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手のひらで乾きつつある血の色や
頬についた砂つぶ
それを指で払い落とす
あの
ざらざらとした手触りに
あの
深さをまして沈む色に
瑞々しさはあって
血の色が
紫がかっていた
だ ....
瑞々しさ
かじかむ
手があれは
「かがやく町だったと言った
なにごともない町並み
を抜けてゆるやかに
傾ぎながら地下鉄は春の
空へ。出る駅前はぐるりといたる ....
あんた
さけ
のみなはれ
のみなはれ
ってうたってんのか
千葉の空が高い
ツーストのゼッペケのハチの羽音みたいな排気音も高く
犬吠埼へ行った昔
犬は ....
陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる
夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....