冷凍した稚魚たちを詰め込んだ風船は
林檎ほどの大きさで骨を砕いてしまうだろう
8番目の鬱屈はあなたへの災難である
青白い手足をして笑うから
悲しい短い爪が、のびないと言 ....
空と海
誰かがひいたあの線の
手前で競い合っている

砂利道ばかりの
僕の田舎は
海がきれいで
何も無かった

今にも泣きだしそうな青ばかりと
僕を飲み込ん ....
遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
ここは
いつも広くて
息が白くて
冷えてて
がらんとしていて
音は全て霞んだ帳の向こうから
聞こえて


私は
怒っていたし
恨んでいたし
頑張り過ぎてたし
叫びたかったのに ....
世界を憎んで
世界を嫌って
自分を憎んで
自分を嫌って
生きている事を憎んで嫌って
生きている事を嗤って
火あぶりにして
コケにし尽くして
気が済むまで全部を嘲笑したら
産まれて初め ....
僕のからだの内燃機関は
なにを動力にして
ここまで
走らせ続けてきたのだろう


西日はいつも眩しいね

僕の手が掘り出したいものの
手がかりを
きっと
西日は知っている
 ....
死んだネコを抱いてまちを歩いた

ひっく

具合の悪いかげたちがのびたりちぢんだりを繰り返している


ひっく

おりの中のサルたちとその腕が地面から離れていく

水槽の中のイソ ....
白いチョークで
道路にドアを描いている

白いチョークでは
どんなものも白く描かれるから

羽を描いても
飛ぶための空が描けない

だから僕は
ドアを描こうとしている ....
朝起きたら
郵便受けが手紙を{ルビ銜=くわ}えていた

切手はないのに消印はある
宛名はあるのに差出人がない
ちぐはぐな手紙

開けてみると光が入っていた
光はみるみるうちに封筒から出 ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく

私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
ゆうるりと朝が来る
顔の群れは消えてゆく
ゆうるりがゆうるりと
いくつかのゆうるりを摘み取って吸い
ゆうるりと朝に満ちてゆく


波の光を背にして座り
髪は音にひたされてゆ ....
飛行機雲が伸びていきます
大きな空を見上げて 残した軌跡に追い越されぬよう
空気を切って伸びていきます
はじまりはいつだったか
忘れられた原点が 今は水蒸気の一粒となり
尾の端から融けていき ....
「引越しするので手伝ってください」

久しぶりの幼馴染からのメールを見て
行くとあらかた荷物は片付いていたのに
ただ
アルバムや卒業文集が
ダンボールのわきに積み上げられていて
それが手 ....
秋の終わり 
街路樹の狭間で
主人の居ないくもの巣が
所在無さげに揺れている


いつの間にか
冷たくなった空気に
震える肌

きつい陽射しを負う背中だけが
何かがにじむように熱 ....
彼女はクルアーンであり
クルアーンの眼であり
1355年の記録が
彼女の脳漿をぶちまける
私は100年の大きな塊と
800日の断片を拾い
ポケットに入れた
そして焼却炉に入る
人類に幸 ....
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
#71

 ジョン、あなたに会いたかったです。



#72

 にんげんだもの
 わけもなく
 ピー
 ってさけびたくなる
 そんなときって
 あるよね

 ねぇよ
 ....
家屋は言葉のように
優しく朽ち果てていた
時間があればそこかしこで
両親は笑顔を絶やさなかった
幸せな玄関ホール
その壁には今でも
兄と私の指紋が残されていて
静かに機械の匂いが ....
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる

それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく


子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
しあわせを逃がす手のひらおぼろ月



晴れわたり心ふさがる青の青



風の背の名を問うなかれ枯れ葉舞う



心の手閉ざすたくらみひらく花



野 ....
フリマの一番隅の方で
いなくなったままの父が
お店を出していた
犬がいっしょにいた
名前をペロといった
父が好んでつけそうな名だった
お店には小さな靴が一足
子供のころ私が履いて ....
秋風が冷たくなってゆくのは
赤々と燃える炎を
鎮めるため

