闇に突き刺した月
出臍の眼が胡座かき
入眠の淵を見張る
触れた言葉の
うっかり置き忘れた振りして
絶えず調律しながら
有り難いこと 、 

盲人ひとり切りの入場
決して赦すことなく
 ....
ものごしもやわらかに
巣だったばかりの雀でも見たか
いま笑みがよぎったような
そんな口角 会釈して通り過ぎる
男の 三歩後ろをいつも悲しみがついて歩く
若いころ旅先で棕櫚の並木を初めて見た
 ....
明るい方を見上げたら

淡い色で照らしてる
夜に深い影をつくる

自分くらい自分の言うこと聞いてあげよう
休みたいこと
食べたいこと

影が踊る
Adoみたいに
月が見ている
 ....
恋をする場所が
この世界にはある
通りを歩けば
人々とすれ違う

夢が飛び交う
この世はステージ
誰もが愛を
交わしあう

星屑の夜空が
歌い出して
わたしたちはきっと
幸せ ....
最後に
ノートに詩を、書いたのは
何年もまえのことになるのだけれども
何年まえだったのかは
もう、わからない

紙に
シャープペンシルかえんぴつで書いてたかな
えんぴつてことは ....
わたしたち、幼い風に吹かれて
食べている(食べている)
ブブンヤキソバ
わたしたちは全部ではないから
いつまでたっても部分だから
ブブンヤキソバばかり
食べているの(食べているの) ....
窓口で紙の保険証を見せました
この方、マイナンバーカードはと聞かれました
分かりません、独居の方なのでとこたえました
後見人さんはと聞かれました
後見人さんはそこまでなかなか出来ませんとこ ....
まばら 言葉の散布
ちらちら舞い続き

専ら冷え込む
この朝に 、

真っ直ぐ射し込み
放散する陽光受け
あれまっ!
西の地平遥か
くっきりにょきっと
輝き浮き出る
富士の高嶺 ....
正しい不正解
妄想みたいな過去
嘘みたいな現在
知りたくもない未来
間違った正解

やわらかく挟まれている
誰かが決めたあるべき姿
安心を得るために着ぐるみ着て
本心ゼスチャーしても ....
ヘミングウェイが入ってきた。
(レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』32、清水俊二訳)

元気そうじゃないか。
(チャールズ・ウェッブ『卒業』1、佐和 誠訳、句点加筆)

プルース ....
時間は川に流れ込んで
海に注がれていった
思い出は沖の方の
船が網に集めている

オレンジ色が海面を揺らして
波の音がだんだん寂しくなる
水平線に飲まれていく太陽
思い出を吹き飛ばす風 ....
ハナミズキの葉がいちまい
歩道の煉瓦に落ちていた
秋の刷毛をなんども塗り重ねた深い赤色
葉裏にのせたあさつゆは
指にはめたダイヤモンドよりも
透明にかがやく

風にひるがえってしまえば
 ....
恐れもなく
行く道は
どこまでも続く

いつか来た道
またゆく道
汗がにじむ
生きている

峠を越えて
行かねばならぬ
それが生きるということ
へこたれてはたどり着けぬ

 ....
カーテンの隙間から
漏れる、鉄状のもの
汗や痛みなどの
混濁した

私たちの怒り、は
私たちの表情、は
私たちの時代、は
安価な口笛のために
無意味なものへと
分類されてい ....
下ろしかけていた自動シャッターのボタンをまた上げる方に押す。シロップ漬けのサクランボのような紅色をしたまあるい巨星。とても大きく膨らんだ夕日がシャッター先のひくい夕空に浮かんでいる。しばしのあいだ魅入 .... シルフ 、涼やか
風の吹き寄せる
来る冬のすぐ手前
この小春日和に
それ 、天使の身体よ
びしっと引き締まりつ
やはらかくしなやか
朝に頂いた半熟卵の感触
未だ舌先に温ったかく残り
 ....
まるで誰かが読んでいた続きを持つように
ひとつ息をのむ ひとひらが、ふっと反転する

白線の胎動よ、屐声と馳せ来し
未生の律動をもて游ぶこの手
域をひらいた軛をほどき
舞いあがり地 ....
どこへ向かうかわからない駅で
本当にひとりになったとき
何も信じられなくなったとき
ひとり遊びしながら電車に飛び乗った

お父さんを演じる
お母さんを演じる
子供を演じる
僕は私はここ ....
私が髪を切るとき

羊羹を包丁で
切るみたいであってほしい

髪型を変えても
大抵、夫は気づかない
それでいい
なぜか
それがいい

髪を切るのは
飽き性の私の
ささやか ....
バスタ新宿は
ひとの群れでむんとしていた
二酸化炭素が多くなって
何となく甘いような
粘度のある空気
ひとびとは
疲れてみえた

