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骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで

湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
息苦しい毛布に潜り
生温かな呼吸を繰り返している
朝が来れば、くれば、と
闇のない夜に


  恐れる心が奪ったから
  やさしい鳥は渡ることができない
  闇でなければ輝かない
  ....
眠れないまま過ぎてゆく
夜明けとともに
境界線の不在を知る
そのために

昼を住処としたわたしは
眠らない深海のさかな
見えないものは無いわけじゃない
何度もなんども、ただ気付く
深 ....
いらない
欲しがったりしない
夕日も、太陽を奪っていく時間も

    カロリーゼロドリンクを
    餓えたキャンプにばらまく悪夢
    眠れない夜の寝苦しい暗闇

幸せの意味、
 ....
  この季節に居たくない夜
  どこか、向こうがわを見ようとする
  すべり台の天文台に寝そべって

どんな温もりでも
消えていくときはいつも赤い星
経験の記憶が
証ではないのに
あい ....
まずは網膜と虹彩の特性を
知らなければならない
細めた瞳に形、またはそのありか
私は照らされて存在する

ただ視界になりたいときには
井戸の底に住みたいと思う
遠い水面に朝と夜を
切り ....
綿菓子の 桜の枝にうずくまる 蕾に咲けと 満月の夜

涙なら頬をつたって濡らすでしょう 春の足跡 そらの手鏡

春の星 咲いた証はあしもとで かざはなと舞い 銀河流れる
{引用=桜の咲く春が嫌いとつぶやいたひとの
手鏡に映したそら、霞のようにたなびく
僕は戦うだろうあなたのために
僕は祈るだろうみんなのために}

満開の花は汚れたあおを覆いつくして
春とい ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから

僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう

  正しいとかまちがい
  とかはしらない
  模造できないほんとうを
  さがすように風を嗅ぐ
  そん ....
{ルビ蛍石=フローライト}の屈折系でねじ曲げる
透明ゆえの分光
赤道儀のその先で
一つとしてそろわない秒針を
幻想のように共有して
誰かの未来で僕たちはまばたきをします

季節から時計が ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように

もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
雪が私の小さな夜に降りしきます
冷たいものを無限に受け入れて
静かなまま染まるのです
記号という名前だけをもらった
小さな星雲たちみたいな
街灯が青白く照らす夜です

星を頼りに渡る鳥は ....
話し相手もいない
寂しい大地
哀しくて眠れない夜は
誰かの髪のすきまを
すり抜ける風になりたい
明け方まで星の
瞬くさまをみていたい
星の移りは
エンドロールのようで

  焚き火 ....
いつしか、
風のように地面を忘れてしまう
飛ぶでもなく、舞うでもなく
深海のようではなく墜落する
白夜の季節、朝焼けと夕焼け
始まりも終わりもない不安な砂時計
いつでも途中であきらめてしま ....
雷鳴に犬が怯える空で
やさしい言葉のように冷たく凍ったものが
老人ばかりの街を無数の宝石で覆い
 (あるいは灼石灰のような骨の粉)
まぶしく結晶に閉じこめる

今だけはうつくしいだろう ....
妙に窓が明るいと思ったら
昨晩降り続いて街を覆った雪が
朝を反射していました
{ルビ氷ノ山=ひょうのせん}の上で薄灰色の雲がただよい
{ルビ若桜=わかさ}の木々が瑠璃細工になり
冷たく寒い朝 ....
  鳥取の冬を包み
  かくすもの
  街の音まで凍らせて
  夜を沈黙で満たし
  立ち尽くした
  遠くで、雪おこしの稲妻が
  夜を呼びさます

