自分も毛糸玉のくせして
プッチは毛糸玉と
戯れるのが好きだった

ふたつの毛糸玉は
所狭しと転がり回り
私は面白がってその糸を引いたものだった

小学生だった私と弟
そしてやっと歩き ....
僕はいつもわからなかった
きっと 自分を失うことから 逃げてきたのだ   
僕は そうして いつも 立っている
今日も この ぼんやりとした地の上に
人生は手紙
読み進むごとに
春夏秋冬喜怒哀楽
答えは最後のお楽しみ

人生はビリヤード
当たり当たられ飛んで行く
誰が誰を動かして
こいつがどいつに影響されたか
白玉だって分かりはし ....
きみは官能を嫌う
ぼくは官能を好む

きみは自叙伝を読む
ぼくは自叙伝を厭う

きみは武術を好む
ぼくは球技を好む

きみは楽観主義
ぼくは悲観主義

きみは太陽の下
ぼくは ....
いけんをいえと
あなたはいう

いけんはないと
わたしはいう

それでもいえと
あなたはいう

いわなければ
ころすとせまられる

わたしはあなたに
いけんととも ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう

スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
赤い糸切れて結んで春隣

鬼やらいリップクリーム貸したげる

早春や秘めた想いをチョコに載せ

まぶた閉じ2月の睫毛恋してる

菜の花忌司馬遼読んだことがない

春遠し十円ハ ....
顔見知りの男が死んだ

いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた

そんな一人の男が死んだ




よくある話しだけど
おんなが二人いた

別れた奥さ ....
時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど

いちまばたきが 
      およそ一秒
 ....
オーケストラの調律の基本となるのは
オーボエの出す440HzのAの音程

オーボエは音程の不安定な楽器であるのに
ただ音程が聴き取りやすいために
その任を担わされる

しかしコンサートマ ....
もう涙は掛け値なしに流せないので
からだではなく こころが不自由
ほのかな明かりのみえる夜の余白に
やせた色彩の春がさまよっている

空気の中に弱弱しく感じられる
感傷的な気持ちの余韻を丸 ....
なにかの映画で見たような
あてのない線路
そこには空も海もなく
心地よい孤独だけが転がっている
空き瓶の中で
春が雪に変わり
冬が死んでゆく
廃駅のベンチに腰掛けると
一匹の猫がすり寄 ....
{引用=テーマ/SF(サージカル・フィクション)}
 こないだのGO

雪国まいたけのGO(*)は
思慮を醸した声音が好ましかった
がついこの間出ていたGOは
顔面が何か不自然で
目元が ....
子供のころ

ブランコを漕ぎながら目をつぶり

どじょ〜、どじょ〜、と叫ぶと

気持ちよくて好きだった


なぜ

どじょうだったのか

それを思い出すたび

胸に痛みが ....
こんな朝に
カラスのカの字もありゃしない
太陽はふやけた面の木偶の坊だ
白い国道の上
黒いおまえは完全に死んでいる

暗がりのおまえは
いつも何かを舐めていた
おまえが前を横切る時には ....
私は霊だ 唐突だが気づく
年を重ねて老いてなるわけでもなく
生まれつき 霊だ
霊と肉体の合体で
動かしているのは心
じゃあ 私って誰?

肉体を授かり 名前を授かった
その負う この世 ....
一握りの金持ちの為に
何人もの貧乏人が苦しむ
富の再分配が必要だ。
Give us job to live.

人の温もりが欲しい。
互いに愛し合い。
大切にして欲しい。

鍵のない ....
テーブルのチェス盤を
ホームレスの男が布きれで拭いていた
ジュースや鳥の糞をこすり落とし
手でベンチの砂を払う

彼は物乞いではなかったけれど
ここに通う常連は
ヌードルやスナック、財布 ....
異国の食べ物から立ち昇る 
 由来も行方も知らぬ物語

リズムがつかみきれない 不可思議な音楽に跳ねながら、
 細密な砂嵐のように 体を包み込む芳香 
  

風土と血に練りこまれ ....
生きるのは痛い
北風の切っ先
酷暑のサンドペーパー
でもこたえるのはむしろ 肉体よりも 心

人々は 視線の剣を結びあいながら
肩を怒らせて 通りを行き交う
道端の植え込み 鳥たちは 素 ....
頬杖をつく
頬杖をついたところに魚が生まれる
机の地図をそよがす尾びれ
三秒とたたず
世界を跳ねまわっている
少し寒い(少しでなくとも寒い)冬の日は
暖房のスイッチへ泳ぎ着く
小銭がたま ....
歩くのに疲れて
たどりついたところに
バスの停留場があった

