すべてのおすすめ
せみがいないとおもったら
いないのは
せみだけではなかった

それではなにが
いないのかとおもったら
せみだけのようなきがした

せみだけをおぼえてる
ひぐらしの
かな ....
あるひきみは
ねむらないことにした

さみしくなったら
おいでよ
いつでもきみを
なぐさめてあげるから
と、いって

なぐさめられるりゆうなど
そのときぼくにはなかった ....
ニュースにおわれて
おいかけて
ここまで
はしってきたけれど

ふりむけばまだ
あるとしんじている

あのまちをまだ
このめでみていない

ニュースでみた
さまざま ....
ていでんのよる
きみとみていた

あのよぞらを
わすれない

ほしでみたされていく
あのよぞらを

いきのびて
みていたよるを





せいぎのみかたは ....
解けない誤解なら
いっそのこと
編んでしまえばよかった

美しい
セーターにして
きみに贈ればよかった

ありがとうと言ってくれた
その嘘も
本当のことも
 
 
一人暮らしするのだと言って
秋が家を出ていった
おかげで夏が終わると
すぐに雪が降るので困ったけれど
お盆とお正月だけは帰ってくれるので
夏は涼しく冬は少し暖かかった
一人暮ら ....
私は私の、古い影を。地面に落とし、新しい光をさがしに行く、きっと壊れた匂いが、地平線の辺りに溜まっている、すべてはそこに。向かっているのだ、と、創造上の世界で。想像上のあなたが、私にも言う。  
 
ときのほとりで
さかなつりをした
たくさんつれたけれど
いっぴきもつれないひもあった
さかなはつまがりょうりした
おいしいとつたえた
たべないひもあったから
あいしてるとつけ ....
 
 
もうだいたい
春になったので
よしと言って
神さまが立ち上がる

立ち眩む
夏になると
いつものことだと
神さまが言う

もうだいたい
人になったので
よしと言って ....
 
 
ひとはうまれたとき
いちばん
しゅっせしてる

ぶちょう
とりしまりやく
ひっとうかぶぬし
それどころではない

このせかいで
さいこうのちいを
ひとはうまれたときに ....
 
 
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる ....
 
 
こどくであることが
きんじられているのだから
むれている

たけばやしで
たけはかぜにゆれている
みずからのかっとうに
かぜはとてもよくにている

あるばん
たけばやし ....
 
 
息子が
ひらがなを
逆さまに書いた

いつから僕は
鏡の世界に
いたのだろう

左から分けた
髪が右に
そよいでいく

街宣車の怒号も
静かな春に
よく馴染んで ....
 
 
恋をしたのだと
人に告げると
恋はなぜか
はかなく散る

だから僕は
無人駅で
一人列車を降りた

切符は思い出に
コートのポケットに
恋の日付が
記されたまま
 ....
 
 
声が聞こえる
とても遠いところから
すぐ近くから

ここにいるよと
声が聞こえる
わたしの隣の席から

贈り物が届いている
箱を開けると
欲しかったものばかり

微 ....
 
 
やすみなさい
明日できることは
明日の楽しみ
だから
取っておきなさい

おやすみなさい
眠る君に言う
起こさないように
明日の君の
幸せのために

今日できること ....
 
 
なにも無い
遠いところから
君はやってくる

名前を持たずに
やってくる
君の名前を考えている

夜十時で閉店した
ジャスコの二階フロアを
エスカレーターの下から
少 ....
 
父さんが
なれなかった父さんに
なろうと思う

父さんは
自動車が好きで
僕は
自転車が好き

自転車に乗る
父さんを
僕は見たことがないし
自動車を運転する
僕を父さ ....
 
 
ろくでなしの父親が
息子が来年
六歳になる頃には
幼稚園に行かせてやると
飲みながら大ぼらをふいて
株価を上げようとしている

職場では
仕事をどんなにこなしても
それが ....
 
 
お正月
母の実家から見える
山脈の麓にスキー場があった
数キロ続く田の先にある
駅前の街のそのさらに数キロ続く
田の果てに
スキー場が見えていた

とても遠いところなのに
 ....
 
