すべてのおすすめ
白い杭と鉄条網が
鉄の獣を取り囲んでいる
天気雨がなまぬるく
獣の背の光を流す
欠けた虹がすべるように
ひとつふたつと遠去かる



溶けるように昇る空
指の跡のつ ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
ぽつんと うかぶつき
くもが つきを おいこしてゆく
ふかいあいいろの じょうくうは あらし

いっしゅん さえぎる

ひかり

かげ

かげ

かげ

おいこしてゆく
 ....
毎朝 たまごかけごはん 食べてます
日本では 群馬県民が いちばん たまごかけごはん 食べるそうです
ほんのちょっと 昔 朝のテレビが いってました
たまごかけごはん は やっぱり
たまごの  ....
 月色の猫

月色の猫は蜂蜜がお好き
お魚フライには
いつでも輪切りレモンと
ピンクのお酒色した男の子と
リュシアンという名前をのせている

月色の猫は砂漠で生まれた
土曜日に生まれ ....
 ──ちょうど躓いた小石の先に連なった足が
   氷柱を踏んで動かされていくようだった──


映像はいつもコマ割の上で音をあてていく
それは今日の病室でも変わらないまま
カーテンの外 ....
僕は十二番目の牢舎にゐる
僕は二零三と呼ばれる
僕は自分の名前を忘れつつある
僕は粗悪な食事に馴れつつある

君の庭の卯の花は
今頃はもう満開だらうか
此処にゐると季節が判ら ....
ゆっくりと水を一杯飲む
カーテンを閉めて
好きな音楽をかける
何をしてもいいし
何もしなくてもいい
鏡に映った自分を見る
左肩を撫でてみる
前髪をかきあげる
電話のベルを無視して
今 ....
  
  

  ぼくは産道から生まれてきたことが
  いやだった 仏陀のように
  キリストのようにぼくは人と違って
  生まれてきたかった あまりにも
  人間が生々しすぎて 羊水だ ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
あついことは暑いことだと夏はただ言って
10メートル先の水たまりを勝手に縛りつけた
彼はどこにも行けない身体をしているのに
もう一人の彼女がいつまでもそばに寄れないようになっているのは
た ....
倒れた自転車から音は聞こえない。

コインロッカーに花束を忘れてきた。

クレーン車の輪郭が闇に消える。

花壇の整列した花々で指先を切った。

低気圧、靴紐を揺らす。

埋められ ....
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
わたしのからだは
出来損ないのモンタージュで
つぎはぎのでたらめの
パッチワークのモザイクで

ちゃんと機能しないもんだから
子宮にできるはずの内膜が
肺にできちゃったりして
月経の時 ....
夏草が いっぱいです

ガードレールを 乗り越えて

道の両側から

わっ と はみだしています


私は うれしくなります

いのちが

わっ と いきていて
突然
写メールを送りつけてきて
おれの誕生祝いに
夫婦ふたりで
温泉に行くのだという。

ちょっと待てよと
息子としては思う。

おれの祝いなのに
なんで
昭和元年と
大正十四 ....
 熱を嫌う
 冬の午前十時
 錆びた手すりに
 もたれて
 こめかみを撃ち抜く
 動物園に火をつける



 噴水は枯れた
 飼育員の首吊り死体
 食らいつく ....
赤土の皿に赤い身
濃い溜まり醤油と
潮気かおる雨宵

ここでしか漁れんもんやから

引き戸かたつく飯どころ左隅で
ちらちら横目くれられビールを半分まで
流し込む
わぁ美味しそう  ....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
    聖母子像

   霧のなかをわたしは母の手に
   ひかれ ながれるもやの
   街道を歩いていた
   それは途方もないかなたへの
   流離譚のようにおもわれた
   母が世 ....
わたしは肋骨だ
              
肋骨はあなたを心から慕い

肋骨はあなたの心臓を守る

あなたの胸を打ち鳴らすものを

至近距離から呪いながら

肋骨はあなたの胸 ....
  
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな

親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔 
まだ見たことありません

のような午後の世界に

河川敷の花火
の音が聞こ ....
壊れた傘を 拾い集めている男がいた

破れて水が滴る傘
骨が折れてしまった傘
錆びて開かなくなった傘
雨の矢から 人を護る役割を
果たせなくなった傘は
存在価値すら もはや認めてもらえな ....
        僕
 には携帯を充電す
 るより少しだけ大切なことがある たま
                  に
                  は逆らってみたいと思う
    ....
気がつけば文字の抜けた 文からの逸脱と
毛玉の絡み合う不器用なセーターの下から
顔をのぞかせる隣家の猫が
ブロックのpieceを蹴飛ばして眠るように

温かい日の雨と屋根の向こうのテーブル
 ....
  

  だれもいない台所でぼくは
  ひとりおこわの田吾作弁当を
  食べた SOGO地下食料品売り場で
  買ってきてもらったものだ うまくも
  まずくもなかった 見栄えはいいが
 ....
出会う直前のゆるやかな空気の中で
小さな振動に身体をゆだねる

日常の大きな振動は皮膚をかすめ
記憶の穴をすり抜ける

身体にしみ込む小さな振動
紛れもなく
理由もなく
一番深いとこ ....
わたしはかつて
とてもあまくて湿った土から生えて
花を咲かせることをゆめみた
猫が足元におしっこして
とてもあたたかくてしあわせだった



ちがう土から生えてそだつわたしたちは
た ....
 
 
 
 
ポンジュースが出るという噂と、狂おしいほどいつも通りの日々。例えば、そんな愛媛で風景している校庭が、東京の夕暮れの向こうにある。午後、水飲み場で、挨拶は永遠にすれ違っていく。す ....
湾鶴さんの自由詩おすすめリスト(608)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鉄獣軌- 木立 悟自由詩504-8-8
凪いだ8月- 霜天自由詩2504-8-5
つきのひかり- 玉兎自由詩4*04-8-2
たまごかけごはん- かなりや自由詩204-8-1
月色の猫- 佳代子自由詩204-8-1
不連続体- あやさめ自由詩704-8-1
往復書簡- 佐々宝砂自由詩604-8-1
はだか- さち自由詩9*04-7-31
処女懐胎- 天野茂典自由詩304-7-31
肉じゃが- 窪ワタル自由詩60*04-7-31
なつ、と- あやさめ自由詩504-7-30
埋められた飛行機に乗っている- カンチェ ...自由詩14*04-7-30
童話(物語)- たもつ自由詩22*04-7-30
わたしのからだは……- 佐々宝砂自由詩804-7-30
夏草- こむ自由詩3*04-7-29
生爪を剥いだ日- 草野大悟自由詩10*04-7-29
スローモーションの象- カンチェ ...自由詩12*04-7-29
潮宿- 田代深子自由詩704-7-29
不通- 本木はじ ...自由詩1304-7-28
童話(詩)- たもつ自由詩45*04-7-28
聖母子像- 天野茂典自由詩304-7-28
わたしは肋骨だ- RT自由詩9*04-7-28
花火の夜(江戸川)- AB(な ...自由詩2704-7-27
傘男- シャッタ ...自由詩504-7-27
僕には携帯を充電するより少しだけ大切なことがある- ピッピ自由詩804-7-25
80dB- あやさめ自由詩304-7-25
田吾作弁当- 天野茂典自由詩604-7-25
予感- mayaco自由詩204-7-24
(とびたつしゅんかんのとりのかたちの)- なを自由詩1704-7-23
午後、水飲み場で- nm6自由詩19*04-7-22

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