雨、もよう
あ。

ぽこっと開いたコンクリートのくぼみに
しとやかに雨粒が埋められてゆく
雨粒はくっついて水たまりになり
ごうごうと吹く風に水面を泳がせている



ほら この大きな木
わたしよりもうんと歳を取ったこの老木は
どっしりと根を張り枝を張り
足元の花を守っている



守られない花や草は
強すぎる風に身をゆだねるしかなく
今にも茎が折れそうになりながら
懸命に命を灯そうとしている




わたしはと言えば
持っている傘の骨は折れてしまい
右肩がずぶ濡れになってしまっているけど
泥がはねて足元も汚れているけど




文句を口にしてはいけないと
何だか思った


自由詩 雨、もよう Copyright あ。 2009-01-30 21:31:26
notebook Home 戻る