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{ルビ凶兆鳥=まがいどり}のように葉は離れ
次々に口もとにやってきて
何も得られず
土に落ちる


爪と貝が溶け
聴いている
海の失い場所から
海の向こうの海を
聴いて ....
鏡がふいに斜めを向き
部屋のすみが溶けて明るい
鏡のなかには無色の柱
扉の前には銀の曇


銀はひとり歩き出し
窓を向いては立ちどまる
たたんたたん たたんたたん
素足の ....
離れまたたく
雨に近いもの
光を結び
ひとつ雨になる


まるい夜が
まるい夜をすぎてゆく
音は森の上に残り
枝を伝い 土を照らす


点かなくなった灯の下で
握 ....
羽が
風を巻いている
葉から 黒から
生まれてはもどり
消えかけた輪を空に置く


折れた枝
弓なりの雪
空へかがやき
問いを放ち
誰も恨まぬ応えを浴びる


 ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき


狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
暗がりのなかの光の道
滴の道
空の強弱のはじまり
花の墓に降る朝の雨
遠い遠い雷のような
音の無いむらさき
弔いの日を染める



色とりどりの衣を着て
荒れた地に横 ....
ななめに銀の 朝のはじまり
指が背になり 背が指になり
よろこびのあとのまどろみを
ひとつふたつと過ぎる鳥影


結ぶ光 結ぶ記憶
髪の毛を結わえる見えない手
風のなか
 ....
もの言わぬそよぎ
つぶやきの時間
開花と脱皮の
見えないやわらかさの
短く密かなそよぎ



離れゆく風を星は追う
飛び立つ冷たさ
翅の重さにひらかれる本
はらはらと ....
ひな鳥の声が
どこまでもまっすぐにのびてゆく
こだまも 霧も
親鳥も知らずに
崖の上の森から
次々と旅立ってゆく



淡く灰色に点滅しながら
世界は世界から離れてゆく ....
冬は起ちあがり
世界は染まる
風のない
夜の明るさからやってくるもの


輪の星の目を
時計の目が見つめる
舌 傷口 くちびる
ためらいのなかはばたく
夜の手の羽たち
 ....
光の粒は増えては落ちて
空の青に波紋をつくる
大きな花の季節を切り
空を開け
冬を散らし
登山者の凍えた耳に
言葉を残す



雲の奥の淡い砂の陽
ほどけては集まる鳥 ....
夜の中の黒いオーロラ
帯の馬にからみつく蛇
ほどけながら近づく星は
月をかき消す粒の緑
沈むままに 見えぬままに
うごめくものは常にうごめき
まわりながらめぐりながら
夜は水 ....
布の心からのばされる
鳥の翼を描く糸
文字のように絵のように
風に望みの灯火を置く


無色に織られた旗が重なり
震える音のかたちとなり
幾度も水を吸う衣
失う色さえ ....
ふいに軽くなったからだから
いったい何が抜け出したのか
いつものようにうつむいたまま
何も思うことなく歩きつづけた


なぜか息をするたびに
ひとくちの黒が出ていった
 ....
夜の灯の下
藍は蒼
溶け残る道
呼びとめる声


氷をすぎる火の上で
音は昇り 月に会う
昼のにおい 日々の名残り
凍えては小さくまたたくもの


夜から分かれ ....
こうやって部屋のなかから窓の外を見ていると、雨の中でしか生きられないけものになってしまったような気がする。穴ぐらのなかで、ひたすら雨を待つ。エサはあるのだが、自分のツメで獲物を引き ....
前田ふむふむさんの木立 悟さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
昼と白_Ⅱ- 木立 悟自由詩412-11-25
銀指響- 木立 悟自由詩807-3-26
ひとつ_すぎて- 木立 悟自由詩507-1-6
午後の息- 木立 悟自由詩506-12-7
午後の名前- 木立 悟自由詩606-6-9
小さな日- 木立 悟自由詩506-5-25
陽と雨- 木立 悟自由詩306-5-24
白と灰_Ⅱ- 木立 悟自由詩106-5-24
夜(光と声)- 木立 悟自由詩206-5-19
夜(羽と目)- 木立 悟自由詩206-5-17
三華遠・讃華音- 木立 悟自由詩506-5-10
三華遠季節_Ⅳ- 木立 悟自由詩506-5-8
紡ぎ_ほどく- 木立 悟自由詩506-3-12
黒と歩み- 木立 悟自由詩206-3-11
うたごえと灯- 木立 悟自由詩406-3-9
雨(1986.8・4)- 木立 悟自由詩1206-3-2

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