すべてのおすすめ
湯船のふちまでお湯を張る
そっと揺らさぬように
しずかに身を沈めると
溢れ出たお湯が
洗面器をさらった


体の芯がやわらかくなるまで
ゆっくりと数をかぞえる


  幼い頃
 ....
ヒガンバナが咲いていたのを覚えていますか
赤い花
夏の終わりを縁取り
秋には倒れ
文字通り倒れ
それから細い葉をあおあおと
そこに広げていたのもご存知でしょうか

やがて季節は冬を迎え ....
君のセーラー服のスカートの
いわばちいさな海のようなプリーツと
さっきからずっと飛び回っている
黒いちょうちょの羽についている窓に
使い終わった水彩絵の具のパレット
みたいな夕暮れの ....
 終わり

やがて
空が蒸発する

  僕は無機質になる


やがて
風が風化する

  僕の最後の灯し火を消す

終わりの時は
最初から始まっている

  僕は知らな ....
みずから
無数の眠りと共に飲み込まれ
問われないおんなの言葉は
眼を閉じながら
日没よりも静かに
日没よりも永く
海底の無色へ沈みます


ああ、もう間に合わない、
皮 ....
貴方の
意味なんてない
と挑発する詩を読んで
心が
ざわっと動いて

コメントを書いていたはずだった
のに
手元が狂って
書いている途中で消してしまった

あぁ、なんだよ

 ....
{引用=死ぬ気になれば何でもできる…

それは瀬戸際に立たされたことの無い人間の言葉}


新地に棲んでいた頃の母を良く知っているといって
狐目の男が自宅を訪れることがあった

その度 ....
髪を肩の上で切った
さらさらと春の風に遊ぶように
前髪はまゆの5ミリ上
広い空が見えるように


あらゆるものが芽吹き始める
一週間で空の色は変わっている
恋に似た気持ちを
だれかに ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように

もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
  
友だちは
ついにあなただけだ!

と妻に言ったら
きゅうにあほらしくなって

けれど、四歳の息子に
まだ友だちがいないことに気づいて

お父さんと
友だちにになろうね

 ....
音符が遊ぶようにして電線をくぐり
時折、絡まってはファルセットになる
美しく奏でるための


言葉たちは、そうしていつも
行き先を探していて
夜、は手招きをはじめる
屋根、そのオクター ....
ありのままに
よごれていけたら、いいね

きっと、
すべてを
にくめぬように
そまればいい、
ただ

たとえ
だれかが
よごれ、とよんでも
それはかならず
うつくしい ....
堅い梢から
白い気泡がぷつぷつと生まれて
二月の空に立ちのぼる

それは
君の唇からもれる
小さな温度に似ていて
僕の尾ひれを
とくん、と春へかたむける

ふらりと現れて
はな先 ....
 
素数って
なんだろう

素麺みたいなものだろうか

こどもの頃
母は休日になると
素麺をつくってくれた

ぼくは
いつもわりきれない気持ちで
それを食べていた

世の中 ....
一呼吸置く、世界だったり


待ち人は来なくとも
息は吐けます
卵の丸みを写してみた紙には
吸い込まれそうな白さはどこにもないのです

変容のない毎日です
僕らは生まれていますでしょ ....
世界に追いつけないでいるわたしに、椅子が用意され
明日という不在について語れと言う
目を閉じたときにだけ、
かつて捨ててきた言葉たちが 戻ってくる



根を、そこここに生やしては 日々 ....
なつかしい声がする
し、と、す、のあいだ
あなたが人差し指で押さえた
かすかなつぶやきのように


わたしの中で目覚める
し、と、す、のあいだ
声にならない言葉があふれて
あとからあ ....
1
そんな風に眠ってると
まるで猫みたい
体を丸めて
背中がゆっくり動いて
でも
これは過去の記憶

2
涙って
涸れることがないのね
いつまでも流れて
ほら
スープが薄まっ ....
 
