由詩411-11-27
祈り(連詩)- ことこ自由詩6*11-11-26
他人- 葉leaf自由詩6+*11-11-26
笑顔の数- 桜 歩美自由詩5*11-11-26
光の世界- 吉岡ペペ ...自由詩4+11-11-26
ノート(消えたひとへ)- 木立 悟自由詩311-11-25
もみじ- 八布自由詩311-11-25
レンズ- 草野春心自由詩21*11-11-24
私の中で- あやとり自由詩1*11-11-23

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30