初恋
こしごえ

ブルーベリージャムの あまずっぱい朝に
「お早う」と言って
庭へ目をやる
すっと口許に手をそえ
ちいさな欠伸
すこし涙がじんわり
(うつむいて)
すっと小さな海をふちどる
縁側でやんわり座るかたわら
薫風の声にふと
(視線をあげる)
鬼芥子の蕾のひらいた音
がした気がして
心なしかゆれている花
紺色の胞子が
あかくうすい肌に零れてしまい
いまになって よみがえるあぁあまずっぱさ








自由詩 初恋 Copyright こしごえ 2006-06-17 15:38:11縦
notebook Home 戻る