世界に追いつけないでいるわたしに、椅子が用意され
明日という不在について語れと言う
目を閉じたときにだけ、
かつて捨ててきた言葉たちが 戻ってくる



根を、そこここに生やしては 日々 ....
なつかしい声がする
し、と、す、のあいだ
あなたが人差し指で押さえた
かすかなつぶやきのように


わたしの中で目覚める
し、と、す、のあいだ
声にならない言葉があふれて
あとからあ ....
手のひらで乾きつつある血の色や
頬についた砂つぶ
それを指で払い落とす

あの
ざらざらとした手触りに
あの
深さをまして沈む色に
瑞々しさはあって
血の色が
紫がかっていた
だ ....
世界中にあふれている
たくさんの言葉たち

きれいな言葉
やさしい言葉
愛にあふれた言葉

どれもみんな素敵だけれど
でもちがうのよ

私が探しているのは
胸にかちりとはまる
 ....
1という字のように立ち 一という字のように眠れ 孤独な無限



0なんて発見するからいつまでも君の不在が消えないままだ



ON/OFFのあいだに広がる宇宙にて親指は祈る メール、 ....
不意に、もうひとり帰ってくる気がする


母は家にいて
私も家にいて
弟が帰ってきて
もうひとり弟が帰ってきて
それから父親が帰ってきて


机に張り付いて私は耳を澄ま ....
音を写真で撮ってみたい。

それは、きっと。

声を失うほどに、美しいだろうから。
真夜中に
目が醒めて
また哀しい夢を観た

いつも 
同じだ

寝室には鏡を置かない
目が合うと
わかってしまうから

昼間の私が
全部嘘で
もう
誰も信じてなくて

 ....
未成年が
足を引っぱるには幼くて
夏の真ん中は撹拌された

期待通りの{ルビ化学反応=ハロー・グッバイ}
急回転からの{ルビ摩擦熱=ロマンティック}

  ばっかみたいだ
  ばっかな ....


恋にはあなたが必要だ
あなたは僕を和ませる
愛にはあなたがかかせない
あなたのために僕は苦しむ




あなたがいくつ歳を重ねようと
ぼくはあなたの若い歳しか覚えてい ....
月にいるなんて嘘だけど
月に行きたいとは、おもうのよ

でこぼこの地面の上で
みんなに見られながら、お餅つき。

なんて、素敵じゃない?


寂しいと死ぬなんて嘘だけど
寂しいとは ....
ただ

あなたの手に触れたいだけなのに

デジタルな世界は

こんなにも


遠い
むら雲の輪郭を
指でなぞれば
切りすぎた爪のあいだにも
入り込む冷気
雪のうえに取り残された
林檎のかおりは
まだ風のなかに漂って
わたしを追い立てる
明らんできた外界の
塀のうえに ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
心地よく 温かく 暖かく

ああ 遠赤外線よ もっと 僕らを温めておくれ

遠赤外線よ 遠赤外線よ 僕らを温めておくれ

燃やしておくれ 鳴いておくれ
僕らを清めておくれ

じんわりポカポカ
じんわり ....
東から西へ
クリークのような商店街の上を
滑空する

コンビニの角を南に曲って
コソコソとパチンコ屋へ向かう
八百屋の若旦那を左目で見ながら

西から北へ
生易しい北風を切り裂く ....
今日を終えてみちみちと降ろす帳はない

灼けた骨を畳み
剥き出しの眼球また漬けて
華奢な脳漿を保管する

教示せよ本日!
何を機能してあすと云う

また

一文字真に受けた
 ....

真っ赤な口紅をひいた唇が
びちびち びちびちと
突然せわしなくふるえだしたかと思えば
西の空へ泳ぎ逃げてしまった。

あの日からわたしは言葉をなくした。



赤が右鼻から垂 ....
ぽこっと開いたコンクリートのくぼみに
しとやかに雨粒が埋められてゆく
雨粒はくっついて水たまりになり
ごうごうと吹く風に水面を泳がせている



ほら この大きな木
わたしよりもうんと ....
 マクドナルドの隅で自慰をして
 汚い安食堂のうどんで身体を温める
 指の指紋が剥がれるくらい
 心が痩せて
 今日も化粧のノリが悪過ぎるわ

