四年ほど前から付き合いのあるこの男は、不思議なことに何も教えた記憶はないのだが、俺の昔をよく知っている。一日のうち五,六度、俺の前に顔を出し、あるときは俺の読んだ本や詩を酷評し、あるときは俺の書い .... なにも考えたくないはずなのに

気づけばあなたに思いをはせる

なにもしたくないはずなのに

気づけばあなたへ向かって歩く

忙しいときも

暇なときも

ずっとあなた ....
鳩が二羽しかいないことをアマリアはあらためて不思議に思うのだった

ここにはカマンヌとスダーイとアマリアの三人がいる

ということは鳩は三羽いなければならないのだった

そんな当たり前のこ ....
ひと区切りついて 50分経って
コインランドリーの外 舞い降りるスノーフレークを眺めていた
暖かく振動しながら回転する 乾燥機の壁にもたれて
君のことを考えていた
バスの整理券を取る時の ....
愛するものを失うことと
愛するものを亡くすことには
天と地の開きが在る

それは失ったとしても
その生はこの地上に在るが
それを亡くしてしまうことは
その生が無であることを
思い知らさ ....
国が国債を刷り続けても

みんなが金持ちになれないのは

金儲けの方法を知らないひとが多いからではない

人口ボーナスが低いからでもない

富める者も

そうでない者も

身の ....
さぁ 胸をはって
鼻のあなを
おもいっきり開いて
しんこきゅう しんこきゅう

スーハー スーハー 

しんせんな空気を
胸のなかに吸いこんで
心のモヤモヤをはきだす
しんこきゅう ....
ピューと
赤いストローから
飛びだす
しゃぼん玉たち

ふわふわと
ただよいながら

ごっつんこして
はじけた
木の枝にぶつかって
はじけた
カラスにつつかれた

ピューと ....
おいっ
おいらたちを拾うんじゃない
可愛いからって 持って帰るなっ

おいらたちは種なんだ
ちゃんと土の中に埋めてくれよ
いつかは立派な
どんぐりの木になるんだ

池に放りこむなっ
 ....
昼間の嘘(あまりにも夜の真実)
人間が嫌い(おもちゃ箱だけが友達)
ひとなみな幸せがわからないから
ひとなみに暮らしてはいけないのと
(わたしの
わたしの
わたしのうちの誰かがそう ....
時間のオブジェなんぞ飾った
キザなダイニングテーブルで
おれたちの議論といえば
百万回も繰り返された
チェスの攻防だ

おまえの遺体の第一発見者となった
夢を見たことを黙っていたのは
 ....
なぜだろう ひとりで見上げたい空がある
なぜだろう ひとりで歩きたい小道がある

踏み拉かれるのはいつも名もない草花たちだ
(ほんとは名前があるのだが
(呼ばれてうれしいか 知らないが
美 ....
言葉が出たいと言う

僕の中から出たいと言う

僕は難民を逃がすように

一つ詩を書く

いくつかの言葉が救われ

いくつかの言葉がそっと

頭のおくに帰っていく

また詩 ....
わたしがみたいもの
ちょうど林が重なるとき
岸の端だけ明るいの

わたしがみたいもの
頬のこけた旅人の耳
一年に一度受信できるラジオ

わたしがみたいもの
雨にうたれる阿修羅像
も ....
勝者と敗者の間に
三角定規で線を引く

本物と偽物の間に
フリーハンドで線を引く

好きと嫌いの間に
眉間で線を引く

面白いと面白くないの間に
口角で線を引く

瞬きする ....
全く、窓辺の風よ
そうやあやあと声を張らず
少し黙っていられないのか

私の爪先ももちろんそうだが
なにより、カーテンが困っているよ
お前の冷やかな愛の歌が
彼女の心を惑わせているよ
 ....
便利やで。このひと。
うれしいと泣く。
哀しいと笑う。
恋もできる。
歌も唄う。
故障は少ない。軽くて丈夫。
充電式やから停電に強い。
環境に順応。
ええ仕事する。みんな欲 ....
ひとりぼっちになったとき
おそれるべきはこどくではない

わたしだけ というひとりよがり
いつのまにやら
どつぼにはまる

わたしだけ つらい
わたしだけ さみしい
わたしだけ  ....
少女が恋した相手は{ルビ舟人=ふなびと}だった
{ルビ陸=おか}で生きてはいけない
それが舟人

祖先をたどれば
互いに 海で生まれた小さな泡同志だが
海を捨てたものたちは{ルビ陸人=おか ....
憂鬱な朝の第一声
曇天に向かって
呪詛する言葉を発する
自分は独りの老人だ