山から道へ
道から軒へ
軒から海へ
秋風は
休む間もなく吹きぬけてゆく
そうして
暦に目を留めた誰かが
山が燃え始める ....
私の三匹の獏たちはすくすくと育って
立派な大人の獏になった
偏食も直って夢をバクバク食べるようになり
(三匹めの小さな獏はおバケの夢だけ苦手だったけど)
やがて彼らは巣立っ ....
泣きたいんだ
でも
どんな風に
悲しんだらいいのか
わからなくなっちゃった
人と争うように働いて
話す気にもなれず
押し黙ったまま一日を終える

仕事帰りの公園のベンチ
あたたかいゆげで慰めてくれる
たこ焼を食べていると
目の前の通りを
なかなか客に呼び止めら ....
水は途絶えを忘れる薬

波を待ち望む青年や
イルカを愛する少女の瞳

波うち際に揺れる小舟や
小高く揺れる果樹の枝


彼ら
彼女らの
その目の海は
わたしには見えない
 ....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない


こ ....
待たなくても夜はきてしまうから
朝はどうしょうもなく待ち遠しい


眠れない


そんなことはもう
考えなくなりました


「アシタカ」というのは亀の名前なんですが
てっきりオ ....
{引用=〜スヌーピーの漫画に出てくる、黒髪の少女に〜 }


ルーシィ
わたしいま
あなたについて考えている

ルーシィ
わがままで
高慢ちきで
知ったかぶりで騒々しくて
野球だ ....
電柱立つよりかからずあかるために

蜘蛛が飛ぶてっぺんからてっぺんまで

三つのことば千の手法にて一軒の小屋

黒い婿に手を取られ階段のぼる

無神の岩場でルーズなポーズをとる坊主
 ....
ヤギさんのおすすめリスト(865)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
梅雨- 自由詩1*05-12-24
- 自由詩705-12-23
遠くにいる- ふるる自由詩37*05-12-18
ゆきしろ- とうどう ...自由詩17*05-12-14
ハトのジョージ- 虹村 凌自由詩4*05-12-9
ゴールド・ラッシュ- 千波 一 ...自由詩15*05-12-5
死んだネコを抱いて- モリマサ ...自由詩15*05-12-1
白いチョークで描いたドア- ベンジャ ...自由詩7*05-11-30
レタ- 日和自由詩16*05-11-29
波紋- ベンジャ ...自由詩12*05-11-27
ノート(逢瀬)- 木立 悟自由詩505-11-27
飛行機雲が- 半知半能自由詩205-11-27
この街を去ってゆく君へ- ベンジャ ...自由詩9*05-11-24
くもの巣と赤い葉- 自由詩4*05-11-22
クルアーン- 太郎冠者自由詩1*05-11-22
言葉が蝶のように- ベンジャ ...自由詩12*05-11-20
フラグメンツ_#71〜80- 大覚アキ ...自由詩14*05-11-17
優しい機械- たもつ自由詩3105-11-14
小春日和- 落合朱美自由詩23*05-11-13
彼は蒼- 木立 悟俳句405-11-12
フリマ- たもつ自由詩21*05-11-10
紅葉狩り- 千波 一 ...自由詩13*05-11-3
偏食_番外編- 落合朱美自由詩15*05-11-3
_。- とうどう ...未詩・独白9*05-11-1
白いゆげ- 服部 剛自由詩23*05-11-1
見たことのない海- 千波 一 ...自由詩19*05-10-31
カラクレナイ- 望月 ゆ ...自由詩24*05-10-30
この空に星は見えていますか?- ベンジャ ...自由詩9*05-10-30
ルーシィ- 汐見ハル自由詩13*05-10-29
乙女の尻- 黒川排除 ...川柳305-10-26

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