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ポケットの底に立つ
チェンバロ
しろい
花のゆれる闇は あおく
この世の終わりに
それか はじまりに
地上に残る歌は あなたの
微笑みのようにちいさい
通り過ぎて
あなたの胸に
影になってから
はじめて言葉がきらめいた
海老蔓の秋 はじめから 記憶の形をして
くろい函に
颱風がつまっている
ガラス製の 記憶より小さな、
そのよるがふるえるのをわかると
これは宝ものなのかもしれないとおもう
血液の、くろい川の
....
橋の下の叢に
ひっそりと落ちていた
真珠色の受話器と
捩れてしまった一本のコード
その先は川に入っていて
その更に先は
わからない
暮れ時、水面に ....