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手にとって
読み返す葉書
紙の山に埋もれていても
あなたの文字は
見つけられる
その文字が
私を君と呼ぶ
綴られた言葉を
私はきっと
諳んじてしまう
遠く失った恋が ....
むこうの山の町あかり
ひとつ、ふたつ ふるえている
星が 落ちてきたのだ
夜になって、ここまで下りてくるのだ
今は遠い、大切な人の
あなたの 部屋のあかりにも 星が落ちた
私はこ ....
葡萄の葉陰に{ルビ抱=いだ}かれて
青い果実のひとふさは
日ごと重くなりました
花びらのかわりに
熟れた種子をいっぱいにして
向日葵は皆うなだれました
高い空
すうと流れる
赤 ....
朝か、もうすこしあとにおきだし
パンをたべ
仕事をし
お昼をいただいて
掃除や仕事をし
たいへんおなかが空き
夜ご飯を皆で囲んで
寝る前までに
いくつか日々のことをこなします
私 ....
こんにちは アブラムシ
あなた何歩でこのルーズリーフを横切れるかしら
ツノをふりふり おしりふりふり
行っちゃうの?アブラムシ
窓を見つけたのね
透明の翅をもじもじして ぱっと消えた ....
おなかのすくおと ぺこ、ぺこりん
からっぽの胃から
じわじわ かなしみが溢れ
ずずんと 体にのしかかる
ひとことごとに へってゆく エネルギ
ひとことごとに ふくらむ かなし ....
うるうると ながれては こおりにかえり
うるうると みたしてゆく
つちを かぜを
たちのぼる霧は
こおりをむすび
春待つ木々を
冬に還す
光 ....
トイレの前にはいつも長い行列ができ
ひつじの仕事はその行列をうまくさばくことだった
けれど だれもひつじを見ていない
ひつじは アイピローのようにうすっぺらで小さく
とても背が低いため、 ....