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特別な時が終わり
あなたは宴を胸にしまった
遠のくのではなくはじめから遠く
その遠さの上を行き来していた
うたや笑顔や踊りが過ぎ
原や道や水たまりが
火と響きを片目にしまった
 ....
音をつまみ
降りてくる
曇の端に
奏でられるとき


わたしのなかの
水であるもの
いつわりをとく
筆を洗う


ふりつもる底
浅い水紋
沈みひろがる
音を見 ....
雨を見る蝶
草を分ける黒い道
滝の音にふりかえり
光が空を割るのを見る
西の半分がとても暗く
夜風は水のにおいになってゆく



壊れた傘が
春を乗せたまま川を流れ ....
言葉の無い場所から
降るむらさき
雪になっていく雨



きらめく細い
棘の氷
原を埋める
雲と同じ色たち



誰かに向けられた心と
他者のための方程式
絵 ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている



わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
光の傷の足跡でした
小さくまぶしい姿でした
川はあふれ
流れはくちびるのかたちをして
水と土とを引き寄せるのでした


流れの音は
光の花の緑をしていて
過ぎてきたどこか ....
突然の雨に驚き
空気が動き
生まれた風は
生まれたときから不機嫌でした


埃っぽい路が
陽や曇を浴び
濡れた光を浮かべ
空を見つめているのでした


蜘蛛でも ....
砂が生まれる日
冬から白が去り
見える風が座す
冷たいまなざしの
不透明たちが



空白に入り
空白を満たす
水のなかの息
満たされてゆく空白
消え ....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり



雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道



はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....
十二月は
窓にいて
ためらいながら三月を見る


とらわれのわけを知る名前
葉と葉のはざまにある名前
遠い火の列
風を咲かせて
すぎてゆく列


知らない花 なびくよ ....
ひとつかみ自由に
まわり道またいで
冬の髪ひとふさ
歌うように近づき
消え 現われ 消えつづける


夜のつなぎめ
凍える火から放たれて
ふるえる白
混ざらぬ白
冬山の ....
動かない音が迫るときはいつも
道の肋骨を歩いているときだ
誰にも気づかれぬまま
逝った道の



無色の夜の分身が
道の骸に降り立ちて
小さな手足をのばしては
照り返 ....
そこには居ないものの影が
たくさんの影に混じっている
やわらかい草と硬い草の境いめを
音はまぶしくかき分ける



紫に囲まれた桜色の道を
ふたりは手をつないで歩い ....
手をひらき
髪の葉に触れる
手をひらき
道の葉に触れる
手をひらき
手をひらき
離れゆく光の手に触れる



巣にかかった糸くずを
蜘蛛がじっと見つめている
 ....
雨を壊して
ななめの空
抄いとる角度
つばさてのひら



蜘蛛の巣 しずく
あおみどり
浮き沈む空
つばさてのひら



ふたつはひとつ
ひとつはふ ....
崩れ落ちた家のなかに
階段だけが残っていて
空にささやく
みちびきよ
みちびきよ



夜の路の先の先に
地を照らせない街灯があり
空にささやく
みちびきよ
みちび ....
階段を下りてくる人たちの
足から上が見えない瞳
春に消えた白猫の
老いた背中を野に見る瞳



からになった犬小屋で
じっと何かを待っている音
とめどない霧と霧雨のなか ....
八月の背中を歩いていると
目の前で空気が寝返りをうち
その色にその場に立ちすくむ



秋のそばの道を歩いていると
水のようで水でないものが
いくつもむこうからやって ....
枝から枝へ
したたる雨のむこうに
遠く島が浮かんでいる
曇が海をすぎてゆく
光が枝を照らしている
雨はひと粒ずつ消えてゆく



ゆっくりと目覚めるひとを見つめること ....
ゆっくりと明るい雲がせり上がり
それ以外の雲は皆うつぶせになる
降り止んだ雨は灰色
降り止まぬ雨は金色
とどまらぬ色とどまらず
とどまらぬ音ふりそそぐ