時刻表に記された時間は
呆れるほどのまばらさだった
古めかしく
ところどころ錆びに侵食されて
そもそもちゃんと
機能して ....
無様に云おう
大昔といってもたかだか三十年前
美しいと思ったのは夕焼けのグラウンドと年上の女

たった今雪が止んだ
街はおもちゃを取り上げられた子供
掃除も終えた休日
定番の秘密主義者は ....
早起きしトコトコ山を登り
見晴らしの良い場所で
うんと息を吸うと
朝の新鮮な空気に
満たされたような気がして

ぼぉうと吐きだすと
昨日までの
凝り固まったしこりまで
山の空気に流さ ....
取るに足らない枯木に
カシミア混の古いコートを着せて
目抜き通りのほとりで
タクシーを拾おうとしていた

通り過ぎていくのは
回送の名札を得意気につけた
ハイブリッドな北風ばかり
 ....
人さし指を 探しています

誰かを指さして
不幸を笑う人さし指ではなくて
指と指の先を
そっと合わせれば
心のバッテリーが静かに充電されていくような
そんな
人さし指を探しています
 ....
デリカのハイル−フが僕の儚い夢を載せて走っていたあのころ

僕は孤独だった

家族に見捨てられて行き場のない猫のように彷徨っていた


はしごをはずされた愛という幻想を必死で ....
神などいない
人間がそれを必要とする以上
絶滅しないだけのこと
世界がいくら愚かしく回っていようと
蒙昧な信心にすがるほど人類はもはや
無垢ではないし社会機構も粗野ではない
人間はただ神を ....
お世話になっております
お世話になっております

ありがとう
どうも

すみません
こちらこそ

よろしくお願いします
よろしくお願いします

うーす
おすー

寒い ....
まだ幼い頃
家族で夜の海へ
泳ぎに出たのだろう
若い夏草のような
家族で
私は玩具のように
小さな浅黒い生き物
だった

海もまた
生き物だと
生々しく感じたのも
それが初めて ....
木原東子さんのおすすめリスト(877)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨とプッチと毛糸玉- そらの珊 ...自由詩14*12-2-23
_- 番田 自由詩512-2-23
人の数だけいろいろあるけど- ただのみ ...自由詩20+*12-2-23
平行線- HAL自由詩712-2-22
意見- 小川 葉自由詩512-2-21
みみ- そらの珊 ...自由詩26*12-2-21
俳句2012_2月前半- 北大路京 ...俳句14*12-2-20
奈落のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*12-2-20
時計のない国で- そらの珊 ...自由詩10*12-2-20
440Hz- HAL自由詩1112-2-20
春が来る- 瀬崎 虎 ...自由詩1*12-2-20
レール- アズアミ自由詩312-2-20
アズ_タイム_GOズ_バイ- salco自由詩7*12-2-19
ブランコの思い出- 吉岡ペペ ...自由詩412-2-19
ジンクスが死んだ朝- ただのみ ...自由詩25*12-2-19
流されない- 砂木自由詩13*12-2-19
Dream- ペポパン ...自由詩4*12-2-19
返事- mizunomadoka自由詩412-2-19
スパイス- いねむり ...自由詩312-2-19
末路- まーつん自由詩9*12-2-19
指先- 理来自由詩15*12-2-19
みちのり- そらの珊 ...自由詩14*12-2-19
日曜を呼び出して左フック- 民次郎自由詩412-2-19
光の糸- 灰泥軽茶自由詩4*12-2-18
春のタクシー- nonya自由詩20*12-2-18
充電器- そらの珊 ...自由詩20*12-2-18
接続先- 梅昆布茶自由詩1912-2-18
無神論者の為のキリスト- salco自由詩5*12-2-17
赤い言葉で- euyih自由詩312-2-17
黒い海- 真山義一 ...自由詩40*12-2-17

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