 
命がひとつあった
命なんていらないと
思ったときもあった

命がふたつあった
どちらかの命が
残ればいいと
思った恋もあった

命がみっつになった
みっつすべて
残ら ....
 
 
落書きが欲しくて
お金を渡すと
気軽に売ってくれた
壁のような人が
また何かを遮るため
無表情のまま立っている
それを見ている
人のような壁が
落書きの中にいた
壁のよ ....
 
 
庭の外に
泣いている人がいる
君の友達だったかもしれない
それは秋の虫だ

りんりんと
しんしんと泣いている
まだ死にたくなかったのだろう
泣く声は、鳴く声になって
いと ....
 
 
ひさしぶりに
裏庭を見ていた

貝殻や
魚の死骸が
たくさん漂着していた

いつのまに
海が来ていたのだろう
命はまだ
こんなにも
満ちているのに

干潮の砂浜を ....
 
 
こうちゃんがいる
淹れたての
紅茶の湯気の向こうにいると
寝言を言って
祖母は祖父を追うように
逝ってしまった

けれども祖父は
こうちゃんという
名前ではなかった

 ....
 
 
生まれたばかりの
息子の写真を
四歳になったばかりの
息子に見せて
これは誰
とたずねていた

すると
赤ちゃんとこたえる
でもこれがおまえだよ
とおしえると
にわか ....
 
 
言葉にならないことを
言葉にする
しなければならない
そんな時
壊れやすいものを
投げつけて
壊してしまった
そのことを
生きてるだけでいいのだと
ゆるしてくれた
生き ....
 
 
土曜の朝から
日曜の夕方まで仕事をして
家に帰ると
妻と息子が家の前で
途方に暮れて立っていた

買い物に行こうとして
鍵をかけて抜いていたら
鍵が折れてしまったのだと言う ....
 
 
愛について考えると
わたしは道になっている

頭のてっぺんから
つま先まで
世界のあらゆる道になって
人々がわたしの上を歩いている

あなたが歩きだすのを
ずっと待ってい ....
 
  
愛という字を
上手に書けないまま
この年齢になってしまった

心が大きくはみ出したり
小さく遠慮して
収まってしまったり

愛という字は難しい

昨日久しぶりに電話し ....
かんなさんの小川 葉さんおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蝉のいない夏- 小川 葉自由詩711-7-19
僕らの失敗- 小川 葉自由詩411-3-30
ニュース- 小川 葉自由詩411-3-23
余震- 小川 葉自由詩1211-3-13
美しい誤解- 小川 葉自由詩6*11-1-19
一人暮らし- 小川 葉自由詩2*10-10-7
地平線- 小川 葉自由詩3*10-7-6
時のほとり- 小川 葉自由詩610-5-31
夏のゆらぎ- 小川 葉自由詩2*10-5-23
出世- 小川 葉自由詩310-4-30
とり- 小川 葉自由詩810-4-27
竹のはな- 小川 葉自由詩710-4-24
静かな春- 小川 葉自由詩410-4-19
春の切符- 小川 葉自由詩3*10-4-13
春の席- 小川 葉自由詩510-4-6
おやすみなさい- 小川 葉自由詩3*10-4-4
- 小川 葉自由詩5*10-3-12
父さんがなれなかった父さんに- 小川 葉自由詩1409-11-17
ロク- 小川 葉自由詩6*09-9-15
スキー場- 小川 葉自由詩709-9-14
みっつ- 小川 葉自由詩809-9-5
かべ- 小川 葉自由詩8*09-9-5
秋の虫- 小川 葉自由詩509-9-1
秋の裏庭- 小川 葉自由詩1009-8-27
紅茶が冷めるまで- 小川 葉自由詩4*09-8-25
イデアの影- 小川 葉自由詩9*09-8-21
夏の命日- 小川 葉自由詩409-8-19
愛鍵- 小川 葉自由詩709-8-11
ひらめき- 小川 葉自由詩509-5-10
愛という字- 小川 葉自由詩809-5-6

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