笑顔の数
桜 歩美
今日がこれで終わると思うとき
一日笑顔であったかどうかを
数えてしまう
そんなこと本当はしてはいけないはずなのに
自分が笑顔かどうかはあまり重要でなくて
君が笑顔であったかどうか
どのくらい笑っていたか悲しませてはいないだろうか
我慢させてはいないだろうか
いつも頭を駆け巡る
過保護だとか過干渉だとか
そういうのどんなに言われても
かまわないんだ
別に執着しすぎているわけではない
ただ君が幸せであってほしい
ただそれだけ
声掛けも
少ない私
今日何があったのかを
聞いてあげる余裕もないことも多い
笑顔の数を思い返してみて
少なかったと思うと
とても心配になり
多かったと思うと
安心する
母親ってそういうものなのか
私には客観的にしかとらえられないその存在が
間違ってもいいけど
愛だけはきちんと注げていますように
今日もそれだけを
ただ祈る