メトロノーム
霜天
時間が、かたちになるとしたら
思うよりも綺麗に見えるかもしれない
夕日を右側に受けながら
止まった部屋が揺れた気がする
ほんの少しのリズムを
みんなが取り戻していく
いつかよりも欠けた人と
塗りつぶされた空間の、景色のようなもの
消されていく人影と
通り過ぎない夏の匂いも
いつかは砂に紛れて、傾いていくから
残さない、なんて約束をした
遠くに行ける、そのための声だと
誰も、願っていたはずなのに
自由詩
メトロノーム
Copyright
霜天
2006-06-17 02:09:34
縦