少年時代
LEO

*翔る*

頭上の
ヘリコプターに向けて
大きく両腕を振る
「おーい」って叫んだ
何度も叫んだ
声だけが
翔けていく



*風*

自転車の
ペダルを漕ぐのも
間に合わないほど
加速して
風になった瞬間
あの坂は
冒険への近道



*相合傘*

雨の日
覗いた水溜り
黄色い傘の下で
無邪気に笑う
きみとぼく
「せーの」
で、一緒にジャンプ



*あした天気になぁれ*

思い切り
蹴り上げたはずの
スニーカーは
頭の上でくるりと回って
すぐに落ちてきた
(どこまで続いているの)
片足ピョンピョンで
仰いだ空は



*飛行*

投げ出した両足を
高く、もっと高く
(飛ぶ準備は出来たよ)
右足で蹴った太陽が
ブランコを
銀色の飛行機に
変えたあの日


自由詩 少年時代 Copyright LEO 2006-06-16 23:32:49
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
四文字熟語