しがらみに追いつかれた
雨上がりの宵の口
ゆらゆらと裏通りを歩けば
アーケードの端にかかる立待月

前のめりのふりをして
探していたのは出口
つらつらと磨いた逃げ足で
袋小路に駆け込ん ....
{画像=080914080444.jpg}

木は両手を拡げて
わたしを暖かく抱きしめた
拡がる手の先には
青々しい梢がさらに広がり
そこでは緑の子供達が風に踊っていた

寝ころんだベ ....
            080913


ガス抜きを致しますと
クエン酸
パチンコ屋のご亭主は
幼児はお金がないから
遊べないよと
すげない顔して
駄菓子屋の親父に下駄を預け
古く ....
ゆっくりと
息を止めるように一日を仕舞う
箱の中のガラクタはいつも
明日になれば綺麗になっているから


ゆっくり、と
息を
ここ、に戻す
主のいなくなった
家の、傾き
通り沿い ....
生まれてすぐに言葉を食べた
降る雪のように冷たい言葉
それは小指の爪のように
やわらかく甘く
そっと僕の心臓に住まった


なんだか涙が出そうで
手のひらを握ったりしていた
つぼみが ....
手首をすぎる風の先に
向かい合う双つの枯れ木があり
雨に雨を降らせている



夜が増すごとに
熱は辺をゆく
遠くも近くも ただ打ち寄せる

朝の裾が笑い
見えな ....
 
 
かみさまという鏡のような未来は
ぽろぽろとこぼれながら
なにか悪い事を口にしかけて、
小さくなっていく産声
どうやらここは初めから
ちきゅうという
名前もないどこか遠いところ
 ....
ずいぶんと歩いていた 
ぼんやりとそれだけはわかる 

ふくらはぎの痛みの感覚は通り越して 
いつか読んだ本の陳腐なストーリーのセリフみたいに
「それでも行きたい先がある限り歩くんだ」 ....
テレビの電源を
オフにする
それだけでは
現実と私は切り離せない
と知ると
カーテンを開け放って
現在と対峙する

朝焼けも
夕暮れも
物悲しく過ぎた日の
言葉を吐くことを
一 ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
渚のざわめきは
ナトリウム灯のオレンジに溶けて消え
九月の海が
わたしの名を呼んだ

絹を広げたように
滑らかな水面が
夜の底へと続くしろい道を見せる

爪先からそっと水を侵すと
 ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが

どうして
美しくないと
思っていたのだろう

  みんなの中に居るか
  「だれ ....
無心でキャンバスに 筆をはしらせる貴方を
私はそっと見ていました
貴方に見つめられた林檎からは
つやつやとした淡い光と微かな香り
独占される幸福を身にまとい鮮やかに輝く

「終わったよ」 ....
なぜ傘など持っているのですか
こんなにも晴れた日に
あなたのことは分かっているつもりです
被害者だと思えばなんでもできます
私はあなたに何もしていないつもりですが
お前らの中に含ま ....
             080903



明日も良い天気
保障する
空約束と信じていたが
少し軽率すぎたようでした
宗谷本線
抜海駅で降りて
歩きだしたときは、よく晴れていて
 ....
       あいするそのひとは
       いのちあるひと
       あいするそのひとは
       ひかりあるひと
       あいするそのひとは
       うたのある ....
夏の余した最後の赤で
サルビアが燃える

風が湿気を掃い
柿の実がひっそりと
みどりの果実を隠していても
項を焦がす陽射しや
散水栓の向こうに出来る虹
そういう夏の名残りに守られて ....
しめった風が頬をなでるのをやめ、
埃のような雲霧が二人の呼吸を失わせていく
白くかすんだ記憶の中で
街灯だけは飴玉のように赤く潤んでいたが
  
  私はそこにいるはずなのか
  そうでな ....
地球を飼いたい
掌に乗るくらいの
小さな小さな地球があったら
わたしはそれを飼って
今度こそ
大事に大事に育てたい
毎日、綺麗な水をあげて
毎日、空気の綺麗なところで散歩をさせて
熱が ....
片手で空中にまるをつくる
親指をくちびるにもってゆき
その場の空気を吸い込む
恐怖も限界も肺にためつつ
決して傾かず真っすぐに息を吐き出す
履き心地の悪い靴なんて捨てちまいな  ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け

ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる

 満員電車とすれ違うたび
 何かが足りないような
 そ ....
いまは
ちっぽけな木の枝も
十年、二十年の歳月をゆけば
おおきく生長を
とげる

その、
生長をとげた木の枝のもと
だれもが心地よく
風に吹かれるような
あかるい午後が
 ....
 
庭の土を見てる
花ではなく土を
理由もわからずに

そこに横たわる
土の言葉で
言葉などなかったように
懐かしく対話する

知らない時を生きた
土の中に
句読点をさがしたら ....
きのうを飾る
わたしの言葉の裏がわで

だれかの爪が
あしたを研ぎます


 輝こうとする意思は
 ばらばらに統一された
 石として

 きらきら、と
 眠るのです
 ....
パリ、
バンコク、
アムステルダム
アブダビ・・・・

ひとりゝが克明に、
肌の毛穴を映し
【二十四】の顔たちが
闇に浮んでいる

それ等は瞬きをし、
呼吸し
ときには咳きこん ....
ぼくはこうして
かくれていますから
だけどそばにいますから

あなたがひとりを泣くよるに
ぼくはひっそりふうしゃをまわします
からからからとはしります
あたらしい風がふきますように
 ....
熱帯夜から放たれた八月のあなた
雨戸もガラス戸もカーテンも開けて
短い髪に風を受ける
シャンプーの香りがよせてはかえす
秋の虫が聴こえる
蝉の絶えそうな羽音も渇いたように
風がはためかせた ....
 
ニュースを繰り返す
缶蹴りの午後
配線のため

テレビを消す
敗戦が聞こえる
空に花が咲いてる

母はアンテナ修理する
一人しかいない
父を受信するため

カランダッシュ ....
{画像=080831113523.jpg}

私の中に
醜いなにものかがあって、
私が私であるようにしている。
私の中にあるなにものかを
しっかりと掴みだして、
目の前においてみよう。
 ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない


海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる


太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
 ....
さくらさんのおすすめリスト(873)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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木の枝- 千波 一 ...自由詩7*08-9-3
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