 明日が春で
 あさっては春
 ....
ひかり/ぶれている、腕
扉の向こうでは
誰も彼もが微笑んで
私を見つめている


頬の肉が
引きつって千切れるほどの衝動

愛想笑いも
程々にしなくては、という ....
まだ名づけられていない、
連続する瞬間で構成された時間を
拾い集めつづけても 
綴じるためのすべを、忘れてしまった



わたしたちは、かわるがわるに
世界を四角く切り取ったり
はが ....
夕暮れの水位は
さざなみ
浅い胸に、さざなみ
空白で埋めたはずの
小さな画布が
素朴に満ちてゆく

海面に浮かぶ
危うい杭に
うずくまる鳥の
膨らませた羽から
零れる文字のやさし ....
 
お見舞いにいくと
ベッドと見まちがえるほど
平らになっていて
痩せていた
祖母と手をにぎりあって
見つめあっていた

帰り際に
手をふった
なるべく笑顔で
いつものように
 ....
姑獲鳥 (うぶめ)


抱いてください 父を知らない不憫な子ですが
抱いてくれたら あなたに幸運が訪れます
身体が重いのは あなたの力を試すため
息が冷たいのは あなたの情を試すため
 ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる

それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
 
詩の一行一行に
花を咲かせたような
あの桜並木を歩く

僕には
名前を持たない
姉がいた

姉は木の行間をくぐり
幹の陰に隠れたのかと思うと
花咲き乱れる
か細い枝に立って ....
お前が汚れていくのなら
俺はお前の石鹸になってやる
お前のためにどんどん身を削ってやる
消えてしまいたいなんて言うな 俺が代わりに消えてやる
お前にとって俺は泡のような存在でもかまわないけど
 ....
猫は詩人が大嫌いだった。
詩人というものはやたらと猫を題材にしたがったからだ。
遠慮もなく猫を観察して、時には考え込むような仕草をする詩人が猫は大嫌いだった。

詩人は猫を観察するのが好き ....
大きな光、強い光

夜に入るまで

どこでなにをしてた

いちばんぼーしいみいつけたあ

闇に包まれることで

見えてくるものがある

これをだれかに伝えなくちゃ


ど ....
さくらさんのおすすめリスト(873)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
未完の、ソネット_「春」- 望月 ゆ ...自由詩23*09-2-4
雪に踊る- 石瀬琳々自由詩8*09-2-4
海の熱、鉄鋼の風- 水町綜助自由詩12*09-2-4
迷子- 未有花自由詩17+*09-2-3
number- 石畑由紀 ...短歌33+*09-2-3
もうひとり帰ってくる気がする- 因子自由詩20*09-2-2
オンサツ。- 狠志携帯写真+ ...509-2-1
うつしみ- umineko自由詩10*09-2-1
邂逅〜from_the_summer_upward〜- 伊月りさ自由詩4*09-2-1
あなた- 乱太郎自由詩20*09-2-1
うさぎの本音- 三奈自由詩17+*09-2-1
想撮空間「温」_あ__た__た__かな。- そらの  ...携帯写真+ ...6*09-2-1
(無題)- キキ自由詩709-2-1
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
美しい遠赤外線- 北大路京 ...携帯写真+ ...16*09-1-31
鳥瞰図- nonya自由詩23+*09-1-31
- カナシミ ...自由詩2*09-1-31
赤__(よん)- 容子自由詩509-1-30
雨、もよう- あ。自由詩2*09-1-30
若い女- ヨルノテ ...自由詩14*09-1-30
睡中魔- 山中 烏 ...自由詩4*09-1-29
未完の、ソネット_「遺」- 望月 ゆ ...自由詩17*09-1-29
素描- 佐野権太自由詩19+*09-1-29
トンボ- 小川 葉自由詩9*09-1-29
百鬼夜行詩_<11>- nonya自由詩6*09-1-28
美しいひと- 銀猫自由詩29*09-1-28
桜並木の詩- 小川 葉自由詩709-1-27
石鹸- 新守山ダ ...自由詩1209-1-27
猫と詩人- 自由詩2+09-1-27
この夜に- 吉岡ペペ ...自由詩809-1-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30