この街でいちばん美味いという
来々軒のラーメンを食べていたら
いつまですすっても麺が途切れない

適当なところで喰い千切ると
あなたはひどい人だ
という声がした
たぶんメンマが言った ....
キミに届く少し手前の感じが好きだ。
予感が確信に届く前に一瞬見せるアノ表情が。
特別な秘密なんて必要ない。誰もがやっているように息を止めずに目を閉じるんだ。

懐かしさと夏の日差しは常に同 ....
命をわけたシャボンが
あまねく広がる田の空を
おもむろに這いのぼる

シャボン、シャボン
あなたを見上げて
遠く咆哮を響かせます
置いていくなと、低く
低く唸るのです

大地を ....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど

料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉 
 ....
           (乱太郎)

この空は
海の青

この海は
空の青

見えない鏡で映し出す
決して重なることのない肉体

 ....
夏の午後 影は濃く
姿勢の正しいあなた
まっすぐにねむる
貝殻のボタン
ひとつ失ったまま

くんと伸ばしたつま先から
夏が逃げてゆく
砂がはらりと落ちる
そして落ち続ける

傾い ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい


あなたは私の梢を揺ら ....
 いつかこんな日が
 来ればいいと思っていた

 待っていたよ
 二人が結婚したいと
 言ってくれる日を


随分とお転婆で
跳ねっ返りの娘が
いつしかおしとやかになり
君を連れ ....
口語の時代はさむいがその寒さの中に               ※2
自分の裸をさらすほかない時代
ひとつの恐ろしい美が生まれた                  ※3
三角さん、錯覚しなければ ....
ながれていく
  (しずかに)
その潜行する鼓動を
ききわけて
よりわけて
乾く冬のために
水を落とすものとなる
寒い病のために
感情を輸血し
あるいはこのこころの
ものがたりを出 ....
自由の翼が手に
入ったとしても
額縁の絵の中を
飛ぶことぐらい
しかできないし

お洒落な足かせ
をガチャガチャ
いわせながら記
号でお喋りして
いたほうが楽し
いかもしれな ....
舟、
から落ちた
青年の眼は
右往左往し
私に助けを求めた

私は
まるで彼だった私を探し
見つける
見つけたのだが
すでに、息をしていなかった
死んでいたのだ

死んだ体で ....
忘れているつもりは、なかった
ちょっとうっかりしていたのだと思う
言い訳がましいね、何だか
本当にごめんね


いい天気が続くと
空を見るのに夢中になってしまう
雲の流れには気付いても ....
氷の川を
停められるのは
時の流れにせせらぐ命


 つめたさを
 うたう刹那が底にあり、

 静けさを
 砕く車輪が
 渡りゆくから、

 氷の川は
 停まらない
 ....
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう

  正しいとかまちがい
  とかはしらない
  模造できないほんとうを
  さがすように風を嗅ぐ
  そん ....
何故かあのひともそうだった


年上の素敵な奥様がいて
それなりに幸せな家庭を築いていた
そしてそんな男の軽い浮気心に惚れてしまう女がひとり

初めて出逢ったのは真冬に逆戻りしたような夜 ....
饐えゆく冬の海に
筒の発破する
持続する星団のために
あおげば烈しく廻りゆく鶸の翼の
引きつれそのかき鳴らした下で
しだいに深みを増してくる遠夜を
洲浜の腕輪のなかに捏ねる
鴉片と姦通で ....
 いつも
 満たされない夜を求めて
 光を舞う蝶でありたい
 描けるしあわせはいらない
 とまりぎに 腰をかければ
 灰になってしまうだけ
 足跡を水にとかして
 あなたからあなたへ
 ....
二月の炎は

情念の

雨に濡れて

そこだけ白くさせていた

テールランプが

ひとを待つ

前かがみの傘が

きえてゆく

アスファルトから

春の香りがした
 ....
しずかな雪のあいだから
わずかに土が
見えるとき

わたしは灰の
そらを見あげる


 まだそこに
 凍えるものはありますか、


小さな呼吸は
ぽつり、と白く
あ ....
研究「緑川びの」(1)


