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感情の吐露です
それは美味いのですか
脂がのってるのですか
私は場違いではありませんか
大将、
はちまき ずれていますよ
ずれているのは何だっけ
そ ....
外があまりにもしずかなので
わたしはまた音を失ったかと思いました
外があまりにもうごかないので
わたしはまた光を失ったかと思いました
外があまりにも秋らしかったので
わたしはまだ冬がきていな ....
たくさんの気持ちの詰まったお部屋。
女の子は泣いていました。
ここから、出て行きたいといいました。
さあ、腕の見せ所だわ。
分からず屋がいっぱいいるから、いけないんだわ。
だから、傷 ....
月を見ていた
さめざめと
蒼く光る月を
枯れ葉が
ざわめく
風が一息つけば
冬に呑み込まれそうな
気配の中
私の形をした
不安が
足下で揺れる
いつになく
真っ ....
ちっちゃくて硬い。
鈍色にくすんだ鉄のかけら。
美しい鳴き声は持たない。
美しい模様もない。
田舎の物置の
米ぬか臭い片隅で
ただ生きてゆくために
もぞもぞと生きている。
生の ....
カーテンを開けると大雨だった
ひどく気が滅入る日曜日だ
さらに気が滅入ることに
カーテンを開けたのは彼女の方で
私は外で立ち尽くしていた
口笛が遠くまで聞こえるのは
まわりに誰もいなかったからだ
分かっていたんだろう
少女よ
どこにも行かなくていい
君が知ってる誰もかもは
どうせ君の知らない場所で笑っている
....
よくあるタイプの夜だった
目は!ラン!として
窓の外がテレビの中にあった海を
ぐっと伸ばし
カジるとカルシウムの味が漂って
観測衛星になった
鏡へ吸い付いたりもしたけど
(朝日や夕日 ....
ある日
ヒゲが全然剃れないので
やけに切れないカミソリだなと思ったら
カミリソだった
そりゃそうだ
*
ある日
ヒゲを剃っている途中
カミソリにカミリソ ....
ママ、雪が降ってきたよ
その晩、子供は
雪だるまをつくる夢を見ました
くそっ、雪が降ってきやがった
その晩、八百屋のおじさんは
明日の売上が気になりました
ああ、雪が降ってきた ....
今夜もまた
毛布を
かける側と
かけられる側に
わかたれる
夜ごと
息絶えてしまう人々のせいで
仕事のない両手と
凍える胸たちが
あぶれてゆく
失った者たちは
寝どこ ....
こうま
こうま
こうま
こうま
こうま
夢でたべたあのおいしいおいしいお砂糖ピーナツを
マーケットに行けばもう売っていまるか
ふぁみりーに行けばもう売っていまるか(私の祖母は『スーパ ....
根を探していた
春秋の媚びを思い出させる
うっとりとした短い午後
焼け残りの匂いが匂っているのだ
地ならしはもう始まっている
かつての建築の跡に
人骨が埋まっていたり
家族が泣き崩れてい ....
牛乳を買ってきたつもりだったのに
袋に入っていたのは
それはそれは立派な
乳牛だった
妻は、こんなものどうするつもり、と怒りまくり
娘は、牛さんが来た、と大喜びをした
毎朝、新 ....
かな小父の通夜はにぎわい
三弦と木魚 お宮の龍笛をひきあいに
かな小父の唄と三弦曲かれこれが寄って
大ざら酒瓶もたたかれる とむらいの夜
かな小父がわたしにくれる遺物 掌が
その壺の ....
胃路は臭へど塵塗るを
我が涎そ
津ね
奈良
む
ウイーの奥や
魔境越えて
あ
砂丘
目見し
絵紐背図
愛飢え
丘聞く
毛
濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ
穂
麻
実
夢
母屋
射ゆ
獲よ
羽を
無
とある金曜の夜
彼女は出ていった
理由なんか知りたくもない
ので土曜の午後から
彼女のものを片付けてみる
と冷蔵庫の奥から何重にもラップされ
忘れ去られたくさやが
....
自転車置き場で
空を見上げるのがいい
そこに風でも吹いてくれれば
なおいい
そんなとき
携帯電話の電池でも切れていて
何か大事なことや
大した事じゃないことや
君にとっては ....
縄とびをする子を探していると
ピンク色のセータに 水色の縄で跳ぶ子がいたので
失礼して
卵を置きました
割れて出たのは 木屑です
カラス 雀 みみずく キリンなどが それを喰うので
「トッ ....
喉もと
鏡で位置を確かめる
思い描いた真っ直ぐなラインに
鋸の歯をあてがい
両手で柄を握りしめて
鏡に写ったわたしが
ゆっくりと押す
引く
ずうう
細胞が裂ける
肉が千切れる
....
あの青い空がほしい
手の届かない場所にある空
もしも 神様がいて
自分の持ってるものを
すべて捨てられるのならば
あの青い空をくりぬいて
あなたに あげよう
....
朝の電車につめ込まれ
私達豚は
割と可愛らしく鳴きます
oink oink
たまの夏日
節電のために抑えられた冷房
蒸気の飛び交う車内
暑苦しくスーツを着込ん ....
学芸会の 幕あがり
風になぶられ どよめいて
青きドナウの 波の果て
美神憧れ 染めあがり
真白ドレスの 裾たぐり
ぼくは惚れ惚れ 君を見て
幻のみの 君を見て
幼い恋慕 詩人なり
....
目醒めて夢をみたのか
夢のなかで醒めたのか
ともあれ俺は夢のなかで
不意に見出したのだった
油絵具でかっきり描いたような無人の街と
そこにたたずんでいる俺自身を
夢なのだから飛べるはず ....
(曙)
薄暗い部屋の中
光のはしごがすうっとかけられ
それは
雨戸の隙間から漏れていて
僕はふとんから起き出て
手を翳した
掴むことはできない
ああ それでも
....
10月には花嫁になる予定の女からの電話に
秋晴れの連休でどこかへ連れて行ってもらいたそうな子供たちと
布団干しを手伝ってもらいたそうな妻の目を盗んで
ガレージから車を出す
....
山道、電柱。絡まる蔦の先端、真上から海辺の
真っ白につきさしてクラクラ立ち上がれず
静岡でTOKYO−FMでいつもの高いテンションで
飛び降りてつきぬけてバラバラたちのぼる雲
通り過ぎる疾 ....
たわしはもう
わたしのことなど忘れて
海に帰ってしまった
たわしのかわりに
いわしで風呂の掃除をすると
少し生臭かったけれど
自分も海に帰れたような気がして
そのような気がして
....
Maunaは山
Kaiは海
だから
さしずめ山海通り
斜め向かいの家で
巨大な犬が柵の内側を徘徊していた
裏庭の木が
嵐の夜になぎ倒されてしまった
パイナップルの実が
茎のてっぺ ....
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