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ごらん、
きみのさかなは
もう
あんなにとおくまで
とんでしまえる
あめいろのひれは
けっして、
つばさには
なれないという
そんなでまかせで
まんぞくするのな ....
・庭園にて
裸足のままならば
何処にでも行けるのだ、と
喉から生えた腕が
口走っている
嘘吐きの元は、この腕です
そう囁く林檎をかじりながら
その腕を引き ....
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、
なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない
まるで
雲を思 ....
ひかり/ぶれている、腕
扉の向こうでは
誰も彼もが微笑んで
私を見つめている
頬の肉が
引きつって千切れるほどの衝動
愛想笑いも
程々にしなくては、という ....
ある日、玄関を開くと
そこは何の変哲もない2Kの部屋で
湿気た空気が満ち
黴の匂いが鼻につく
そんな場所になっていた
小さな靴箱には
靴や、 ....
一番星を探す
夕日に隠れた雀が
さえずりながら帰っていく、手のひら
親指から終わるあなたは
小指から始まるわたしの声に
ただ、耳を貸している
紫が雲 ....
・あいじん
雨の色に濡れる
言わば、瞳にも似たひと
歌うように憂うものだから
永久という箱に
追いやられてしまった
隠れる、ようにして
....
*AM4:00
朝が早い
青い鳥は見付からなかった
いつもそうだった
*AM3:00
戸締まりの仕方が分からない
声だけが湖になる
....
潮の香りがする
ふつり、と
食い込む仕草を
男だという
それに合わせ
ざらついた表面が騒ぎ
私は
頬を赤くする
その一連 ....