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うちのベランダに

よさげな苔が生えている

コンクリートのひびから

もこもここと

ふさりふさりと

緑色からエメラルドグリーンへ

鈍く光っていき

それはなんだかシ ....
一匹のからすが

あおあお鳴いている

小さな子供が歩きながら

あおあお
あおあお

声に出して真似している

雑木林の中から
鈍く光った黒いマントが見え隠れする

前を ....
早起きしトコトコ山を登り
見晴らしの良い場所で
うんと息を吸うと
朝の新鮮な空気に
満たされたような気がして

ぼぉうと吐きだすと
昨日までの
凝り固まったしこりまで
山の空気に流さ ....
私は小学生の高学年頃
毎日日記をつけていた
それは思い出や覚え書きを残すためではなく
日記をつけ続けることに固執していたからである
そして書いていることは
何かの情景描写や感情表現では全くな ....
巨大な駅に降り
ぐるぐる同じところを何回もまわり
見上げれば
巨大なデパートが
たくさんそびえているわけだが
道路を渡りたくても信号機はなく
びゅんびゅん車が走っている

大きな歩道橋 ....
もやいがほどけて

岸からゆっくり離れ惰性ですすむスワンボート

寂れた観光地の人工湖は静かでのっぺりしている

スワンボートは誰も乗っていないんだったら

おひまをいただき

ペ ....
いい天気でのどかだなぁと
公園で甘じょっぱい惣菜パンを食べていると

いたずらな風が吹いてどこからか
おもちゃのゴルフボールが
抜け殻の魂のように
放っておいてもそのうち消えてしまいそうな ....
水の底で暮らすガラス吹き職人は
毎朝一番はじめに真っ赤に燃える
とろけた溶岩を試し吹きをして
水の中に薄くて綺麗なまんまるいガラス玉を放つ

大体は途中で魚や鳥などに突かれたりして
弾けて ....
深夜のファミレスはこんなにも賑やかなのか

ドリンクバーやサラダバーではしゃぐひとたち

国道を走る車の音に混じって

「ぎゅぃん ぎゅぃん」

「しゅぃん しゅぃん」

と空間が ....
ピントの合わないこの感じが好き

行っては戻り回り道

落ち葉が綺麗で下ばかり向いて歩いているから

行き過ぎてしまったよ

まだこんな時間なのに

夕焼けが繊細な色合いで空を幾重 ....
なす顔の君はおっとりとして

喋るのもたどたどしいから

笑みがこぼれてしまう

本当は嫌なこともいっぱいあるだろうに

けれどそのなす顔で私は気づかされ

嫌なことも忘れ

 ....
ぼんやりと薄明るい部屋

冷たい空気にさらされ

体はだんだん灰色になっていく

コンクリートあぁコンクリート

スコップでよくかきまぜられた

生コンが口の中へ少しずつ流し込まれ ....
つばがじわりと溢れる
喉ぼとけを鳴らし梅干しを予感する
大きな瓶に詰められた
肉厚の梅干しは
弾けそうなほど丸みを帯び

さあひと口でおやんなさいと
口をまんまる放り投げれば

すっ ....
遠くの向こうから眺めていたら
誰かと思って近寄ったら
案山子だった

今にも動きそうな気配を漂わせているのは

こがねいろした稲穂が風で波打っているからだろうか
生命に溢れた大地に自分だ ....
深呼吸する緑の葉っぱたちは囁く

ほとばしる生命、咀嚼しろ

艶やかに見惚れる果実たちは囁く

弾ける生命、咀嚼しろ

八百屋の親父は最後の仕上げに

ふうっと息を吹きかけ

 ....
私は流木と一緒にこの浜辺へ打ち上げられ
長い時間を過ごしている

朝靄の中
私は何かがはじまる予感に抑えきれずに
流れてくる貝殻や硝子、缶からの破片を集めて
できるだけ体中に埋めつくしてい ....
夜が少しあけるまえ
わりばしを一本もって君と山へ出かけよう
山の頂上について東の空から太陽が昇りはじめたら
わりばしを二つに割って一緒に
風に漂う生まれたひかりを
くるくるまわしてわたがしを ....
朝昼晩、おはぎだよ

無人島に何か一つ持って行けるとしたら、おはぎだよ

死ぬ前に最期に食べたいのは、おはぎだよ

昔ながらの麺類・丼もの屋が店先で売っているおはぎにかぎるね

そりゃ ....
枯れ葉が踊るよ

そば猪口ちょこ

満たして、浸して、

そばつゆどこだ、

野山をえっちら暖簾はどこだ、

日も暮れあてどのない風景

でもどこかでみた風景は

私に描か ....
木原東子さんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
よさげ- 灰泥軽茶自由詩14*12-6-24
黒いマントのカラスたち- 灰泥軽茶自由詩12*12-3-12
光の糸- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-18
日記を捨てる- 灰泥軽茶自由詩10*12-2-12
右も左もわからずに- 灰泥軽茶自由詩7*12-2-11
スワンボート- 灰泥軽茶自由詩6*12-1-6
おもちゃのゴルフボール- 灰泥軽茶自由詩8*11-12-16
ガラス玉掬い- 灰泥軽茶自由詩6*11-12-10
ファミリーレストランサラダバー- 灰泥軽茶自由詩7*11-12-1
ピンボケ- 灰泥軽茶自由詩5*11-11-28
なす顔- 灰泥軽茶自由詩2*11-11-21
生コン塊- 灰泥軽茶自由詩2*11-11-12
梅干しの予感- 灰泥軽茶自由詩4*11-11-9
案山子になりたくて- 灰泥軽茶自由詩4*11-11-4
八百屋の息吹- 灰泥軽茶自由詩311-11-3
流木と私- 灰泥軽茶自由詩311-10-30
ひかりのわたがし- 灰泥軽茶自由詩3*11-10-24
おはぎなんだよ- 灰泥軽茶自由詩411-10-15
そば猪口ちょこ- 灰泥軽茶自由詩2*11-10-14

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