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母国語を持たない人々の
差し出す別のコトバが
手渡されたそのとき
息吹の記憶をよみがえして
ひとときある音色をなす。
光を触知する盲目の{ルビ蟾蜍=ひきがえる}は
いつまでも舌を伸ばしつづける。
私たちの知り得ないなにものかが
呑み込まれたそのとき
時間は蟾蜍を自らの鼓動に流し込んだ。
深さ が 粉末 となり、平面 に 降りつもる朝、
夜のあいだ、萎縮を続けてきた 重い線 は、
あちこちで弛(ゆる)み、細長い悲鳴の波は 重なって、
少しずつ、解放され、広がる。
聴く 耳 ....
言葉の裏側は、足の指のような不揃いさで、
感触 呼吸と名付けられた ふわりと
羽根を広げる 鳥のような舌 見上げられる影 のように歩き
足音 おそらく成長の凍え 沈着と 隣り合わせの揮発
重曹 ....