緑川びのを取り上げてみたくなった。詩人だと思うからだ。よくは知らないが私なんかとは、違って詩しか書かないほうなのではないか。現代詩フォーラムでは一番良く読んだ詩なので ....
{ルビ蛍石=フローライト}の屈折系でねじ曲げる
透明ゆえの分光
赤道儀のその先で
一つとしてそろわない秒針を
幻想のように共有して
誰かの未来で僕たちはまばたきをします

季節から時計が ....
ただ青く色そのものになった空
飛んでいる/はずの飛行機の窓の外には
動かない風景

窓の下には薄いごく薄い雲の海が霞む
空と雲の海/の境界を何と呼べばいいのだろう
白く霞む雲はその下に広が ....
オハヨウが
晴れやかに言えてますか

アリガトウが
滑らかに言えてますか

笑い方が
相変わらず下手ですね

奥歯が
痛いのかと思いました

コンニチワが
軽やかに言えて ....
ねえ にゃんこ

私が仕事に行っているあいだ

君はなにをして帰りを待っているにゃ?

お腹がすいたらカリカリを食べ

眠たくなったらお気に入りの場所にゴロンってなって

本当にに ....
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、

なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない


まるで
雲を思 ....
夕月は君が
先に見つけた

でも

明日雪が降ることは
きっと教えてあげない

   *

君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている

でも

君のいちばんの ....
                 090210




手のひらで水を掬うポーズ
倒木を避けるポーズ
みたらし団子を嫌うポーズ
甘納豆を頬張るポーズ
自転車に乗っているポーズ
開き ....
水玉模様の細い首輪を嵌めた
羊みたいな純白の犬を従えて
リードを手に黒縁のレイバンが座る、
ゆらゆらと木漏れ日の蠢くベンチ

――お姉ちゃん、犬が好きか?

ああ、こいつビンゴっていう名 ....
 終わり

やがて
空が蒸発する

  僕は無機質になる


やがて
風が風化する

  僕の最後の灯し火を消す

終わりの時は
最初から始まっている

  僕は知らな ....
さくらさんのおすすめリスト(873)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
写真- 壮佑自由詩16*09-2-19
Treat_Thursday- BOOKEND自由詩4*09-2-19
シャボン玉- ほしのみ ...自由詩5*09-2-19
ひき肉- かんな自由詩17*09-2-18
千年の孤独______月夜見+花猫+乱太郎_三連詩- 乱太郎自由詩8*09-2-18
貝殻のボタン- ふるる自由詩27*09-2-18
イマジネーション- 未有花自由詩25*09-2-17
良き日- 青い風自由詩13*09-2-17
満足厳禁- 大村 浩 ...自由詩28*09-2-16
冬の静脈- 岡部淳太 ...自由詩809-2-16
枠枠- nonya自由詩11*09-2-16
無力化- 高橋魚自由詩2*09-2-16
空の青さを見つめていたから- あ。自由詩3*09-2-16
氷の川- 千波 一 ...自由詩5*09-2-16
ライカ・シンドローム- たりぽん ...自由詩14*09-2-16
螺旋のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*09-2-15
掏摸- アングラ ...自由詩309-2-14
『夜をいきる』- あおい満 ...自由詩4*09-2-14
二月の炎- 吉岡ペペ ...自由詩509-2-14
二月列車- 千波 一 ...自由詩7*09-2-13
研究「緑川びの」- 生田 稔散文(批評 ...2+09-2-13
時間の誕生- たりぽん ...自由詩5+*09-2-12
スカイブルー- kauz ...自由詩6*09-2-11
レッスン- nonya自由詩11*09-2-11
ねえ_にゃんこ。- ゆきちゃ ...自由詩8*09-2-11
nonessential- 山中 烏 ...自由詩4*09-2-11
paLadox- Rin.自由詩19*09-2-11
ポーズ- あおば自由詩7*09-2-10
温み- atsuchan69自由詩11*09-2-10
終わり- 乱太郎自由詩15*09-2-10

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30