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一瞬で
りんごもにんじんも正論も砕かれ攪拌されてどろどろのジュースになるみたいな
彼女だけの鋭いミキサーのすいっちは日常のいたるところで押されるのだった

あるいは一瞬で
女子なのにおおかみ ....
細い髪の毛は実にからまりやすく
しじゅう梳かしてあげないと
やけっぱちになった団子になる

しこりになったそれ
まるで永遠に解くことのできない
知恵の輪みたいで
まるで
宇宙だねと
 ....
小さな靴の愛おしさを
ときおりこうして取り出してみる
小さな足はもう消えてしまったけれど

バーゲンセールは年々前倒しにやってくる
梅雨が明けてもいないうち
夏服には割引の赤いタグがつけら ....
ことがら は 昨日の記憶

そばがら は 今夜の枕のなかで

ひとがら を 朝のヒカリで描きこむ

うまれたての雛のあたまに
残された
一片の から

どこからと問うこともせず
 ....
沸騰させた水が
マグカップの中で
常温を目指している

まだ
ひりつく
くちびるに
おそらくとても
優しく
同化していくことだろう

情熱だとか
とがりだとか
叫びだとか
 ....
よそへいくための服は
襟のレエスがまぶしくて
びろうどのスカートが重くて
ぴったりしずぎてきゅうくつで
母さんが
帰宅するやいなや
着替えさせてくれるとき
ほっとして
わたしは
すこ ....
誕生日に
どこへも行かなかった
髪をくしけずらなかった
うねるにまかせた
口紅をぬらなかった
洗いざらしにしておいた
たいていの人がしみだと呼ぶ
頬にちらした点々を数えた
  (およし ....
たまねぎの
ちゃいろの
うすかわを剥く
のり、で
はったわけでもないのに
なかみのかたちに
ぴたりとはりついて
かわいてしまった
うすかわは
もう
うすかわ以外の
何者でもない
 ....
明け方
素になった
あしのうらが
のんびり呼吸をしていた

朝、起きて
人が再び活動を始めたときから
あしうらは忙しい
意にそまない誰かであっても
一緒に過ごさねばならない
破れか ....
なぐさめが
嘘だと知っていた
けれど
この世の中に
ほんとのことなど
在るのだろうか

わたしの躰に産みつけられ
冬を越した
薄黄色い{ルビ卵=カプセル}が
もうすぐ
孵化を始め ....
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ

茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った

だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ

藁を燃やして送 ....
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ

満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で

夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
パンダの赤ちゃんが
亡くなったと
News速報で流れる
平和な日本

動物の赤ちゃんが死ぬのは
特に珍しいことでもないけれど
パンダは特別枠なので
みんながかわいそうと言う

わざ ....
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし

信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに

夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなの ....
雨の糸
紡いで布を織る

星の子
風邪を引かぬように

七夕
願い事を書いた短冊

白紙の未来
ペン先がじっとみつめている

願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり

そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた

私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう
 ....
梅雨時になると
もうそろそろかな、と思う

雨上がりの庭で
もうそろそろかな、と思う

君と
言葉を交わしたことはないけれど
君のことは
勝手にトモダチだと思ってるから

カエル ....
たいふういっか

台風一家だと
思い込んでいた頃

台風が去った朝
通学路には
一家が遊んだあとが
残されていた
なぎ倒された空き地の草
折られた柿の枝
おしゃかになった傘
 ....
雨の日に
西瓜をノックすると
入ってます、と声がする

ぽこん

西瓜まるごと持つと
かなりの重量感があるのに
成分はほとんどが水なんだってね
ふうん、そうなんだ
果物を食べると
 ....
雨の日は
透明傘がいい
値段の気安さがいい
ドームの曲線を
雨が流れていくのを見るのは
誰かが
泣いているのを
見ているようで
そんな後ろめたさもいい
そういえば女優でもないのに
 ....
忘れていたわ
時の砂は音も無く
ふりつむ透明な悪魔だってこと

どこへいようと
逃れることはできない
生の終着駅が死であることから
逃れることはできない

気づかぬうちに
若葉は枯 ....
{画像=120529154724.jpg}
気温が一度上がっただけで
庭は目覚め
今夜は舞踏会だと
シロテンハナムグリが伝言する

白薔薇が
今まさにデビュタントに
踊り出そうという心 ....
犬の眼をじっと見つめていると
黒々としたその瞳から
哀しみだけが
滲んでくる

犬は
なぜ自分が犬であるかを
きっと知っている
遠い昔
野生を
人間の為に捨てた存在
自由よりも不 ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる

『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
 ....
よっぽど
おなかすかしてはったんやなぁ、おつきさん
おひさん
たべてまうなんて
よっぽどやな
やけどするで
くちんなか
べろんべろんになるで
おとなしそうなかおして
やるときゃやるん ....
野の花が
あんなにも
優しげに微笑むのは
きっと
手向けの花であるから

肉体を持たぬ人に
花以上に似合うものが
あるでしょうか

空腹も感じないので
食べ物はいらない
物欲も ....
他者の背中を見るように
自分の背中を見ることはできない

他者の背中を見送るように
自分の背中も見送られ

雨あがり
洗濯したばかりの
地球の匂いに包まれる午後

無風、時々背中
 ....
数えましょうか?
野に
ひとつ、ふたつ、と
数えましょうか?
川に
いっぴき、にひき、と

数えましょうか?
道に
ひとり、ふたり、と

数えてほしいのでしょうか?
その存在証 ....
古代飴のような
琥珀の中に
小さな虫が
羽ばたいたまま
閉じ込められている

時が止まったままの
小さな宇宙を
私は
手のひらで
そっと転がして
スイッチをさがす
木原東子さんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(77)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
すいっち- そらの珊 ...自由詩17*15-5-1
台風を待つ朝に- そらの珊 ...自由詩16*14-10-13
バーゲンセール- そらの珊 ...自由詩2014-7-3
から- そらの珊 ...自由詩26*14-6-5
常温- そらの珊 ...自由詩23*14-5-30
よそいき- そらの珊 ...自由詩22*14-5-26
そばかす- そらの珊 ...自由詩20*14-5-15
うすかわ- そらの珊 ...自由詩20*14-3-24
あしうら- そらの珊 ...自由詩23*13-5-15
宴_/__春の祝福- そらの珊 ...自由詩19*13-2-18
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2612-12-6
盆送り- そらの珊 ...自由詩2312-8-10
初蝉- そらの珊 ...自由詩23*12-7-18
News- そらの珊 ...自由詩16*12-7-14
各駅停車- そらの珊 ...短歌1612-7-10
ささやさや- そらの珊 ...自由詩24*12-7-2
ぼんやり- そらの珊 ...自由詩24*12-6-26
勝手にトモダチ- そらの珊 ...自由詩18*12-6-22
台風のあとで- そらの珊 ...自由詩3012-6-20
雨の日に- そらの珊 ...自由詩17*12-6-16
雨の日は- そらの珊 ...自由詩1912-6-12
時の砂- そらの珊 ...自由詩1112-6-11
ワルツ- そらの珊 ...自由詩15+*12-5-29
MY_LIFE_AS_A_DOG- そらの珊 ...自由詩23*12-5-26
カサブランカ- そらの珊 ...自由詩18*12-5-24
むしゃむしゃ- そらの珊 ...自由詩15*12-5-21
- そらの珊 ...自由詩26*12-5-11
晴れ、時々背中- そらの珊 ...自由詩17*12-5-3
数を数える- そらの珊 ...自由詩6*12-5-1
仮死- そらの珊 ...自由詩17*12-4-27

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