暗闇に置かれた水晶の透明が
今 ....
かもめよ、教えてください
埠頭をかすめて海に消えたひとりひら
海雪の行方を

海峡の雪雲に隠れたプロキオンだって
待てば姿をあらわすでしょう
その、抱く思いに揺れていたとしても

 ....
秒針は螺旋の軌道を描いて
歩くことでは辿り着けない場所に
らせんらせんを運んでいく
生まれることで届くだろう
窓の外で、まどのそとで

  ラッシュアワーに平気で押しのける
  普通に見 ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです

 私の言葉は上手でしょうか
 そんなことよりも伝えたいことの、
 たとえば月の輪郭を
 なぞる指 ....
今夜の雨は悲劇に酔っている
私だけは違うといいながら
誰もが同じように濡れている
無邪気すぎるから
傷付けられたことさえ忘れて
私だけの痛みが欲しいと
傘を風にあずける

  焚き ....
出口だらけの迷路で
みんな迷子です
終電が出発したら
それでも全部、扉を閉ざして

新宿駅の外観を知りません
面影すら忘れてしまったひとの
忘れもしない言葉
普通でいるために、目を閉じ ....
空に平行線をさがしてみます
飛行機雲も虹も
いつか山の端と交差して
対角は等しいのです
さっき雲の切れ目から
幾筋もの平行線がさしていましたが
やはり水平線と交差して
錯角は等しいの ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか

水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
あの街についたら
私は歩くでしょう
確かめるために
間違いなくそこにいた
影というかげを集めて

空がまぶしすぎると
鳥は切り絵になります
川面はしわくちゃにしたホイルみたい
いいか ....
海から流れてくる雲を
ぼんやりとながめていると
失われた呪文を思い出します
焼き締めた土人形を
たたき割るときに
病んだひとの名を呟く
あの、呪文

  鳥取の冬空は
  ほんとうの ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って

失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
雨滝に続く道は
聖堂のように光がそそいでいます
昼下がり、ステンドグラスの森が
橋に季節の色を映して
敷き詰められた落葉の絨毯は
通り雨の跡のように
濡れていてるのです
長い階段を下りて ....
さくらさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(37)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
残照- たりぽん ...自由詩1309-6-15
闇を、夜に、蛍- たりぽん ...自由詩409-5-30
とりのこされる、せかいで- たりぽん ...自由詩6*09-5-23
おびえる- たりぽん ...自由詩209-3-27
虹が染み、- たりぽん ...自由詩8*09-3-22
輝度- たりぽん ...自由詩5*09-3-16
仮称_流星雨(2)- たりぽん ...短歌6*09-3-8
あなたは満開の桜が嫌いだと- たりぽん ...自由詩5*09-3-1
僕は切符を買うよ- たりぽん ...自由詩16*09-2-26
ライカ・シンドローム- たりぽん ...自由詩14*09-2-16
時間の誕生- たりぽん ...自由詩5+*09-2-12
決意- たりぽん ...自由詩9*09-2-7
はかれない、すなどけいでは- たりぽん ...自由詩18*09-1-31
君の朝につながって- たりぽん ...自由詩14*09-1-25
せいざばんの_よる- たりぽん ...自由詩209-1-21
極夜、瞳のおくで- たりぽん ...自由詩509-1-18
やさしき雪にふるえて- たりぽん ...自由詩9*09-1-13
朝雪- たりぽん ...自由詩3*09-1-11
夜雪- たりぽん ...自由詩6*09-1-11
立待岬- たりぽん ...自由詩609-1-4
いちばん遠い朝- たりぽん ...自由詩7*08-12-30
月の輪郭、風の影- たりぽん ...自由詩19*08-12-22
雨は名前をくれない- たりぽん ...自由詩12*08-12-16
駅・新宿- たりぽん ...自由詩6+*08-12-11
そらに、へいこうせん- たりぽん ...自由詩6*08-12-3
スパイ- たりぽん ...自由詩15*08-11-28
あの街についたら- たりぽん ...自由詩6*08-11-26
土偶- たりぽん ...自由詩8*08-11-20
さかなのよる- たりぽん ...自由詩32*08-11-15
橋、滝に続く小径で- たりぽん ...自由詩7*08-11-13

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