透明なせせらぎが遥か遠くで
  岩の間をくぐり抜けてゆくのが
  聴こえてきそうな三月の朝
  いたずらな顔をして君が
  せがむみたいに背伸びをしたから
  僕たちは口づけをか ....
わたしだって一生懸命走っているのに
なんか自分だけ後ろへひっぱられてる感覚に囚われてしまって

一緒に走ろうねって誓った友達の背中が
だんだんと小さく小さくなってゆく




はじ ....
12月ともなれば街はいやいやに浄化されて、今年楽しかったひとや哀しみに嗚咽したひと、苦しさからいまだに便秘気味なひとたち
」想定内に収まりますから と、わけのわからない押し売りの陰謀が一気に ....
漫然と眺める視界に映りこむ小さな爪きり
朝日のスポットを浴びる雪印コーヒーの紙パック
得意気な自己主張を欠かさぬ柿の種わさび味の空袋
に詰め込まれたビニールとちり紙の山

テレビで流れる何か ....
君はいつも洗い立てのシャツを着て清潔で柔らかな香りを漂わせて。
君のお家が温かく幸せなことを振り撒いている。
君が僕の家に来ると僕らそれしかないから硬いベッドに眠るばかりで。
何にもない何にもな ....
 

好きやってんでと、うつむくわたし

知ってたよと、うそぶくあなた

きらめくネオンの街で、さようなら、さようなら、




 
君がいくつもの言葉を
ひとつの親指で
文字で刻んでいく頃
僕のいくつもの淋しさが
ひとつの羽となって
冬の凍った湖に帰って行く

鳴いているかい
僕が人差し指でなぞった
吐息混じ ....
水の底で暮らすガラス吹き職人は
毎朝一番はじめに真っ赤に燃える
とろけた溶岩を試し吹きをして
水の中に薄くて綺麗なまんまるいガラス玉を放つ

大体は途中で魚や鳥などに突かれたりして
弾けて ....
さっき屋上にいくって
めがねのおじさんが言っていたからです

「お宅の留守に 何だか知らないが
一匹入っていきましたよ」
主人(照れて)「いや、それはもう」
妻(ほほを染めて)「ええ」
 ....
朗らかだろう
安らかだろう
健やかだろう
なあ、

陽気で
呑気で
幼気で

穏和で
親身で
温厚だろう

それでいて、コイツ
まだ生きてやがるんだぜ

期待という期待 ....
窓の外で雪が舞っている 
窓ガラスについた雪の結晶は
やがて溶けて 
雫となって流れ落ちる 
涙のように

こんな雪の日だった 
あなたとふたり雪の中を歩いたね
吐く息も白く 
 ....
たいして欲のない親父にも幸せ願望はかろうじてあったのですー

ある日親父は彼女には大好きな彼氏がいる事を悟りました

恋愛に悟りなんて必要ねえしと

思われるかもしれませんが

仏陀の ....
針葉樹が生い茂る
森の奥深く
みづうみがあった
風もなく
濃緑(こみどり)をたたえた湖面は

同時に
境界


そこに映る景色は
さかさま
あたかも
そこに
もうひとつ ....
微生物にとって
わたしのお腹の柔突起は
きっとかれらの全て

微生物は
生まれてから死ぬまで
わたしの姿形を知らずに
過ごすのだろう
空いっぱいの夕やけを見たいとHが言う


 寒くない?
 うーん、だいじょうぶ。
 今日はあったかいし絶好の夕やけ日和よ。
 どこがいい?
 うーん、
 海がすぐちかくにあって、川の流 ....
足が痛む時
私は足の存在を感じる
手が痛む時
私は手の存在をみつめる
心臓が痛む時
私は心臓の在処を想う
痛む時は
普段忘れているものたちを
思い出させる
誰かからの電気信号なのかも ....
おはよう。アインシュタイン。
貴方が恐れていた通りの終わりが今、やってくるよ。
良い朝さ。きっと良い日になるよ。
僕等は神の体内に巣食ったウイルスだったのかも知れない。

自然を使う事を覚え ....
いつものように仕事をしていた
アパートの郵便受けに貼られた
よくある 空室 の文字をなぜか
一瞬  そら室 と読んでしまうと
ドアの向こう せまい間取りの境界が
ぼんやりしてきて 真っ青な空 ....
嫌なものはイヤ!
そんな思いと折り合う

でも、おとなの分別とかじゃない
ひとが生きるって
爪先から血が滲むほど世間ってやつにしがみついて

それで何とかまっとうできる

違うかな
 ....
少し神経質で几帳面すぎる
右手

無骨だけど何故か憎めない
左手

ろくに箸も持てないくせにと
名前すら満足に書けないくせにと
いつも左手をなじってばかりの
右手

何を語る ....
お前の墓はたれ建てる

わしも一度は参りたや

たれにも知られぬ偉人あり

その名も男ジョン次郎

ふるさと捨てて母捨てて

砂また砂の大航海

夢も希望も質草に

さすら ....
心臓、は
従軍する
かたち、を護るため



こんにち、までの
利率を導き
身の上話、の
清算を迎え入れる


ただしく在ろうとすることは
ときに、愚鈍を空炊きし ....
プールの底に
小さな小さな亀裂が出来ました

最初は
気づかぬふりをしてしまえるほど
ささいな亀裂でございました
そこにあっても
あると言わないかぎり
ないことにしてしまえるのは
致 ....
ポケットから
手帳を取り出す手が冷たい
ことばを整理する
その過程で
冷えてゆくものも温まるものもある
あられが窓をしきりにノックする
冬が訪ねてくる深夜

うまれてきたことに感謝し
 ....
小さなガラス壜の中は海
群青のさざなみでゆらめく

海をコレクションする女は
孤独であるけれども
絶望的に孤独ではなかった
本当の海まで
もはや歩いていくことは不可能
この部屋から出る ....
 決して建て終わることのない塔がある
 光をまったく反射しないその塔は黒い輪郭に
 太古の文様を刻んでいる

 日の光のもと 
 それは実体のない白い影となって横たわり
 存在を忘れさせる ....
リリィ
あの娘は私のことをそう呼んだ
いつまでも友達よって
つぶらな瞳が笑ってた
毎朝
私の髪を象牙色の櫛で梳かし
樫の木の椅子に座らせてくれる
あの娘は私にいろんなお話をしてくれた
 ....


冷たく また暖かく
風は吹いてくる 駆けつける
通りの角の向こうから 木立の間から
病院の屋上で 夕暮れの空に黒い影を揺らす 洗濯物から  

冬の風は 静寂を厭う
その身体をよ ....
失った
後悔を
追いかける
俺は無常

無くなった
腹減った
飯を食う
俺は無常

虫が湧く
無視をする
虫になる
俺は無常

情熱に
蓋をする
莫迦になる
俺は無 ....
雑木林に音符降る

腐葉土にリズム浸み

時間の奏でる音楽

人工もまた自然です


燃料棒が溶け落ちてしまって

コンクリートを65cm沈む

山肌のみどり色が抜けきって
 ....
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