おとなの勝手な事情で
離れ離れになってしまった人には
当たり前のようだけれども
子供の頃に出会っているものである

勝手なおとなになる前に
離れ離れになってから
その人はいつまでも ....
漆黒の髪ゆらゆら
白い肌に触れたい
風だけがわたしの気持ちを運び
雨だけがわたしの代わりに咽び泣く

その袖を掴むことも出来ず
あなたは何処へわたしは何処へ

言葉にならないこの思いも ....
工事現場に木漏れ日が舞って
例えば、私なら
指差したりするような時間
風上から流れるのは
どこかの夕飯の匂い

昨日より長い夕焼けが
何より、確かな時間を告げている
 ....
空に浮かぶ星に自分の名前をつけても
決してその星を手にすることはできないように

ただ遠くから眺めることしかできなくて
諦めることしかできないこともある

               ....
真夜中に
目が醒めて
また哀しい夢を観た

いつも 
同じだ

寝室には鏡を置かない
目が合うと
わかってしまうから

昼間の私が
全部嘘で
もう
誰も信じてなくて

 ....


恋にはあなたが必要だ
あなたは僕を和ませる
愛にはあなたがかかせない
あなたのために僕は苦しむ




あなたがいくつ歳を重ねようと
ぼくはあなたの若い歳しか覚えてい ....
ふたりで羊羹に入ろう
思い立って三軒目のコンビニで見つけた
消しゴムふたつぶんくらいの小さな羊羹を
にゅるっと皿の上に出す

安物でいいのかと聞くと
羊羹ならば構わないと言い
ゼリーでは ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
オフィスで
若い娘に話しかけられ
とくに意識しないで冗談を言ったら
彼女が笑う
オフィスの高い空にそよ風が吹く
彼女との間に会話が流れだす
途端に意識すると
ぼくの胸に雲が発生する

 ....
 
はじめて会った
日のことを
よくおぼえていない

それくらい
はじめて会ったような
気がしなくて
その日からぼくらは
いつも一緒だった

友だちだった
恋人ではなかった
 ....
電車のドアが閉まる

それを見送る

乗るべき電車は
まだ来ない



僕の帰る町にも
やみそうでやまない
雨は降っているのかしらん



「あまりよく知らない人たち ....
ああ夢みたいだ
のみこんだ群青
ぼくを加速させる
きみは幾度も
刹那を待ってる





ながめる宇宙は
果てしないが
ぼくがいる世界は
ここにある
きみの瞳には ....
かんなさんの自由詩おすすめリスト(1283)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
浴室- ことこ自由詩11*09-2-12
春一番と彼岸花- 小池房枝自由詩609-2-12
さよなら春の日- アヅサ自由詩9*09-2-11
終わり- 乱太郎自由詩15*09-2-10
完璧な涙- A道化自由詩609-2-10
零れてしまった言葉- kauz ...自由詩6*09-2-8
新地のひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*09-2-8
異形の季節- はなびー ...自由詩409-2-8
決意- たりぽん ...自由詩9*09-2-7
友だちが欲しかった- 小川 葉自由詩709-2-7
美しい夜- さくら自由詩22*09-2-6
ありのままに- 千波 一 ...自由詩21*09-2-6
置き文- 佐野権太自由詩26*09-2-6
素数- 小川 葉自由詩409-2-5
御覧のように- 霜天自由詩509-2-4
未完の、ソネット_「春」- 望月 ゆ ...自由詩23*09-2-4
雪に踊る- 石瀬琳々自由詩8*09-2-4
残響- 風音自由詩509-2-3
おとなの事情- 小川 葉自由詩209-2-2
飼い猫- 浅井実花自由詩4*09-2-2
空、ひと- 山中 烏 ...自由詩8*09-2-2
澄みわたる夜空- kauz ...自由詩6*09-2-1
うつしみ- umineko自由詩10*09-2-1
あなた- 乱太郎自由詩20*09-2-1
羊羹- 自由詩809-2-1
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
臆する- 殿岡秀秋自由詩309-1-31
あなたは僕の- 小川 葉自由詩309-1-31
駅で待つ- 飯沼ふる ...自由詩509-1-30
のみこんだ群青- ゆうと自由詩5*09-1-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43