小さいものが
 ....
見えない光のなか
両腕をひらくと
波打ち際に
捧げものが打ち寄せる
まわりつづける羽の窓
羽のかたちに燃える窓



光を赦す声を背に
風に濡れて立っている
捧げものを抱 ....
旅立ちの道は心地よく
熱を残していたのに
いま太陽の下の冷たさは
独りの歩みを空へとつなぐのか



願いに満ちた足跡が
雨のなか消えることなくつづき
標のようにまたたいて
 ....
ある日 私が見捨てた鳥が
私の目のなかに棲みついて
朝は右目 午後は左目と忙しい



ある夜 視線が重なったとき
鳥が見るもの
私が見るもの
憎しみにそんなに違いは無く ....
小さな部屋から
見上げた夜空に
架空の乗り物
架空の星座
笑みのように燃えては飛び交う
カーニバル
カーニバル コンテニュー



小さないのち
小さなかたち
散り急ぐ ....
鳥と世界が
左目を語ってやまない
他のものが皆
目を閉じている夜も



砂浜では
さまざまな色をした風が
透明な凧をあげている
砂の羽が
ひらいては散る
雲が波に近づ ....
雨が近づき
誰もいない
贈り物を捨てた



霧に立つ
赤と白の脚
ひとつの弦を聴いた



動かない虫
窓ごしの雨
深緑の声



夜は去り
水は残り ....
雲の傷を見つめ
花の傷を見つめ
夜の風に会う
川と光
野をさする指



草に埋もれた門のまわりを
月の光が
何度も何度も踊り巡り
いつまでもいつまでもやめないので
誰 ....
のぼれない日を
のぼりゆく砂
昨日に落ちて
明日に落ちて
ぱらさら



明るくやさしい
何も無さに囲まれ
花がすべて落ちたあとも
木は黒々とかがやいて
ぱらさら
 ....
ひとつのからだが
草の夜を重ね着て
水の夜に浮かんでいる
舞はとどく
舞はすぎる
喉を 胸を 腹を 脚を
声はおりる
声はのぼる



知るはずもない見知った森を
わ ....
空の鋭角
小鳥は啼く
野の終わりのしるし
小鳥は啼く



碧のようで
碧ではなく
ひろびろと
緑に傾く石



路から空まで
はばたきは水から離れない
 ....
松本 涼さんの木立 悟さんおすすめリスト(34)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(冬からの手紙)- 木立 悟自由詩607-4-13
ノート(ひとり_うつわ)- 木立 悟自由詩706-10-26
二季夜香- 木立 悟自由詩606-5-23
三華遠季節_Ⅲ- 木立 悟自由詩606-5-8
ノート(枕魚)- 木立 悟未詩・独白1105-11-1
けだものと覆われた子- 木立 悟自由詩1305-10-31
午後のはじまり- 木立 悟自由詩905-10-9
虚行路- 木立 悟自由詩605-10-8
ノート(道)- 木立 悟短歌805-3-21
去音- 木立 悟自由詩405-3-16
小音- 木立 悟自由詩205-3-11
ノート(吹光)- 木立 悟自由詩205-1-31
ノート(ふたり)- 木立 悟自由詩804-11-28
小さな手- 木立 悟自由詩6*04-11-25
ノート(つばさてのひら)- 木立 悟自由詩304-9-17
みちびき- 木立 悟自由詩704-9-13
ノート(瞳・音・もの)- 木立 悟未詩・独白204-9-13
ノート(日常雑記)- 木立 悟未詩・独白404-8-30
ノート(曇火)- 木立 悟自由詩404-8-30
残季(溢光)- 木立 悟自由詩604-8-16
降り来る言葉_XV- 木立 悟自由詩204-7-27
終巡- 木立 悟自由詩404-7-26
ノート(私が見捨てた鳥)- 木立 悟未詩・独白504-7-22
ノート(カーニバル)- 木立 悟未詩・独白504-7-22
行方- 木立 悟自由詩404-7-21
ノート(贈り物)- 木立 悟自由詩604-7-20
夜野指- 木立 悟自由詩604-7-16
ノート(砂音)- 木立 悟自由詩204-7-14
土と鏡(わたしとけだもの)- 木立 悟自由詩304-7-13
緑宇_Ⅱ- 木立 悟自由詩404-7-12

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