深く潜っていると
苦しくなるのはなぜだろう
うつくしいものとは
神秘であり
畏れでもある
言葉に出来ないものに
取り憑かれて
死んでもいいよとおもわせる明け方の
紫陽花の群生
色彩の ....
涙だけ
こらえていれば
心など
無視していてもいい
あまりにも
深い
深い深いこころの奥にある剣を
ぎゅっ!
と握ってみたくなる
夕闇の家路
そしてあしたも朝になれ ....
玉を磨き続けた
さとりを得るために
心の中では信じ切れてはいなかった
いつかさとれると
しかし修業は嫌でも厳しい
かなりの難関の
障害を
クリアしてきた
いま目の前は晴れ
杞憂もなく ....
心の内しんと平静なり 、
沈み込む時間の底
あちこちで言葉投げ合う
何ものか達の声 木霊して
過去に置いて来た断絶の涯てに
支え合う宙の奥行きの只々広がり
既定の時の流れと ....
気がつけば一面の緑のなかで
途方にくれていた
どこから来て
どこへ行こうとしているのか
すでに熱を失って
剥製のように軽くなった
小鳥のむくろを
両の手に捧げている
はばたいて ....
トゲトゲが無くなるまで
話しかけよう
生きているから
いつか通じると信じて
サボテン
そばにいると癒される
トゲトゲだらけなのに
少しも嫌じゃない
サボテン
少しくらいサボろ ....
地球は永遠の星だ
太陽に育まれ
月という伴侶もいる
子らは地表を覆い
海に棲みついて
愛を表現し合っている
だからこの地球は
人間の力で守らなければ
地球の子として
善も悪も行う ....
入道雲がもくもくと
夏の空
夏の空
誰か望まなかった人はいる?
永遠の幸福を
いま空に視界は届き
夏の雲が
なんでもないって
言っているよ
ずっと我慢し続けたね
解放される ....
本が来る
熱烈な片想いが成就するかのようで
子宮がゾワゾワする
浅い昨夜の眠り
今日あたり
恋しい本が来る
半眼で想う
(行ったことのない)スコットランドの風 ....
透けていくからだの
根っこのどこかで
何かが心を穿つ
目の前はかすむのです
小さな水槽の水草をちぎって
置き石の陰で横たわり
フロートガラスの壁に立ち上る
気泡をゆっ ....
給食の時間に落とした
わたしの唐揚げは
数十年も宇宙を漂っていた
「宇宙空間に謎の唐揚げが」
という報道で知った
写真を見ると確かに
あの日に落とした唐揚げと
同じ色と形をしてい ....
月光の
遠く輝く
夜の中
輝くきみに
愛をもぞする
肉の死滅迄の下降線を辿っていくと
交通渋滞の苛立ちも止まってしまい
ただ私と云う不協和音醸し出す
内なる怒りこの時代の怒りと同期し
落ちていきながら窒息していきながら
確実に上昇曲線 ....
直視できない太陽
あなたのことを思い出してる
もうこの街にも
慣れたけれど
ふいに会いたくて
気づけば手をかざし
空を見上げる
暖かくて
涙が出る
夜が来るたび
思いを指に ....
時をさかのぼれば―
永遠がえんえんと―
見間違うことの出来ぬ空
今まで何回夢を見たのかということを
定義できぬ
ゆえに生きる途中で
休憩所に立ち寄り
また夢を見る―
それは愛?
....
長い旅になった
疲れて
腰を下ろした
空からひらりひらり
悲しみに包まれた夜に
白い粉が降りかかる
旅人は永遠とつぶやいた
涙で眼が濡れている
不可能と思われた視界の中に
収 ....
湖は光を洗い
まろい音をはじきながら
たち渡る風が青じろいまぼろしをつくる
魔法瓶の麦茶が喉を通る冷たさ
図書館の帰り、
昼どき近くの公園で
セミの鳴きに耳を傾け ....
酔っ払いの群れに
ぶつかりながら
君に話しかけても
後ろの大声の会話に
かき消されて
駅までの間
少しも話せなかった
もうすぐ終電と
急ぎ足の君と
はぐれないように
ついていく ....
「氷」
口のなかの体温で氷がほどけていく
世界が終わるかのような
とどろきを上げて
北極の氷山も海にくずれおちていく
さよなら
夏の真ん中で
わたしが失ったのは
透明 ....
揺蕩いながら打ち刻み
打ち刻みなから揺蕩い
進行する時の次第に
間延びしていき
スローモーション
あなたをわたしを別の次元へ誘う
(互いにそっぽ向きながら手だけ繋ぎ)
湧き立つ ....
小さな虫籠に閉じ込めていた
私という虫
狭い世界で
所詮蛾だからと
あきらめていた
それでも自然と暴れてしまう
翅を広げられたなら
私は本当に虫だろうか
その疑いが虫籠を開ける
....
全てに予め終わり織り込まれて居ると
身を以て識るが故に、初めて真に光り輝くもの
この宇宙の想い込められた肉の存在カタチの
見守り見守られ・見守られることすら無き満ち引き、
他者も自分 ....
あまねく日は西へ傾き
道に日は照り
わきたつシャンパンゴールドの
彩雲がおだやかな貌をみせる
隣人やあなたから見える
ベランダで洗濯物を干す「わたし」は、
知らないまに
....
あなたが引き金を引いた
運命の銃声
熱くなって
倒れた
耳元の囁き
「止められない」
あなたの命と私の命が
ぶつかろうとしている
このまま運命を受け入れられるだろうか
あなたに運 ....
想い出したように
鳴る
風鈴が
躊躇うように
あなたが
幼い頃の話をする時のように
鳴る
風鈴が
逃げる風を追い駆けようとして
諦めたように
鳴る
あなた ....
拾いあつめ
また捨てて
息をするように
無意識ではないにしろ
なぜ そんなにも
答えは奇妙にねじれ
開き始めた蕾
からみ寄生した
耳に甘く残り
口に苦く広がった
残響 ....
どうして
そのいろに
したの
はなびらといきた
あのはるを
+
あめの
かどをまがる
どこまでもつづく
くらげいろの
みず
+
ふうとうから
なみおと ....
一瞬
影のさした殺意に
光をあてて解いた
こころに謝り
手を合わせる
まわりはどうあれ
時は過ぎてゆく
全てが静止するまで
叫ぶ雲。
出来ていないからあえて言うけれど
「足 ....
難しくなると
投げ出したくなる仕事
継続が危うくなる
AIを使えと命じられる
AIに振り回される
使うつもりが使われて
AIより下っ端の労働者
AIを乗りこなす
騎手たちがゆんゆんと走 ....
海と陸を絶つ胎盤は漏斗の奥で
ひときわ高い山のいただきから見た
あなたはオリフィス
接続エラーの胞子
くさのね、ぬけがら
構造を拒みながら育っていた
klepsydra(クレプシドラ) ....
1 2 3 4 5 6 7