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3か月前にあたしをふった
彼氏が旅に出るってんで
40度の熱があって あたしはたたき起こされて
着のみ 着のまま
葛西シルチスのアマゾン鳥が鳴く金町方面
あたしひとり 駅まで彼氏を見送り ....
きゃらめる 6
ねじ
1
まいばん
ねむるまえに
もうひとつだけ
からだのねじを
はずしてみる
おそるおそる
....
あいつの笑い声が
みぞおちのあたりを
握り潰す
きのう フラれたのに
今日も 同じ教室
dolce lusingand
やっとのぼった太陽のように
朝日のように眩しく優しい笑顔の君を
力一杯抱きしめて思い切り泣いた
暖かさに溶かされるように
やがて腕の力が抜けていき
全部 ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます
午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
{引用=右手と左手のための協奏曲 より}
●雨の精
一度書いては捨てられた詩のように
誰にも知られることはないけれど それでも
人の心に光と影を投げる一瞬があります
ちょうど水たま ....
ふと右を見ると三塁手が君だったので
僕はすっかり安心した
うららかな春の日、デーゲームは淡々と続いている
スタンド、ベンチ、フィールド
いろいろなところからいろいろな声が飛び交っている
....
あの日
僕の夜空は燃えた
僕は君を許せず
君も僕を許せず
裏切りと涙の
炎が燃え立った
僕は酒も飲むし煙草も吸うけれど
憎悪に近い炎を
一杯の酒で流せるはずはないよ
....
だえきをたくさん
ふくませた
かだんのなかの
ちゃいろいつちの
ずっとずっと
おくふかく
ねむったままのひめひとり
ずっとずっと
めをとじる
ねむったままのひめがいる
ひめ ....
雲のない
ブルー・スクリーンを仰ぎ見ても
語るべきものなど何も残されていない
サイレント、ひとつ
崩れながら包み込まれる
ネイティブ・アメリカンに
インディアン・サマー ....
音と音のはざまに積もる景
積もることなく消えてゆく影
夜の雨のむらさきが
朝の雨の金に変わる
そのはざまの 一瞬の銀
ふるえのはじまり
つづくはじまり
はじまりとはじ ....
現実と夢の境を
言ったり来たりしながら
指先から溢れ出る言葉を
無心に書き綴ると
不思議と
安らかな気持ちになる
そんな空間(スペース)
きゃらめる 5
よる
1
なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
....
1.
みずたまる、みずたまる、みずたまるこ。
みずたまりに、みずたまるこ。
みずに、みずみずし。みずたまるこ。
みずみずしみずたまり。みずにみずたまるこ。
むこうみず、かえりみず ....
遠くでベルが鳴っている
目覚まし時計のベルの音だ
いいえそれは遠くではなく
私の内側から響いているのです
不本意な絶対音感が
耳鳴りさえも聞き分ける
この音は
子供の頃に使っ ....
布団をはねると
氷柱はおちた
遠く小川も
煙りはじめる
屋根も柱も
あらわに濡れて
くずれて 光を
ながして
雪掻きも雪上車も
消えてしまった
小窓から
ちいさな二列の
足跡さ ....
自転車のサドルってやつは、大抵ピッタリしているものだけれど、一瞬どこだか忘れてしまうその名前はさておき、色はタンカーから流れ出す按配の、石油的な黒だ。とにかく座る場所なんだけれど、それがそいつはどうも ....
のっぺらぼうになってしまったあなたの顔めがけて
口にふくんだ煙草のけむりをふっかける
不意に笑いがこみ上げる
のびきったあたしの神経
とあたしの髪の毛
今じゃもうなにも思い出せない
....
まっ白い顔の人たちが
次々に現れては
好き勝手な方向に歩き去ってしまいます
しゃべり声と足音が混ざり合って
波のように強弱をくり返しながら
ホールを満たしています
柱にもたれて
目ま ....
あなたは
休むということについて考えてみてください
ああ でも 考えこんでしまってはいけないのですが
ぼくには それは突然降ってきました
いままでの休日がすべて休日ではなかったかのように
....
あなたと
よるだけに であう うたを
よるだけに わかれる うたを
こよいの まんまる しゅるり ほどいて
よるだけしか みえない うたを
よるだけしか きけない うたを ....
オープンカフェで
またもみつけられました
あらかた予測ずみの結果だ
マルボロをくわえ
なにがそこまで
哀しい目をさせるのか
はくはつ
だったので老人と
推測いたしました
なか ....
眠い 眠い とても眠い
政 官 財 崩壊
若い 丸い オンナたちのおっぱい
ミンナ 謝罪 おれは謝るまい
{ルビ天使の都=クルンテープ}の朝 のっと 太陽が赤い
ヤーを送りだした後 なん ....
君がどんどん
僕を切り取ってゆくので
ついに僕は
一粒だけになりました
海辺の砂のように
乾ききった一粒の僕
君は少し
ためらいながら
僕を道ばたに ....
にいさん 今 どうしていますか
風の音が聞こえます
ずいぶん強く吹いているようです
窓ガラス一枚へだてて
冷たい外の世界は
やっぱり
窓ガラスもう一枚へだてて
にいさんの部屋へ続いて ....
反響する月あかり
空は明るい菫色です
白い雲が
流れます
今夜
地上で起きている
出来事が
みな懐かしい
白い廃墟の町も
風の荒野も
現実にあった夢も
何一つ欠けることの無い ....
ファンタジーの中に閉じ込められて
夜空にはしろい雲が流れていた
玲瓏の青い水蒸気に燻され
旅人は迷宮をさまよう
白の魔術は失われ
中空で光さえ
囚えられ
病む
月
夢の
苦しさに
....
今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない
ありったけの洗濯物を押 ....
霧の間に差し入れられる
細く小さな指の雨
霧が一度震えるのを見る
傘ひとつ分だけ熱くなり
灯ひとつ分だけ冷えてゆく
線路から吹く風を歩む夜
あちこ ....
今日も一枚の花びらが落ちていきます
雪はまだ降りません
寒さで身が千切れそうな日に
一人で歩く月夜道
深い深い海の中
雪がふわりふわりと漂います
誰に知られることもなく
何万年と ....
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