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一緒にいよう、いつも一緒にいよう
お互いの頼りはいつも傍にいること
冷たい風が強い町でも
海の匂いが切通しを下りてくるここでも
痛くても悲しくても朝は必ずきてしまうから
だからね、だから
 ....
おかあさん
おかあさーん


わたしを産んだ日は
晴れていたと聞きました
満開のサクラ
初夏のような西陽のなかで
汗をかきながら
わたしを産み落としたと。
産院の名前を覚えています ....
かこぉん・・・と靴音
軋む、非常階段


感情を言葉に変えた瞬間から
わたしは
燃えないゴミのように無機質な
存在に変わってしまうのだろう

語りすぎるのは
良くないことだ
見つ ....
冷たいゆびで
摘まんだ雪は
わずかにかなしい方へと傾斜し
山裾の町は
湖の名前で呼ぶと
青い空の下で黙って
わたしの声を聞いている


凍った坂の途中から
見渡すと
連なる峰の稜 ....
風が
静かになりました
背骨が曲がったまま
切り取られそうな
刃物を持った風が
止みました


世界では
他愛ないことですが
いまのうちに
背筋を伸ばして、
伸ばして
僕のこ ....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
ねじを巻くのは
走れなくなったから
アスファルトのざらついた感触が
踵に痛くて
右足と左足の交差が作る
不確定なアルファベットが
読めなくなってからでは遅いのだ
きり、きりり
かつ ....
海より遠い、
安曇野を思う
穂高の山々を
わさび田の清流を
あるいは
ただその空を思う


閉め切った窓の硝子に反射する、
ピアノ曲に誘われ
ふっと解けた封印は
気付けばとっくに ....
眩しい舗道に
蝉、おちた

鳴くのをやめて
飛ぶのをやめて
褐色の羽根に
ちりちりと熱が這い上っても
黙って空を仰ぐ

  
  湿った真昼をまとい
  木陰にくっきり分けられた ....
黄昏時には不意をついて
冬が何処からか現れ
桜の枝で褐色になった枯れ葉と
わたしのこころを繋いでしまう

ポケットに入れた手が
ほんのりと寂しさに温まる頃
去年届いた便りの
名前が消え ....
茜の風に肩を撫でられ
少し頬染め
薄紅色に髪が笑う

少女の儚い夢のように
秋桜揺れては
深い空に落ちてゆく

花びらが落ちた空には
ほんのり波紋のうろこ雲
今日が ....
秋の空気には
透明な金木犀が棲んでいる


陽射しに晒した腕が
すこし頼りなく感じ始める頃
甘く季節を騙す匂いは
思い出の弱いところを突いて
遠くにいるひとの微笑みだとか
風邪気味の ....
ソーダの泡のような微睡みのなかで
懐かしい とても懐かしいその面影に出会った

記憶の深くに留めようと
すればするほど
表情は淡くなる
ならばこの夢でだけ覚えておこうと
思い切りこころを ....
空の水がみな注ぐ
水無月ならばこそ
ガクアジサイのぼんぼりに
青色 むらさき
灯りを点けて
こころの内を絵に描いてみる


哀しみ惑う雨模様は
霧雨に溶いた絵の具で
ぼんやり滲んで ....
こんな晴れた日
野の緑はしなやかな腕を
天に向かって伸ばし
陽射しに仄かな生命を温めている

草むらをすり抜ける風は
蜜蜂の
しじみ蝶の
か細い肢に付いた花粉を
祈りに変えて
次の ....
うたを綴る
ひとつ ノォトに
うたを紡ぐ
ひとつ こころに
今日の言葉を装い
明日吹く風を纏う

雲に似て
恋に似て
刻々とかたちを変えるその憧憬を
留めるため

小さな引き出 ....
数学が苦手だって言うのに
もう少女ではないから
計算違いは許されない


髪を伸ばすこと
それは可能性
ダイエットコークの味を好きになること
それは目論み


統計では
きみの ....
その指先に
凍れる紅をさし
頬の産毛を粟立たせ
きみは
街なかの雪に泳ぐ


手のひらで固めた結晶は
赤い目を探すうち
もはや雪でなく
氷の透明に変わっている


そんなにも ....
ポストがあんまり赤く誘うから
こっそり仕組んだ悪戯めかして
宛名にきみの名前を書いた


雪があんまりひっきりなしに
きみの傍に寄り添うから
水晶の珠を割って
ちいさな虹で
憂欝の左 ....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた

草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい

わたしは昨夜見た夢を覚えていない
 ....
どことなくストレス加減の昼休み
冷たい珈琲に浮かんだ氷を
ストローの先でつついたら
猫みみのかたちの小さな生きものが
ちょこりと顔を出した


頭痛の道連れに
こんな小粋な錯覚が訪れる ....
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