曇天の向こうには
雲から垂れ下がった
塔が地上に突き刺さる
恐ろしく繊細な根元が
地上に突き刺さる

 ....
目をつむると火花が散る
切なさで肺がつぶれる
わたしは、ただの人間で
恋をするとレモンのような理想を夢見る

あの人の、浮遊感が堪らない
彼の影に針をさして標本にしたい
アコースティック ....
人という字は支え合っている
同時に
人という字は依存しあっている
人ゆえに

どちらが
依存する度合いが多いのだろう
右側? 左側?
一見すると だんぜん左側のようであるが
実は
 ....
Fの
セーターの裾から
一本の毛糸が出ていたので
引っ張ってみた

スルスルと
それは
面白いように引き出せる
どんどん出てくる
止まらない

糸の編み目が崩壊する時の
微かな ....
男が嘘をついた

嘘だと分かっていて
わたしは騙されたふりをする
嘘だと言ったら
瞬間に
嘘が本当の嘘になってしまうから
すべてを失いそうで
怖くて
わたしはそれを言えない

男 ....
夢想家のわたしは
月に見惚れて
昼間の太陽に
手を翳し目を瞑る

いろんな型の
夢に囚われて
現実の厳しさに
夢が砕けてしまった

禍々しい月日が
粉々に砕いていった
わたしの ....
三角くじを引いた
三角形の赤い紙が
二枚合せに貼ってあり
それをはがすと
一等
二等
三等とか
なにがしかが書いてあるようだ

スピードくじとも
いうそうな

アナログなスピー ....
無音の世界で
頭の中を行き交う コトバたち

白いシーツの波間から
しのび笑いの ベクトル

空気を刻む ガボット
微かな振動に 覚醒の兆し

小さなアクビ噛み殺す

ああ もう ....
この辺りまで丘を登りきる
新しく切り開いた道は両脇から砂埃が舞い上がり、僕の口を塞ぐ
上から見下ろしても更地の勾配だけが霞んでいる
いつのまにか、舗装された道路まで引き返していた
 ....
僕が勝手にホームだと思ってる店がある

マスターはブルースバンドのギタリスト

髭がかわいい熊ちゃん


カウンターで日本酒呑みながらブルースやロックのDVD観ながら

ぼんやりとい ....
夜更け
寒空
ふいに切り立つ飛行機の音は
機械音ではなく
上空に沸く数百の命で成り立つ音なのだと
木原東子さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「……とある蛙」に捧げる- ……とあ ...自由詩14*12-1-22
愛する恋する- ジュリエ ...自由詩212-1-22
月の石(順不同)- 吉岡ペペ ...自由詩312-1-22
コインランドリー- カワグチ ...自由詩312-1-22
無常- HAL自由詩312-1-22
金と愛- 吉岡ペペ ...自由詩312-1-22
児童詩_【_しんこきゅう_】- 泡沫恋歌自由詩7*12-1-22
児童詩_【_しゃぼん玉_】- 泡沫恋歌自由詩5*12-1-22
児童詩_【_どんぐりのキモチ_】- 泡沫恋歌自由詩13*12-1-22
……だから- アラガイ ...自由詩6*12-1-22
感性は理性の食卓に満足できない- ただのみ ...自由詩7*12-1-22
草花たち- 北野つづ ...自由詩312-1-21
グッバイ•ワーズ- KとN自由詩312-1-21
わたしがみたいもの- 日野自由詩6*12-1-21
線を引く- nonya自由詩28*12-1-21
窓辺の風- faik自由詩14*12-1-20
だれか買うてんか- たま自由詩40*12-1-20
わたし- 木屋 亞 ...自由詩2*12-1-18
ひなぎく- そらの珊 ...自由詩11*12-1-18
ネガティブ- ……とあ ...自由詩13*12-1-18
枕もとのアバンチュール- モリー自由詩10*12-1-18
共依存- そらの珊 ...自由詩6*12-1-18
いたづら- そらの珊 ...自由詩5*12-1-17
【_嘘と男と着信メール_】- 泡沫恋歌自由詩20*12-1-17
【_DREAMER_】- 泡沫恋歌自由詩6*12-1-17
謎くじ- そらの珊 ...自由詩13*12-1-17
【_サイレント_】- 泡沫恋歌自由詩6*12-1-17
s字台ニュータウン- アラガイ ...自由詩4*12-1-17
PAZU- 梅昆布茶自由詩12*12-1-17
【五行詩】フライト- 凛々椿自由詩812-1-17

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