帰るのだ
(いえ、行く)
懐かしくもない
私を拒 ....
いっしょにすごした夜のこと
憶えている
涙みせたあなたの
背中をなぜた

いつもおんなじことを
していたね
なぜそんなに
苦しんで

一生の夢
あなたにあげる
ついてきて
わ ....
夢から醒めて
高鳴る胸
騒がしい朝

太陽が呼ぶ
唇舐めて
制御された
街の通り
陰で自由になる

いつか
サボテンの上の日のように
許されるときがくる
きっとくる

目 ....
雲は流れ 雨が止んで 賑やかな夜です
OH 恋する人達 クリスマスなんです

心のままに 思いをのせて 風に乗り 届けて
OH 感謝の言葉を 真心を込めて

駆け抜けてゆく 走り続ける 船 ....
街灯
下に虫を集め
光を放つ

無言に
照らし出すことで
安全を守る

夜々の

点々と灯り
繋がっている
道に沿って
今の私を誉めないで、未来の私がどうなっているのかも、分からないのに。今の私を誉めないで。今の私を貶さないでください。未来の私がどうなっているのかも、分からないのに。初対面に近い人から、何か言われるたび ....  滋賀県に在住している私は、機会あって近江詩人会という団体が
毎月発行している詩誌「詩人学校」へ作品を発表しています。
 最初のうちは、他の人達の難解な作品も含めた詩作経験の違いに
戸惑い、 ....
観覧車
メリーゴーランド
どっちもまわってるのに
どっちもとまれば困ってしまうけど

天災と人災の区別なんか
わからないから
おんなじタオルで包んで
大丈夫だよって
タオルがなくなら ....
橙色の着物に黒い帯をしたあねさま人形が二つ
コンクリートの壁の前で銃殺された
こどもたちの口の空砲
おとなたちの目の録画機能
遠い国の炸裂音が夜の耳をルミネーションで飾る
ジャスミンティーの ....
智慧と慈悲をもってすれば
すべての関係を良化できる
誰をも壊すことはない

智慧と慈悲とで対すれば
あらゆる苦しみを取り去れる
そしてその後に残るのは
人々の穏やかな
幸せな生

 ....



猿を動かすベンチを動かす舌を動かす指を動かす庭を動かす顔を動かす部屋を動かす地図を動かす幸福を動かす音楽を動かす間違いを動かす虚無を動かす数式を動かす偶然を動かす歌を動かす海岸を動かす意 ....
月乃 猫さんのおすすめリスト(628)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
門番(改訂)- ひだかた ...自由詩525-12-6
陽気な男- ただのみ ...自由詩7*25-12-6
優しさ- 自由詩625-12-6
恋をする場所- 杉原詠二 ...自由詩2*25-12-6
最後のノート- 秋葉竹自由詩325-12-5
ブブンヤキソバ- たもつ自由詩7*25-12-5
そういえば- wc自由詩9*25-12-4
昇天の朝- ひだかた ...自由詩1025-12-4
本当を失っていく- 自由詩725-12-4
僕タチハ、ミンナ森ニイル。- 田中宏輔 ...自由詩1625-12-4
時と思い出- 自由詩8*25-12-3
秋は満ちて行く- そらの珊 ...自由詩10*25-12-3
行く道- 杉原詠二 ...自由詩1*25-12-3
混濁した- たもつ自由詩925-12-1
幕を下ろす- 本田憲嵩自由詩1125-11-30
ずっとずっと_ねぇ- ひだかた ...自由詩525-11-30
暴動- あらい自由詩325-11-30
劇団海- 自由詩825-11-30
羊羹のまま- 花野誉自由詩15*25-11-30
高知行き703便- りつ自由詩6*25-11-29
明日からずっと- 杉原詠二 ...自由詩2*25-11-29
レーザーメス- 杉原詠二 ...自由詩1*25-11-29
心のままに- 鏡ミラー ...自由詩7*25-11-29
街灯- 杉原詠二 ...自由詩1*25-11-29
毒種- 武下愛自由詩5*25-11-29
私の創作活動について- リリー散文(批評 ...8*25-11-29
チビ- wc自由詩11*25-11-29
開封- ただのみ ...自由詩6*25-11-29
智慧と慈悲- 杉原詠二 ...自由詩2*25-11-27
受粉。- 田中宏輔 ...自由詩1325-11-27

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